歯科技工業界は他業界と同様、あるいはそれ以上に人材不足、長時間労働といった問題が深刻な状況となっています。年々歯科技工士学校を卒業する学生は減り続け、匠の技を持った技工士が引退されていく中で、匠の技(ノウハウ)の継承が大きな課題となっており、ノウハウを取り込んだDX化が求められています。
デンタルビジネス室では、その1つのソリューションとして、歯冠(虫歯治療時の被せ物)の形を自動で設計するソフトウェアAICADTMの開発を行ってきました。
そのAICADTMを日本最大手の歯科技工所 和田精密歯研(株)様にご評価いただいた記事が「DIGITAL DENTISTRY YEARBOOK 2024」に掲載されました。DIGITAL DENTISTRY YEARBOOKは、年1回発刊される歯科のデジタル化の最新情報をまとめた雑誌です。
和田精密歯研(株)様には2020年からこれまで約4年に渡り開発にご協力いただき、今回「検証と改善を繰り返し、無調整もしくは一部修正が1分以内で完了する症例の割合は約90%にまで向上した」「単純な形態ではなく解剖学的形態を反映するため、比較的臨床経験の浅い者でも熟練者に匹敵するほどの品質で設計が可能となった」との評価をいただくに至りました。
現在AICADTMで自動設計を行えるのは、小臼歯、大臼歯の単冠に限定されていますが、今後対象症例を拡げていく予定です。引き続き歯科技工業界のDXに貢献できるよう開発を進めてまいります。
最後にこの場をお借りして、多大なご協力いただいた和田精密歯研(株)吉次様に感謝申し上げます。
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