製造業における製品設計の3D化、また設備設計も3D化が進みつつあり、製造における工程単位での事前検証が広く行われるようになってきています。しかし、多くの製造業のお客様ではまだまだ生産数の向上、在庫の削減、設備投資の適正化、需要変動へのフレキシブルな対応など共通した課題をお持ちです。複数の製品が製造される混流ラインや設備固有の制約条件、作業者の配置などさまざまな要因が影響する実際の製造現場ではこれらの課題を客観的な指標で判断するのは大変難しいものです。Plant Simulationでは工場の製品・作業者・搬送システムなどをモデル化し、在庫数や設備の稼働状況など数値化することで客観的なデータとして“見える化”し、課題解決に必要な検討を行うことが可能になります。
Plant SimulationはSIEMENS社の生産ラインシミュレーションソフトで、工場ラインで製造される製品の流れと、部品の供給や運搬などの物流をモデル化しシミュレーションを行うものです。
シミュレーションでは工場の生産ラインをモデル化し、サイクルタイムなどの条件を与え実行することで、工程や設備の稼働率や生産数などの結果を確認することができます。(図1)設備や工程単体でのシミュレーションでは難しい生産ライン全体としてのボトルネック検証を行うことが可能です。
シミュレーションモデルの作成は、ライブラリに登録された「オブジェクト」を画面上に配置し、配置したオブジェクトを繋げていくといった流れで行います。工程や設備を表すオブジェクトやグラフ表示のオブジェクトなどが標準でライブラリに準備されており、それらをドラッグ&ドロップで配置するという容易な操作で工場ラインのモデルを作成していきます。
また、オブジェクトにはシミュレーションに必要なさまざまなパラメータが準備されており、工程や設備のサイクルタイム・段取り時間・故障などダイアログから設定することができます。(図2)
オブジェクトに準備されたさまざまな設定パラメータだけでは、複雑な工場の生産ラインの動き、制約条件などを盛り込めない場合もあります。
このような場合は、組み込みプログラム(Method)を使用して実際の工場と同じ動き・条件を再現することが可能で、実際の生産ラインにより近いモデルを作成し、シミュレーションでの検討精度を上げることができます。(図3)プログラムを組み込んだオブジェクトはライブラリに登録して、別の事案でのモデル作成に再利用することで、より効率的にモデル作成を行うことが可能になります。(図4)
シミュレーションにより改善案の検討を行う場合、各種パラメータを変更しながらシミュレーションの実行と結果・分析を繰り返すことになります。このとき、変更するパラメータの種類や範囲が多く・広くなると、シミュレーションを実行するパターンは膨大な数になります。すべてのパターンを手動によって設定することは時間も掛かる上に、設定漏れのパターンが発生することも考えられます。このような場合、どのパラメータの組み合わせが良い結果になるのかを導き出すことは非常に困難です。
最適化機能-Genetic Algorithm-では、生産数の向上や作業者の最少化などの最適化したい目標の設定と、搬送車台数や作業者の巡回順番などの可変パラメータを定義することで、目標にもっとも近い最適なパラメータを導き出すことが可能です。
Plant Simulationを導入されたお客様では以下のような効果を上げられています。
このように、生産ライン検討における課題の解決や生産能力の向上など、ライン検討には無くてはならないツールとしてPlant Simulationをご活用いただいています。
弊社ではこれまで多くのお客様支援で培ってきたノウハウを活用して、お客様のご要望に対してPlant Simulationのさまざまなサービスを提供しております。
★導入前・導入ご検討時
★導入立ち上げ時
★導入後
新規設備の投資効果、既存ラインの改善・効率化、作業者負荷の平準化など課題解決のご支援をさせていただきますので、弊社までお気軽にお問合せください。
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