2015年5月より出荷を開始しております IOC Express(以下IOC)R12M3の機能をご紹介します。
IOCはFA業界などにおける実機レス制御検証環境を提供するソフトウェアです。今回のバージョンアップは「設定の効率化」が中心となっています。
IOCでは標準通信規格ORiNに対応するなど適用可能な機器を拡大しており、大規模なモデルへの適用も増えています。大規模になったことで、制御検証を始めるために必要なモデルの設定工数が課題になっており、設定の効率化が求められていました。今回、関節によってどの部品が動くかを自動判定し組み立てる関節自動組み立て機能が追加されました。また、FA装置では関節に対しシリンダおよびリミットスイッチをつけることが多くありますが、今回これを一括でつけることができるIOC要素一括作成機能が追加されました。
仮想メカの動きをつけるためには関節設定と一緒に動く部品の組み付けが必要ですが、この一緒に動く部品を自動で判定し組み立てる関節自動組み立て機能を追加しました。従来、関節で一緒に動く部品はツリーや3D View上で選択していましたが、複雑・大規模化するモデルに対して部品選択は時間がかかり、特にアセンブリ構成がユニット単位になっていないモデルの場合、3D View上で1つ1つ確認しながら組み付けるため多くの工数がかかっていました。関節自動組み立ては、ロジックに従って関節と同時に動く部品を自動で判定※し、その結果を確認しながら調整し、関節を一気に組み立てます。一緒に動く部品と一緒には動かない部品が排他で表示されるため視認しやすく、また結果の動きも3D Viewドラッグや連続移動などで簡単に確認できますので、高速で簡便な設定が可能です。
FA装置では駆動源となるシリンダとその両端を検知するためのリミットスイッチを組み合わせて使用することが多くあります。従来は参照作成やIOC要素ライブラリ機能を使うことで効率化していましたが、それでも軸数が100を超えるようなモデルでは、その軸ごとにシリンダのストロークやリミットスイッチの反応領域を設定する工数が課題となっていました。今回、このようなモデルでも関節情報やパラメタ―を元に一括でシリンダやリミットセンサを作成できるIOC要素一括作成機能を追加しました。IOC要素一括作成機能ではシリンダがついていない関節を探索することや、関節の上限値・下限値からストローク値や反応領域を自動抽出するなど、ただ一括でつけるだけでなく関節ごとに設定を確認する手間も削減できます。また作成するIOC要素名称も、関節名などと組み合わせたパターンをユーザがカスタマイズして作成できるので、命名規約に沿ったわかりやすい名前を自動で作成することができます。
IOCの機能について詳細をお知りになりたい方、ご興味おありの方はぜひ弊社までお問い合わせください。
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