あけましておめでとうございます。
昨年暮れのDIPROニュースで、自動車会社のITが進んだ理由の1つには、開発や製造方式が定型化し、製品の開発サイクルも固定化できている顕著な製品だからと述べました。一方で、こういった成熟した業界では開発や製造現場の業務細分化が進み、全貌を掌握できるエキスパートの育成が難しくなっていると考えるのは、私だけではないと思います。
我々IT業界においても業務の細分化が進み、CADとPDMのエキスパートが分離してきました。本来PDMはCADデータを管理することを主目的に生まれたシステムなのですが、それらを開発したり運用する専門家が分離すると、道具同志も離れて行くような気がするのは私だけでしょうか。
ところで、最近のDaratech社の報告によると、エンジニアリングIT分野の全需でも、メカニカルCADの市場よりデータ管理システム市場の方が大きくなっているそうです。こうなると、再分化されたエンジニアリングITの全貌を掌握すべきという以前に、CAD/CAMの存在感すら薄れつつあるという危惧さえ感じます。
本来CAD/CAMは、形を創造(CAD)し、ものをつくりだす(CAM)道具として製造業の根幹を支えるために発展し続けるべきだ(そうであって欲しい)と思っています。しかし現実は、一部の専門家の道具となり、製品開発に携わる一般エンジニアからは離れた存在になっていることも、その存在感を薄めている一因ではないでしょうか。
我々、CAD/CAM開発を主体とする第一開発部としても、CAD/CAMを身近にする提案ができていなかったことに、大いに反省を感じております。
今年は原点に戻って、形を創造し、ものをつくりだすことに、多くの皆様が喜びを見出せるご提案に尽力できれば幸いです。
(第一開発部 部長 森 博己)
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