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DIPROニュース

2008

1月号

2008.01.10

デンタル事業室 2008年の展望 - デンタル事業室 -

図1.歯科用CAD/CAM
図1.歯科用CAD/CAM

図2.ミリング加工
図2.ミリング加工

図3.ジルコニアコーピング
図3.ジルコニアコーピング

今、世界の歯科業界で大きな変革が起きようとしています。それは歯科用のCAD/CAMシステムの急速な増加です。03年当時、歯科用CAD/CAMシステムは世界で約20社でした。05年には約40社、07年には何と80社から発表、発売されており、2年毎に倍増しています。

DIPROは10年以上前から自動車開発で培った技術を応用して歯科CAD/CAMシステムの開発を進めており、現在国内外を含め2種類の歯科用CAD/CAMビジネスを展開しております。

1つは専ら国内で販売しているもので、歯と同じ硬さのセラミックスブロックを切削加工して差し歯やクラウンを作製する「DECSY:エンジェルクラウン」です。これは価格が安く品質が高いと好評で着実に実績を伸ばし、昨年は約15,000歯の臨床適用がありました。これは日本国内のオールセラミックス歯冠の約1/3に相当します。

もう1つは主に海外で展開している「KATANA」システムです。高強度のジルコニアを使用した歯冠のコア材を作製するシステムです。

エンジェルクラウンと異なり歯冠そのものを作るのではなく、そのコア部を作るものです。技工士さんがこの上に陶材を盛り上げ歯冠にします。エンジェルクラウンより手間がかかる分、微妙な色調の表現ができ、審美要求の強い欧米では強いニーズがあります。既に米国で2箇所の加工センターを開設し年間約50,000歯の実績をあげています。米国、欧州ではセラミックス歯冠の需要が多く、さらなる増加が予想されています。

特にジルコニアなどの新素材は非常に強度が高いという利点がありますが、反面、硬く、人手で加工するのが難しいため、従来は使うことが出来ない材料でした。CAD/CAMシステムによって初めて日常の歯科治療に使えるようになりました。

現在手作りが主流の歯科技工の世界もCAD/CAMシステムが主流になる日が結構早く来るかも知れません。

(デンタル事業室 室長 藤原 稔久)

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