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DIPROニュース

2006

1月号

2006.01.10

やっぱり大事な「デジタル連携プロセス」 ~E-Methodologyを核に製品開発業務効率化を~
デジタルコンテンツサービス部

今、「ナレッジCAD」に注目が集まっている

自動車業界では、「デジタル化」を徹底的に追求した日産自動車殿のV-3Pプロセスが注目を集めています。これまで20ヶ月以上掛かっていた新車開発をわずか10.5ヶ月に短縮しました。「ノウハウCAD」「解析シミュレーション活用の拡大」「デジタル工程検証の徹底」などの、「デジタル化の追及」がその主な方策だと紹介されています。(日経ものつくり2005/7月号)

これらの方策の中で、特に「ノウハウCAD」が関心をもたれているようです。自動車業界に限らず、3次元CADが行き渡って「デジタルモックアップ」などの3次元手法の活用が当たり前になり、さらに高度な3次元活用手法として日産自動車殿を初めとした多くのお客様が、「ナレッジCAD」を可能性のある効率化手法と評価しているのだと思います。

3次元での仕事が当たり前になったが

3次元CAD活用の手段として「とうとうここまで来たのか!」と長年この分野で仕事をしてきた私にとって感慨深いものがあります。しかし一方では、業務上接する色々な業種のお客様のお話をお聞きして、「3次元CADを使って本当に効果は上がっているのか?」という疑問も湧いてきます。「2次元で設計した結果で3次元モデルを作っている」「設計の終わった時点で出来上がった3次元モデルで解析シミュレーションを実施している」などの事例を耳にし、「まだまだ真の3次元プロセスが出来ていない」と感じることが多くあります。

E-Methodologyとは

弊社では、日産自動車殿をはじめ、多くのお客様の「3次元CAD使いこなしサポート」を主要業務として取り組んできました。この経験を基盤に、日産殿で言う「ノウハウCAD」と同様の考え方で「E-Methodology」と名づけた「ナレッジCAD手法」に纏め上げました。繰り返し実行される「3次元検討行為」や「3次元モデリング」を半自動化する「3次元テンプレート」などを作り上げ、効率化を実現します。

プロセス改革と一緒に

「E-Methodology」は設計作業を標準化し自動化する効率化手法です。魔法の杖ではないので、当然限界はあるものの賢く使っていただければ、大きな成果を生める「方法論」と確信しております。しかし一方では、上述のように「3次元CAD適用の成果が出ない」という現実もあります。「設計行為の標準化・自動化だけでは大きな成果につながらない」とも言えると思います。

2006年は再び「デジタル連携プロセス」が関心を呼ぶはず

日産自動車殿を初めとして自動車会社では過去20年のCAD/CAM/CAE活用の歴史で、「CAD/CAM一元化→DMU→ナレッジCAD」と3次元CAD活用を進化(深化)させてきました。「ナレッジCAD」が重要な効率化ツールであることは間違いありませんが、長年の経験から、やはり製品開発の効率化に重要なポイントは「設計・生産技術連携」だと感じています。幅広く製造業に3次元CADが普及し定着した現在、今一度製品開発プロセスを見直し、設計・生産技術のコンカレント連携を3次元CADモデルで実現する「真のデジタル化連携プロセス」を構築することで、大きな効率化を実現できると確信しております。

今年こそ、皆様の「デジタル連携プロセス」構築のお役に立ちたい

3次元CAD適用法で先頭を走っている自動車会社で経験したプロセス改革手法は必ず、お客様のお役に立てると信じております。2006年を再び、「プロセス見直し・改善」の年にしませんか?

(取締役 デジタルコンテンツサービス部長 加藤 廣)

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