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DIPROニュース

2004

1月号

2004.01.10

21世紀初頭の10年は製品3次元データの活用期 ~歴史を振り返り今後の10年を見通す~
- デジタルコンテンツサービス部 -

1970年代の黎明期を経て、1980年代には、実業務でのCAD/CAM,CAEの本格活用が展開されました。企業ではCAD端末の大量導入とスパコンの設置が相次ぎました。1990年代に入ると、コンピュータハードウェアの急速な進歩に支えられて、CAD/CAMでは「ソリッドモデルへの本格的な転換」、CAEでは衝突解析と空力解析に代表される「非線形大規模動的問題の実務適用」が実現しました。

2000年代は「3D製品モデル活用期」と定義できます。製品設計部門の作成した「3D製品モデル」を下流部門がデジタルファクトリ分野で活用したり、解析シミュレーションで活用したりすることが当たり前になりつつあります。

日本自動車業界の製品開発期間は、1980年代:2.5年間→1990年代:1.5年間と改革されてきました。これを実現するための最大の方策は、試作繰り返し回数(ロット)の削減です。5ロット(1980年代)→ 3ロット(1990年代)へとドラスティックに変革してきました。

2000年代のプロセス変革は、1ロット試作で1年未満の開発期間を実現することです。

21世紀に目指す「デジタルプロセス」のポイントは以下の4点です。

  1. 実物試作と実物実験を1回だけで仕上げる
  2. 構造要件確認のために、生産手配前に3回程度のデジタルモックアップ(DMU)を実施
  3. 性能要件確認のために、生産手配前に3回程度の車体・車両解析(CAE)を実施
  4. 製品3Dデータから型・治工具を作成(CAM)し、工程計画を3次元でチェック(Digital Factory)

つまり、実物試作を減らし、3次元データによるDMUとCAEにより、設計内容を確実にし、CAM,DFにより、生産準備を短期間で、手戻りなしで進める。これが、「デジタルプロセス」です。CAD,CAM,CAE,DF,PDMを夫々、各担当部門や担当企業が独立して使いこなすだけでは、上記の「デジタルプロセス」は実現できません。これらのコンポーネントの実現レベルをそろえて、各部門・関連企業まで巻き込んだ一貫性のあるPLM推進が必要となります。これは自動車業界に限らず、全製造業共通の課題です。

DIPROは「3Dデータの成長と活用」を、キーファクターとして、お客様の「デジタルプロセス」実現のお手伝いさせていただいております。2004年こそ貴社のプロセス改革を実現しませんか!!

「開発期間短縮」と「CAD/CAM/CAE」

(理事 デジタルコンテンツサービス部長 加藤 廣)

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