MENU

DIPROニュース

2005

1月号

2005.01.10

デンタル事業室2005年の展望 - デンタル事業室 -

今、歯科の世界では大きな変革の流れが起きています。従来、人手で作製していたセラミックスクラウンなどの歯冠修復物をCAD/CAM技術を利用して高速、低価格で作製する装置の急激な普及です。

下表は日本と米国の歯科医療の状況を比較したものです。人口1万人当りの歯科医師数などはほぼ同等ですが、歯科用CAD/CAMシステムの導入数は日本の500セットに対し米国は18,000セット。また年間のセラミックスクラウン作製数も日本の360万本に対し米国は4,800万本と圧倒的多数です。

表1.日米の歯科医療の状況比較

  日本 米国
人口 1.2億人 2.6億人
歯科医師数 85,000人 162,000人
医師数/万人 7.1人 6.2人
総医療費(GDP割合) 28.6兆円(7.2%) 83.3兆円(12.6%)
セラミックス冠/年 360万本 4,800万本
CAD/CAM 500セット 18,000セット

医療費(内、歯科は約10%)のGDPに占める割合は日本の7.2%に対し米国は12.6%と約1.7倍もの高率です。単に虫歯の治療や噛む機能の回復を図るのであれば金パラなど金属クラウンで充分です。しかし、人前で抵抗なく歯を見せて笑えるなど精神面のゆとり=真の生活の質(QOL)の向上を目指すとやはり白く美しいセラミックスクラウンが必要です。その為には多少の出費はやむを得ないと認識されています。

残念ながら日米間には歯科医療、QOLに対する意識の差があるように思われます。ところで、歯がきれいに見えるのはどんな時でしょうか。大抵は笑顔の時です。笑顔でいると周りを明るく楽しい雰囲気にします。笑顔の人は輝いて魅力的に見えます。なにより白くて美しい歯を持っていると人前で歯を見せることに抵抗がなく、いつも笑顔でいられます。


図1.エンジェルクラウン

昨年11月に当社の歯科用CAD/CAMシステム「DECSY」で作る高品質、低価格のセラミックスクラウンを"エンジェルクラウン"と命名し発表いたしました。

手間のかかる技工作業の大半をCAD/CAM技術で自動化いたしましたので、高品質のセラミックスクラウンを従来のほぼ半額で提供できるようになりました。このため患者様は勿論、多くの歯科医院様、技工所様からも「セラミックスクラウンが手軽に入れられる、歯科治療の質が上がった」と好評を頂いております。

今年はこのエンジェルクラウンを更に広め世界中が笑顔で溢れ、正に「笑う門には福が来る」年となることを願っております。

(デンタル事業室 室長 藤原 稔久)

TOP