生産設備の設計では、設計業務の効率化のために、部品レイアウトや構成を検討するだけでなく"動き"を検討することがますます重要になってきています。しかし、生産設備のような大規模モデルにおいて、構想段階から”動き”の設計ができるツールがないという課題があります。これらの課題を解決するiCAD SXの技術を、国際学会で発表しました。
当学会は、CADおよびその周辺技術に関する国際学会であり、欧米からも数多くの研究者が参加します。今回我々は、従来2次元CADで行われていた製造ラインのレイアウト検討を3次元CAD(シミュレーションソフトではなく)で実現する技術について発表しました。レイアウト検討を効率的に行うためには、①大規模モデルでの高速レスポンス、②生産設備に特化した動きの実現、③試行錯誤による検討結果の形状への即時反映 が重要であり、これらについてデモを交えてアピールしました。ヨーロッパから参加していた熟練の研究者から「32ビットのノートパソコンで、40万部品の設備データがこんなにさくさく動くのは見たことがない。」とのコメントをいただきました。また普段会うことが難しい世界のトップ技術者に我々の考えをぶつけ議論を行いました。これらのことを通じて、我々が取り組んでいることが間違っていないとの手応えを得ることができました。
ISFAは、オートメーション技術に関する国際学会で、日本とアメリカで2年毎に開催されています。
今回はCAD/CAMセッションで、「動きの設計」について発表しました。生産設備の設計において、動きと形状は密接に関係しながら徐々に詳細化されていくと考えています。今回の発表のポイントは、①大規模モデルを軽快に動かす、②一つのシステムで動きと形状の両方が設計できる、③構想段階で入力した動きの情報が形状の詳細化と共に詳細化できる、ことです。それらについてデモンストレーションを交えて発表することで、より具体的なイメージを掴んでいただくと同時に、我々の技術について強い関心を持っていただくことができました。これらの期待に応えられるよう、実現に向けさらなる技術追求を行っていきます。
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