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DIPROニュース

2019

8月号

2019.08.09

BOPでも利用可能な工程情報を作り込む!
「VPS」の新バージョンを販売開始

デジタル生産準備ツール VPS V15L21

富士通株式会社とデジタルプロセス株式会社は、製品の組み立て工程を支援するデジタル生産準備ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution VPS(以下、VPS)の新バージョン「V15L21」を、8月5日に発表しました。

はじめに

昨今、製造業の現場では、工場ごとに最適化された製造工程の標準化や熟練工のナレッジの共有による生産性の向上が課題となっています。その課題に対して、組み立て工程に、作業で使用する部品や作業手順・場所、設備や治工具、製造ノウハウといった製造情報を紐付けて蓄積・管理するBOP(Bill of Process)という考えが注目されています。

デジタル生産準備ツール「VPS」は、CADで作成された製品の3次元デジタルデータを活用して、製造用図面や組み立て手順のほか、使用する工具や組み立て作業に必要な工数、作業における注意点など、様々な製造関連情報を集約・表示します。非熟練者でもアニメーションで視覚的に組み立て手順を理解でき、お客様の生産準備業務の効率化および品質向上を支援してきました。

新バージョンの「VPS V15L21」では、従来の製品情報を軸とした製品構成を保ちつつ、工程を軸に製造情報を作り込み、BOP情報として活用できる機能を搭載しました。

生産に至るプロセス全体を整流化・生産技術情報の一元化

新バージョンの特長 (VPS MFG)

これまでのVPSでは、製品構成に基づき、組み立て順序で並び替えた製造フローを作成し表示していましたが、「VPS V15L21」では、何を、どの部品で、どこで、どのように組み立てるのかといった製造情報を工程ごとに集約し、工程の順番や階層構造を工程ツリーとして一覧で表示する機能を新たに追加しました。製造フロー側の作業の順番や階層に影響せず、工程ツリー側で工程の順番や階層を変更することができるため、事前に部組を作成し、後から本体に部品を組み付ける場合や、1つの工程の中で製品構成上、離れた場所に位置する部品を組み付ける場合など製造フローと実際の組み立て工程の順序が異なる場合でも、製品構成を保持したまま実行される順序に合わせた工程の流れを計画することが可能となります。

また、画面の背景に工場の平面図を取り込み、作業場所に各工程をレイアウトした工程ブロック図を表示することも可能です。これらの新機能により、工程全体の関係や流れを作業場所の位置関係も含めて計画を検討することが可能です。

製造フロー画面:部品番号・名称を軸にアセンブリ階層構造や組み立て順を表示。工程ツリー画面:工程を軸に工程の階層構造を表示。工程ブロック図

作りこんだ工程情報は、工程ツリーでの工程一覧表示から、個々の工程ごとに付加された部品の一覧や保管場所、工数や工程全体に掛かる時間などの属性一覧表示への切り替え機能により、必要な工程情報を容易に引き出せます。各工程で使用される部品情報の表示や関連するシステムへの出力機能も搭載しているため、例えば、部品供給を管理するシステムに工程の作業が行われる場所や工程で使われる部品の種類、数量といった情報を連携させることで、これまで個別に供給部品リストを作成していた作業の効率化を図れます。個々の工程検討作業の元データがVPSに集約されているため、文書間の整合性が確実にとれ、計画時間の削減や計画精度向上が図れます。また、類似製品の計画や別工場で同製品の工程計画時などに工程情報の流用が容易に行えます。

さらに、各作業者別に割り当てた合計工数を比較し、人数や生産台数別など複数パターンの検討を支援する工程分担リスト機能を搭載しました。本機能の活用により、生産計画者は、作業者や設備などのリソースバランスを考慮した作業計画を立てることができ、生産現場の最適化と生産性向上を図ることができます。

工程分担リスト 分担人数を変更

これらの新機能で作成した工程情報は無償で提供しているVPS Viewerでも閲覧できるので、VPSを簡易的なBOPとして利用することもできます。

おわりに

今後は製造ラインのレイアウト検討を行うツール“VPS GP4”にも工程情報を連携し、シミュレーションデータ作成時間の短縮を図ることを計画しています。これからもお客様の生産準備業務をデジタル技術で支援していきます。

VPS の詳細はこちら

お問い合せ先

デジタルプロセス株式会社 VPSインフォメーションセンター
TEL: 03-5909-0633

(VPSビジネス部 次長 前田)

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