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DIPROニュース

2022

7月号

2022.07.11

COLMINA デジタル生産準備 VPS お客様事例
村田機械株式会社 研究開発本部 様

装置開発時のVPS IOCを活用したサイマルテニアスエンジニアリング

お客様の事業内容

Muratec
会社名
(英文社名)

村田機械株式会社
(Murata Machinery, Ltd.)

本社所在地

京都府京都市伏見区竹田向代町136

設立

1935年7月

代表者

取締役社長 村田 大介

従業員数

グループ 7,800名 / 単独 3,600名

資本金

9億円

事業内容

ロジスティクスシステム・FAシステム・クリーンFA・工作機械・シートメタル加工機・繊維機械・情報機器などの製造販売

(2021年4月現在)

Muratec 1935→繊維機械 1962→ロジスティクス/FAシステム 1985→クリーンルーム対応保管・搬送システム 1961→旋盤 1970→シートメタル加工機 1972→情報機器

私たちは、つねに新しい技術を創造し、お客さまに喜ばれる製品の提供を通じて、社員ひとりひとりの幸せと豊かな社会の実現をめざします。

事例概要

村田機械株式会社研究開発本部様では、新規事業創出につながる装置開発や要素技術確立のための試験装置開発等、多岐に渡る装置開発をされています。短期間でスムースな装置立上げが求められている中で、2018年後半に自動車業界が取り組んでいるMBD(※1)を活用したサイマルテニアスエンジニアリングと出会い、その実現ツールの1つとしてCOLMINAデジタル生産準備VPS(以下VPS)IOCを導入いただきました。

本稿ではサイマルテニアスエンジニアリング実現に向けて、取り組む上での課題とVPS IOC活用による解決についてご紹介します。

※1
MBD:モデルベース開発

取り組み背景と課題

研究開発本部は、最先端の技術開発や深耕を行うだけでなく、各事業部がバラバラに持つ固有の要素技術を他の事業部でも活用できるようにする横串の役割も担う一方で、社内利用の試験装置から販売用の大型装置等、多くの装置の開発設計も行っています。研究開発という特性上、試験機においては一品一様が多く、開発・設計の速さが求められています。

サイマルテニアスエンジニアリング実現に向けての取り組み背景において、課題の一つにソフト設計者の装置立上げ時のドタバタを改善したいということがありました。従来、計画の段階では、多少の手直しが発生しても計画通りに装置立上げが完了できるように予定を立てていました。しかしながら、上流の作業フェーズである機械・電気設計の遅れから、そのしわ寄せが下流の作業フェーズのソフト設計者の負荷となり、「手直しが計画時間内に終わらない」、「ソフト検証の着手時期が遅れる」など残件対応に追われ、引き渡し間際まで業務が逼迫していました。

①装置立ち上げ時のドタバタをどうにかしたい リーダー:またソフトトラブル?!もうすぐ立ち合いですよ。→ソフト設計者:ごめんなさい。何とか間に合わせます。<心の声>昨日まで機電も手直しして、着手遅れたのに、仲間なので言いづらい。 機・電設計者:<心の声>あの手直しのこと言わないで~!!

また、ソフト設計者は、構想設計や詳細設計初期段階においては作業に余裕がありますが、後工程に作業が集中し開発期間全体を通しての作業負荷の平準化も課題となっていました。

②設計者負荷の平準化をしたい

VPS IOC活用による課題解決

これらの課題に対して、VPS IOCを活用した設計初期段階の問題点を潰し込むフロントローディング開発に取り組みました。

設計初期の構想設計期間を今までよりも長くとり、機械、電気、ソフト設計者、さらには製造側も参加して、ワイガヤの中でVPSの仮想メカを視覚的に見ながら自由闊達なレビューを繰り返しました。

実機が無い段階で機械設計者が作成した3Dデータを活用して、VPS MFGで組立手順を検討し、VPS IOCのタイミングチャート機能で、仮想メカの動きを見ながら容易に動作タイミングを変えて検討できることから、コーディング前に確度の高い動作仕様を決定することができました。

また、設計初期段階から製造実務者からも活発に良い意見を貰うことができ、設備に反映することができました。

しっかりとフロントローディングで作り込むことにより、実機での修正が減り、結果として装置づくりや立上げ期間が短縮され、開発スピードを上げることができました。

◎解決に向けた取り組み

さらに、後工程の実機設備がない物づくりの段階において、実機PLCとVPS IOCの3D仮想メカを接続して、そのPLC制御指令から仮想メカを動かし制御デバッグ作業を行いました。

このVPS IOC仮想メカ制御検証による効果として、以下の3点が挙げられます。

  1. 今までは、ソフト開発ツールでの数値や検証機に設置したサーボモータの回転動作を確認してソフト検証をしていたが、仮想メカで視覚的に容易に確認できるので、検証時間を短縮できた。
  2. 装置の動作仕様を変更した際にも、仮想メカはぶつけても壊す心配がないので、最初から設定速度を高速にしてメカ動作の確認をすることができ、検証時間を短縮できた。
  3. 以前は、小型のサーボアンプとモータを軸数分取り付けて検証していたが、VPS IOC検証ではサーボアンプやモータが不要なため、検証機の小型化やコストダウンも達成できた。

コーディング前の確度の高い動作決定

PLC制御指令から仮想メカを動かし制御デバッグ作業

VPS IOC導入結果と今後の展開

MBDを活用したサイマルテニアスエンジニアリングの実現ツールの一つとしてVPS IOCを導入いただき、実機が無い構想設計段階からソフト設計者が、「動作の事前決定」や「コーディング後の実機ソフト投入前のソフト検証」を3D仮想メカで行うことにより、課題であった装置立上げ時の作業逼迫の改善や、設計者負荷の平準化を実現されました。

さらにはVPS IOCの動作アニメーションを「お客様との動作認識合わせ」などにも有効に活用され、効果絶大との評価をいただきました。

今後、更なるVPS IOC活用の展開として、「干渉チェック機能の使い込み」や「関連部署での操作検証・操作教育」、「エンドユーザーへの操作教育」などの活用を考えておられます。

また、研究開発本部では一品物の装置が多く、出荷後社内に同型装置が無いことがあるため、不具合発生時の事象確認や機能アップ時の社内事前検証が困難であることから、納入後の「不具合事象の確認」や「機能アップ時の社内確認」などでも、VPS IOCの活用を想定して活動を進められています。

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(VPSビジネス部 池田)

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