富士通株式会社とデジタルプロセス株式会社は、組立製造業向けに製品の組立プロセスの検討を3次元モデルで支援するデジタル生産準備ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS(Virtual Product Simulator)」(以下、VPS)の新シリーズを6月23日に発表しました。
今回新たに、鉄道車両、自動車、航空機など、10万部品を超えるような超大規模な3次元データにおいて、組立時に部品が干渉しないかなどのフルアセンブリモデル※1での設計検討(製品成立性)を可能とする「VPS VridgeR」と、生産ラインのシミュレーションを可能とする「VPS GP4:Global Protocol for Manufacturing)」を「VPS」のラインナップに加えました。また、既存のVPS製品もあわせて、性能向上と操作性向上を行い、処理時間を大幅に削減しています。
富士通とデジタルプロセスは、「VPS」をデジタル生産準備ソリューションのグローバルブランド製品と位置付け、国内外での販売を強化してまいります。
「VPS」は、実機の代わりに、CADで作成した製品の3次元データを活用し、組立生産準備における製品レビューから製造指示にいたる業務プロセスを支援するパッケージソフトウェアです。近年では、鉄道車両全体(編成全体)や航空機全体といった超大規模な製品においても、設計検討をはじめ、製造ラインのレイアウトや工程のシミュレーションまでを一貫して3次元データ上で行うことが求められています。
今回、このようなニーズに対応するため、当社で販売してきた超大規模フルアセンブリモデルでの設計検討を可能とする「Dipro VridgeR」※2と、大規模3次元データを扱うために描画性能を強化した、生産ラインのレイアウトおよび工程検討を可能とする「FUJITSU Manufacturing Industry Solution GP4」を、「VPS VridgeR」「VPS GP4」として「VPS」のラインナップに加え、既存の「VPS」シリーズの製品との連携性を高めました。これにより、大規模な3次元データにおいても、設計検討から生産準備業務までを一貫して支援します。
(データ提供:日産自動車株式会社様、富士ゼロックス株式会社様、京セラドキュメントソリューションズ株式会社様、株式会社ニデック様)
組立時に部品が干渉しないかなど、設計検討(製品成立性)を行う「VPS Digital Mockup」では、部品間に隙間が十分あるかを確認するクリアランスチェック機能の処理時間を最大100分の1に短縮する性能向上を行いました。また、干渉チェック機能とクリアランスチェック機能に、前回行ったチェック結果との比較ができる機能を追加することで、設計変更により干渉部分が修正されているかなどを把握し、より適切な設計支援を行います。
さらに、生産設備の動作シミュレーションを行う「VPS IOC Express」(次項参照)では、可動部分が多い大規模な設備において、例えばアームを動かすという生産設備の機構動作に対し、アーム上で一緒に動く部品を自動でひも付ける機能を加えました。
このように従来の「VPS」製品も性能と操作性を向上し、お客様の開発期間短縮に貢献します。
2015年7月7日から提供開始しております。
ご不明点につきましては、弊社営業部までお問い合わせください。
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