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DIPROニュース

2014

9月号

2014.09.10

NX9 CAM新機能のご紹介

8月29日にリリースいたしましたNXの最新バージョン「NX9」のCAM新機能についてご紹介いたします。本内容はDIPROニュース6月号にてご紹介しました、NX9 CAD新機能およびCAE新機能の続編となります。

NX9 CAMの新機能

NX9 CAMでは、穴加工、ミル加工、旋盤加工、工作機械シミュレーション、ポストプロセッサー等、大小の機能改善/機能強化が実施されています。ここではこの中から、特に業務に活用可能と想定されるFeature Based Machining(以下FBM)、グルーブミル加工、ツール軸傾斜機能についてご紹介します。

自動NCプログラム作成機能(Feature Based Machining)の強化

NX8 FBMでは一部オペレーションのみで活用可能であった中間加工形状(イン・プロセス・ワークピース)が全てのオペレーションにて活用可能となりました。この結果、NX8での最大の問題点である「素材の認識」を解消することとなりました。NX9 FBMでは中間加工形状として「ローカル」(製品形状に対する中間加工形状)と「3D」(素材形状に対する中間加工形状)の2種類が選択可能です。「3D」を指定することで、他のミル加工同様に素材形状からオペレーション毎に必要な中間加工形状を自動で作成/設定するため、最適なツールパスを作成することが可能となりました。

製品形状と素材形状 素材に対するもみつけ 素材に対する穴あけ

さらにNX9では、加工フィーチャ・ナビゲータが機能強化されました。加工フィーチャからオペレーションを検索する、或いはオペレーションから加工フィーチャを検索するには、加工フィーチャ・ナビゲータとオペレーションナビゲータを2つ表示し、ポップアップメニューより検索する必要があります。これに対しNX9では加工フィーチャ・ナビゲータ上の加工フィーチャのオブジェクトとしてツリー上にオペレーション名を表示します。この機能強化により、加工フィーチャ・ナビゲータとオペレーション・ナビゲータを行き来する手間を改善します。

認識された加工フィーチャ 加工フィーチャに割り当てられたオペレーション名

さらに加工フィーチャに割り当てられたオペレーション名を選択すると、加工領域(ストック領域)を一時表示します。ツールパスを生成することなく加工領域の参照が可能なため、加工フィーチャに意図する工程ルールが割り当てられているのかを短時間で確認することができるようになりました。

加工フィーチャ・ナビゲータから確認可能な加工領域

Tカッター活用の機能強化

段取りの変更を削減するため、Tカッターを活用しインバース部を加工する手法が活用されます。NX8以前ではTカッターを活用することは可能でしたが、専用オペレーションが存在しないため、Tカッターの上刃を活用したツールパスを作成するためには製品形状から加工モデルを新たに作成する等の作業が必要でした。NX9ではTカッターを活用する専用オペレーションをご提供します。この結果、加工モデルを作成することなくTカッターを活用したツールパスを短時間で作成できるようになりました。

グルーブミル加工 固定コンタ加工 上刃を活用した加工

同時5軸加工におけるツール軸傾斜コントロールの機能強化

工具/シャンク/ホルダーの干渉回避機能が強化されました。NX8以前では刃先形状に対する干渉を考慮したツールパスを作成しますが、NX9では工具に対する干渉を考慮したツールパスを作成することが可能となりました。

NX8以前のツールパス NX9衝突チェック有効

しかしながらこのツールパスではシャンク/ホルダーに対する干渉は依然発生しています。NX8にて完全に干渉が発生しないツールパスを作成するためには、オペレーション作成時に干渉が発生しないツール軸を設定する必要がありました。この設定に要する工数を改善するため、NX9ではツールパス編集機能「ツール軸を傾斜」をご提供します。本機能を活用した結果、上図の2つのツールパスは干渉が発生しないツールパスに編集されます。本機能は同時4/5軸加工用NCデータ作成の効率化を実現します。

「ツール軸を傾斜」による干渉が発生しないツールパス

今回ご紹介いたしました機能の他にも、NX9 CAMではお客様の声を反映した多くの機能が強化、拡張されています。NX9 CAM関するご不明点などございましたら弊社までお問い合わせください。

(デジタルコンテンツサービス部 課長SE 鈴木 貢)

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