株式会社東海理化様では、DXed町工場(デジタリー・トランスフォームド・マチコウバ)を合言葉に、生産準備業務における3Dデータを活用した業務改革に取り組まれています。
本稿では、COLMINA デジタル生産準備 VPS(以下 VPS)の具体的な取り組み事例として「VPS GP4を活用した3Dのレイアウト検討」、「VPS Xphereによる1 / 1検証」、「VPS MFGによる帳票情報一元化」といったVPSソリューションの活用についてご紹介します。
本事例は、第38回VPS事例セミナーでのご講演内容をもとに作成しています。
会社名 (英文社名) |
株式会社東海理化 |
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本社所在地 |
愛知県丹羽郡大口町豊田三丁目260番地 |
設立 |
1948年8月30日 |
代表者 |
代表取締役社長 二之夕 裕美 |
従業員数 |
20,083人(連結) |
資本金 |
228億円 |
売上高 |
4,873億円(2021年4月1日~2022年3月31日) |
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主要製品 |
自動車用各種スイッチ、キーロック、シートベルト、シフトレバー、エレクトロニクス応用製品、ステアリングホイール、コネクター、ミラー、樹脂ホイールカバー、オーナメント |
(2022年3月末現在)
従来、2Dレイアウト図、および手書きのポンチ絵を見ながら行う工程DR(デザインレビュー)では検討内容が十分に伝わらず、指摘の見過ごしが起こり、設備納入後に問題が顕在化し、手戻り工数や追加コストが発生していました。
この課題を解決するべく、工程DRの参加者が3D上で共通のイメージをもって検討内容の確認や改善提案ができるソリューションとしてVPS GP4を導入いただきました。
VPS GP4の活用が進む中で、さらなる生産準備業務の工数低減をめざしてVPS MFG、VPS Xphereをそれぞれ導入し活用されています。
以前は、生産ラインを段ボールで製作し、作業性やレイアウト成立性を検討していました。段ボールラインの作成には時間がかかり、また場所を取る難点がありました。そこで東海理化様ではVPS GP4を活用した組立ラインの余剰スペース削減や作業性の改善に向け着手されました。結果として、ラインサイズのコンパクト化に成功され、歩行動線も5割削減されました(図1)。
また、作業負荷の低ストレス化にも取り組まれました。ここでは、東海理化様の社内指標に合わせたVPS GP4の作業姿勢評価機能を活用されています。従来、感覚に頼っていたレイアウト検討は、作業評価機能により定量的な基準に沿った負荷の少ない姿勢かつ効率的な位置への設備配置が可能になりました。(図2)。
VPS GP4での検討に加えて、生産ライン担当者にライン検討内容をより深く理解していただくために、VPS Xphereを活用されています。VPS XphereのGP4連携機能を活用し、組立ラインの中にVRで入ることにより、3Dの画面で見るよりも実作業に近い形で評価ができ、より多くの問題点を洗い出すことができました。部品取出し位置や山越え作業の見直しなどにより、全体の手動線長を削減されています(図3)。
試行段階でのVPS GP4とVPS Xphereの活用では、従来に比べると全体工数の10%が削減されました。
今後の本運用段階ではさらなる工数削減が見込まれています。
図3 組立ラインでの1 / 1検証(第38回VPS事例セミナーご講演資料より)
※クリックすると拡大します
工程検討書や工程FMEAなどの各種帳票作成では、手戻り、抜け漏れ確認、重複情報の転記などに時間を取られていました。これら情報の一元化にVPS MFGを活用されています。初めに取り組まれたのは工場間で異なる帳票フォーマットの統一化です。工場間で統一された帳票の情報は表形式機能でVPS MFGに定義されています。フォーマットの統一化に合わせて、標準化された項目は表形式機能の表形式ライブラリに登録されています。項目に合わせて表形式ライブラリから必要な情報を選択し、各種帳票を作成できるようになりました。これにより帳票ごとに異なる文言の統一化もできるようになりました。今後は、推進チームがライブラリを管理運営し、必要に応じて項目を増やす予定です。試行段階時で20%の工数が削減されています(図4)。
図4 帳票作成時間短縮の取り組み (第38回VPS事例セミナーご講演資料より)
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東海理化様では他部署へのVPS MFG / GP4 / Xphereの展開や新規製品への適用を検討され、3Dデータを活用したさらなる業務改革に取り組まれています。
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