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DIPROニュース

2008

1月号

2008.01.10

ゲーム作りとピラミッド組織 - 第一開発部 -

あけましておめでとうございます。

取りとめのない話題からですが、第一開発部の新入社員には「ゲーム作り」をさせています。

自動車会社のIT部門が小さな組織だった30年程前に、当時1億円の3次元グラフィックで魚雷船ゲームを無我夢中で作りながら使い方を習得した私の経験が発端です。現在の先輩社員達(私ほど不埒ではないので)が実際に新人教育で作らせるのは、スクリーンセイバーまでですが。

この目的は、ソフト開発に興味を持たせるだけでなく、小さな「製品」を1人で作り上げる経験をさせる意味があり、「最初で最後のメインプログラムかもよ」と言っています。どんなソフトにもプログラム群の頂点に位置し、最初に実行される「メインプログラム」があり、何千人で開発するソフトでもメインプログラムに携われるのは1人だけですから。

ところで、私も人材育成に頭を抱える一人として、ノウハウやナリッジをどう伝承していくか?と悩んでいます。成功例は残りますが、その陰にあった膨大な失敗例こそが「知」なのですが、継承しにくいものです。

どんなに優秀な人材でも、既に成熟した製品を開発する「ピラミッド組織」の底辺からでは、全貌を見渡すことは出来ません。その産業が芽生えた当時から参画して、小さな山が高い山になるまでに多くの失敗事例を結果的に頂上付近から見続けることができた先駆者達の「知」には、同じプロセスを経験しない限り太刀打ちできないでしょう。そして、この問題は全ての成熟産業に共通すると捉えています。

幸いにもDIPROには自主開発製品としてICAD/SX、VridgeRやαCADなどがあり、ソフト開発の全貌を見渡せる機会に恵まれています。加えて新人研修として、小さな「製品つくり」で模擬的に全貌を捉えることで体験したヒヤリ・ハットを製品開発に活かせる人材育成を目指しています。

ここまで年始のご挨拶として、製品開発の全貌を捉える話をしました。しかしピラミッド(製品)の全貌は頂上からだけでなく、ある程度の距離を置けば見えてくる全貌(商品)もあります。お客様と同じ視点で見るという、最も大切で最も難しいこと、今年も悩み続けますので宜しくお願い申し上げます。

(理事 第一開発部 部長 森 博己)

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