今回弊社が金沢大学様に協力させていただく形で実施したインターンシップ研修は、新しい形式の教育プログラムです。
この「派遣型高度人材育成協同プラン」は文科省が平成17年度に始めた教育プログラムで、全国20大学余が参加しています。従来のインターンシップとは異なり、専門性を有する大学院生を対象に産学が連携して、企業の現場を活用した「高度専門人材」の育成を行うことをねらっています。
このプログラムを具体化した金沢大学様の「分野混成チームによるモノづくり教育」~消費者の立場で商品開発に携わる高度人材育成~は、修士1年生を対象に1年間を通して実施されます。
「有限要素法による自動車の衝突シミュレーション」を課題として設定し、3段階で進めました。
使用ツールは、Hyper Mesh(解析モデル作成・修正)、Animator(シミュレーション結果の評価)、PAM-CRASH(衝突シミュレーション・ソルバー)です。計算モデルは、弊社が技術開発用に独自開発した「DIPROデジタルカー1号車V1.0」を基本とした、「衝突メカニズム分析用車体骨格構造モデル」を使いました。
8月~9月に掛けて2名の研修生(学生)を受け入れました(各人3週間づつ)。大村CREの指導と研修生の頑張りにより、なんとか目標を達成することが出来ました。研修生からは、「自動車設計の重要項目である『安全車体設計』の一端を体験することにより、企業での仕事がどんなものかを実感できた」「大学で学んでいるコンピュータが実業でどのように役立っているか分かったような気がします」というお褒めの言葉と同時に、「本当に役立ったのは、先輩に飲みに連れて行ってもらい、本音の話を聞けたことです」と言うコメントもいただきました。
弊社は、多くの皆さまに理解、信頼されることが重要であると考えており、いろいろな努力を続けています。弊社のお客様である製造業の皆様に、弊社の活動をご理解いただくことが重要なことはもちろんのこと、将来のお客様でもある「大学生」の皆様にも「DIPROブランド」の浸透を図っていきたいと願っています。
今回のインターンシップのような取組みが一人でも多くの学生さんに、よりDIPROを知っていただくことにつながれば良いと思っています。
昨今、学生の理系離れが社会的な問題になっていますが、長期的には、小学生の理科教育の改善などの学校教育全般について改善し、解決を図っていくことが必要だと思います。
短期的には、IT企業を含めた製造業に関する「正しい知識」、つまり「企業の姿に関する正しい認識」を持ってもらう活動の重要性が増していると感じています。大学の教育、および研究活動の内容が、現実の企業の活動内容に近づくような努力を企業、大学の双方で行う必要があると考えます。
弊社は、今後も、産学連携を強化し、企業、大学と双方の健全な発展に貢献できれば幸いだと考えております。ご協力、ご指導をよろしくお願いいたします。
(デジタルコンテンツサービス部 取締役 加藤 廣、CRE 大村 英夫)
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