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DIPROニュース

2016

11月号

2016.11.10

運用管理工数を大幅削減 Solid Edge最新バージョン ST9ご紹介

2017年初旬より出荷予定のSolid Edge ST9をご紹介します。ST9では標準組み込み型データ管理機能の実装や、オンラインストレージへの対応など、データ管理を中心に機能向上を図っております。

標準組み込み型データ管理機能

共同設計や版数管理に加えファイル間のリンク関係を取り扱うことの多い3DCADデータ管理では、多くの場合専用のデータ管理の仕組み(PDM)が必要となります。PDMの機能はCADに組み込まれて操作は簡単になっているのですが、OracleやSQL Serverなどのデータベースシステムを基盤として使うため、運用管理が大きな負担となっていました。

この負担を軽減するために、ST9ではWindows OSの標準機能だけを使うことにより、データベースシステムを使わずにすむ、基本管理機能に特化したPDM機能を標準装備しました。

データベースが必要となる理由の一つは、アセンブリなどのリンク情報や版数情報を管理するためです。サーバーなどでデータが複数の場所に保存されていると、リンク関係や最新版の管理が非常に難しくなります。ST9ではWindowsに標準で装備されているIndex Search機能をCADの管理に活用できるようにしました。Index Searchで検索されたファイル情報を取り扱えるようにしたことにより、データベースがなくても高速にファイルが管理できるようになっています。

データベースが必要となるもう一つの理由は、共同設計を行う時に排他制御の情報を管理するためです。ST9ではCADの操作画面からファイルのロック状態を変更する機能を装備しました。自分が編集する場合にはチェックアウトを行い、終わったらチェックインを行う、標準的な排他制御の機能を組み込みました。

さらに、ファイルの排他制御の状態はリアルタイムに操作画面上に反映表示することができます。誰が編集操作をしているかをCADの操作画面内から確認できるようになりました。

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オンラインストレージへの対応

キーマンズネットのアンケート調査によれば企業でのオンラインストレージの利用は2016年4月時点で30%超との調査結果となっています。このように利用機会が増えているオンラインストレージ向けの機能がST9には組み込まれました。

オンラインストレージのメリットは、クラウドを通じた同期により、どこでも最新ファイルの共有が可能な事です。複数の拠点での共同設計や外部協力企業とのデータのやり取りに便利な仕組みです。しかし、オンラインストレージに排他制御の機能は装備されていないので、お互いに編集を行うと編集結果の競合が発生してしまう危険性も持っています。

イメージ図

この競合の問題を解決するためにSolidEdge独自の排他制御機能を組み込みました。具体的には、排他専用の極小のロックファイルを生成し同期させることによって、タイムラグが出ないように排他制御をかけられる仕組みを装備しました。CADデータは一般のオフィスドキュメントなどと比べるとファイルサイズが大きいので、ファイルの同期に時間がかかります。排他制御のためにファイルの同期を利用すると、同期完了までの間に競合が発生してしまう危険性が高まります。極小のファイルの同期には時間がかからないので、オンライストレージの同期のタイムラグの問題が解消されます。

キーマンズネット 2016年6月30日掲載「社内SNS、ビジネスチャット、オンラインストレージの導入状況(2016年)・後編」より

キーマンズネットHP

モデリング機能の主要改善項目

ファイル管理以外でも様々な機能拡張が行われておりますが、主要機能を2つご紹介します。

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機械加工で作成する部品では、CAD上で正確な形状を作成しなくても、工具パスと工具の種類を指定すれば形状を作成できます。例えば、右の図にあるような溝形状は、CAD上では完全に作成しなくても、工具パスと工具の指定によって加工が可能です。しかし、重量や干渉などの検討を正確に行うために、3DCAD上でも正確に形状を作成したいというご要望があります。ST9では工具パスと工具形状から機械加工と同じ形状をCAD上でも生成する機能を装備しました。

イメージ図

3Dプリンタへの出力機能も向上しています。CADから3D印刷用のSTLファイルに出力できるだけでなく、どのような配置・大きさで出力されるのかを画面上のプレビューで確認して出力できるようになりました。出力時のミスなどが軽減されます。Windows10では標準の印刷制御ソフト3D Builderアプリケーションに直接出力できます。

製品の最新情報は弊社ホームページにて順次ご案内いたします。詳細については、弊社までぜひお問い合わせください。

Solid Edge の詳細はこちら

(第一エンジニアリングサービス部 課長SE 宮沢)

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