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DIPROニュース

2017

2月号

2017.02.10

CADカスタマイズサービスのご紹介 <I-deasデータのNX変換支援ツール>

はじめに

製造業においては、多くの企業が3次元CADを導入して、製品設計・開発のコスト削減や生産性の向上を図られています。3次元CADは複雑かつ高度な機能性と操作性を持つことから、導入時に搭載される機能の仕様確認や操作教育を受けて、最も効率のよい使用方法でご利用されているかと思いますが、自社の製品力と競争力のさらなる向上を目指して、製品設計・開発の業務効率の向上を期待されるお客様も多いのではないでしょうか。

弊社の「CADカスタマイズサービス※1」では、製品設計・開発業務における3次元CADシステム/CADデータを、お客様の業務に適したシステム/データに変更することで業務効率化をご支援いたします。ご提供するカスタマイズサービスは、(1)CADシステムのカスタマイズ、(2)CADデータのカスタマイズに大別されます。

※1
2012年11月号「CADカスタマイズサービス」のご紹介

(1)CADシステムのカスタマイズ

CADシステムに、部分的な製品設計業務を効率化するお客様独自の便利機能(アイコン)の追加から、設計~製造工程間をまたがる業務を効率化するシステムを開発します。
CAD機能の繰り返し操作を自動化する、API※2を駆使した開発のみならず、弊社が得意とする自由曲面処理技術を活用した、APIでは実現できない複雑な形状処理が必要となる開発※3もご提供しております。

※2
Application programming interface。CADシステムで提供されるカスタマイズツール
※3
2014年10月号:曲面アルゴリズムの改良によるライティングシミュレーションのプログラム高速化

(2)CADデータのカスタマイズ

CADシステムに搭載される中間フォーマットの入出力を利用して、各業務やデータ流通の運用の効率化を図るCADデータのカスタマイズ(データ変換)を行います。

たとえば、CADデータからJT、IGES、STEPなどの中間フォーマットへの変換と、変換データの配信準備(お取引先企業ごとのフォルダ自動振分けなど)を自動化し、変換作業の工数削減と配信ミスを防ぎます。

本稿では、2016年6月号でご紹介しました、DIPRO MASTER(I-deas)からNXへ移行されるお客様に、保管されている大量のI-deasデータのNXへの変換を効率的に支援するI-deas パッケージファイル自動作成のカスタマイズツールをご紹介いたします。

I-deasパッケージ自動作成

CMM Soloによるデータ移行では、I-deasTDMで管理されるI-deasデータを変換するには、パッケージファイル(.pkg)への出力が必要です。また、ローカルの I-deasデータは、パッケージファイル出力の前にI-deasTDMへチェックインする作業も必要となります。保管されている大量のI-deasデータごとに、これらの作業を手動で行うには多くの工数を費やさなければなりません。

これらの作業を自動で行う、(1)自動チェックイン機能、(2)自動パッケージファイル出力機能で構成する『I-deasデータのNX変換支援ツール』をご提供いたします。

(1)自動チェックイン

I-deasの『チェックイン』機能のAPIを活用して、ローカルフォルダの大量のI-deasモデルファイルを、自動的にI-deasTDMにチェックインします。

ユーザは対象のI-deasモデルファイルが格納されるフォルダを選択するだけで、チェックインする複数ファイルを一括で指定されます。

下記は一例として、チェックイン構成や各種アイテムの名前などの詳細な仕様は、お客様のご要望に対応いたします。

自動チェックイン仕様例

Project

  • I-deasでアクティブのTeamに、I-deasモデルファイル毎のProjectを新規作成します。
  • Project名は、ユーザ指定のモデルファイル格納フォルダ以下のパス名+モデルファイル名を自動的に設定します。

Library

  • 新規作成するProject内に、I-deasモデルファイル内のデータ構造に準拠したLibraryを新規作成します。

部品

  • アセンブリごとにチェックインします。
  • 部品名は、I-deasモデルファイルに設定される ”部品名”_“部番“ を自動的に設定します。
  • 複数のアセンブリで共有するサブアセンブリやパートなど、I-deasTDM上で名前が重複する場合は、”部品名”の末尾に通し番号を自動的に付加して、チェックインエラーを防止します。
  • 対象とするI-deasモデルファイルがI-deasTDMよりチェックアウトされる場合、I-deasTDMとの関連を自動的に切断します。
  • すべてI-deasTDM上で最新バージョンとしてチェックインします。

(2)自動パッケージファイル(.pkg)出力

I-deasの『パッケージファイル出力』機能を活用して、I-deasTDM上の複数のデータのパッケージファイルへの変換と、変換ファイルの所定フォルダへの格納を自動で行います。

変換したいデータを一つ一つ指定しなくても、あらかじめご用意いただく、I-deasTDM上の変換するデータのリストファイル(テキスト)と格納先フォルダを指定するだけで、リストに記載された全データがパッケージファイルに自動で変換され、指定フォルダに格納されます。

出力するパッケージファイル名や格納フォルダなどの詳細な仕様は、お客様のご要望に対応いたします。

詳細仕様例

  • アセンブリを構成するすべての要素をパッケージファイルに変換します。
  • パッケージファイル名はTDM上の部品名とします。Windows禁則文字が含まれる場合は、あらかじめ設定した文字に自動変換します。
  • 出力先のフォルダ構成は、I-deasTDM上の構成(Project/Library/部品の従属関係)と同じ階層構成でフォルダを自動的に作成します。
  • すべてI-deasTDM上で最新バージョンとしてチェックインします。

最後に

弊社では、CADを中心とした3次元形状処理システムにおける長年の開発実績と得意とする自由曲面処理技術で、これまでに多くのお客様にコスト削減や業務効率化をご支援しました。お使いのシステムでお困りごとがございましたらお気軽にご相談ください。

(第二技術ソリューション部 課長SE 本橋)

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