昨年度より各種セミナーにて、NXによる生産準備工程におけるシームレスな3次元データ活用についてご紹介してまいりました。
本紙では、生産準備工程だけに絞った形で、当社デジタルコンテンツサービス部のエキスパートが生産準備工程でのQCDに有効な機能をご紹介いたします。
ここでの生産準備工程とは、金型設計・解析・CAM・CMMを指し、これらは3次元データとPMI(3次元寸法・注記)またはナレッジ機能により自動化することが可能です。
NXの金型設計支援機能はNX-Toolingと呼ばれ、各種金型に特化したモジュールが用意されております。
上記の各モジュールには金型設計フローに沿った専用機能が用意されております。
これらの機能を利用することにより、テンプレート、エンジニアリングルール、妥当性チェックなど、金型設計でのナレッジを活用することができます。
このナレッジ駆動の設計により、設計品質の向上、設計コストの削減やリードタイムの短縮を実現することができます。
順送金型/プレス金型(圧造プレス金型)設計の早期段階でご使用いただけるワンステップ成形解析をご紹介いたします。
本機能は、3D形状を平面展開しブランク形状を求める際に、成形後の厚さ、応力、ひずみ結果の表示も可能です。
また、順送部品に絞り形状がある場合も、ベンド部分をアンベンドしてから絞り形状を展開し、ブランク形状を求めることができ、絞り工程も含めた順送金型品質を高める事が可能となりました。
その他の金型設計で使用される解析機能としては、次のものがあります。
加工パス作成の自動化を支援するFBM(Feature Based Machining)機能のご紹介です。
本機能はDIPROニュース2014年9月号「NX9 CAM新機能のご紹介」でもご紹介しておりますので、詳細はご参照ください。
FBM機能は、フィーチャー毎の加工ルールを事前に設定することで、フィーチャーの認識から加工方法を自動で決定します。従って加工対象のCADデータに属性情報を設定することによって、次のようなことができます。
穴種類・穴径・深さ・方向などから使用する工具、加工条件を自動的に設定できます。
金型の側面・座面の加工においては、
が可能です。さらに工具長により切削工程を分けるなど、お客様にあったカスタマイズも可能です。
接触式3次元測定機用の測定プログラムを作成、測定の実行、測定結果の評価までの機能をご提供します。
NX CMM Inspection Programing (CMMIP)は、製品データ+測定機データ+プローブデータ+PMI(3次元寸法)を使用して、測定機との干渉がない測定プログラム(DMIS)を作成します。
NX-CMMIPにて作成された測定プログラムを入力とし、CMM Inspection Execution(CMMIE)にて測定し、結果を取り込みます。(測定機を制御するソフトウェアはCMMIEだけでなく、各測定機メーカのソフトウェアの場合もあります)
このNXCMMIP/IEを使い測定機の稼働率を上げるとともに、計測品質を高めることをご検討ください。
CAD/CAE/CAM/CMMのシームレスなデータ連携こそがデータ品質を維持しつつ工数の大幅削減を図る最善策の一つです。
NXを新規にご検討されている方、あるいはNXを活用しきれずデータ交換だけでご使用されている方、ぜひとも弊社までお問い合わせください。お客様の業務に即した3次元データの活用方法をご提案いたします。
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