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DIPROニュース

2016

11月号

2016.11.10

DPC中国お客様紹介

東風汽車公司 技術センター(武漢)様

はじめに

東風汽車公司

DIPRO中国(以下、DPC)は、この夏で設立より4年目を向かえ、中国でも徐々にお客様を増やしつつあります。今回は、設立以前よりお取引きをいただき、DPCの重要なお客様のひとつである東風汽車様の概要と取組みなどについてご紹介いたします。尚、本稿に際しまして東風汽車技術センターIT部門長の方に全面的にご協力いただき感謝申し上げます。

東風汽車公司(DFM)様の概要

イメージ図

イメージ図

東風汽車公司様(以下、DFM)は、中国第二位の自動車製造企業集団で自動車の販売台数は400万台/年ほど、現在フォーチュン・グローバル500の第81位を占めている特大の自動車メーカーです。DFM配下には、約16万人の従業員がいて、本社は「九省通衢」と言われる武漢市にあります。武漢市は、長江とその最大の支流漢水に挟まれた中国中部、湖北省の省都です。「長江中遊城市群」と言われている大都市圏の中心都市として九省に通じる交通の要所でもあります。工業が発達しており、特に造船業、鉄鋼業、自動車産業(DFM)などが盛んな都市です。

DFMの傘下には、東風汽車有限公司(日産)、東風本田汽車有限公司(ホンダ)、神龍汽車有限公司(PSA)、東風ルノー汽車有限公司(ルノ日産)、東風悦达起亜有限公司(KIA)、東風商用車有限公司(ボルボ商用車)など数多くの合弁会社を有しています。2014年にDFMは、14%のPSA株を取得し、並列でPSA最大の株主となりました。その後、両社は研究開発、生産、販売領域でさらには戦略的アライアンスを結んで共同開発、共同生産、共同販売の企業連盟を形成されました。

DFMは、合弁、合資の上に東風汽車技術センター、東風汽車乗用車を中心とした自主ブランド車の発展にも注力されており、将来、自主ブランド車の販売量を総販売量の50%まで引き上げることを目指していらっしゃいます。

東風汽車 技術センター(DFTC)様の概要

DFTCの外観
DFTCの外観

東風汽車技術センター(以下、DFTC)は、1983年4月に湖北省の十堰に設立され、会社の新製品の研究開発の重要部門として東風汽車集団の基礎研究、技術開発、技術管理を担っています。また、DFM自主ブランド乗用車、オフロード車、新エネルギー車およびその関連アッシーの研究開発が行われています。

現在では、武漢の他に襄陽(じょうよう)、スウェーデンにも拠点があり全体で約2,000人の従業員が従事されています。

中国自動車産業の動向と東風汽車公司発展戦略

中国自動車産業の動向

2001年にWTOに加盟して以来、中国の自動車産業は30%伸長で急成長し、2009年には米国を抜き世界最大の自動車市場となりました。ここ最近では、中国経済の安定的発展に向けた「新常態」に沿って中国自動車産業も安定成長に向けた「新常態」に向かっています。現在の中国国民の自動車保有率(11台/100人)は先進国より低いですが、長期的視点で見ると、今後の伸び率は中国GDP平均伸び率(6-7%)以上と推測されています。

一方、中国は「製造大国」から「製造強国」を推進しており、自動車産業は、製造業の代表として「情報化と工業化の融合」、「インターネット+」、「中国製造2025」など、国家の重大戦略のもとで「スマート製造」、「スマートカー」、「コネクディドカー」などにも勢力的に取組んでいます。また、“省エネ・低炭素”も自動車産業の発展トレンドであり、各大手メーカーは省エネ技術、新エネルギー車を将来の自動車産業の発展方向として注力されています。

東風汽車公司発展戦略

2020年に向けて次の目標を掲げて推進されています。

イメージ図
  • 高品質な車作り
  • 生産と販売量を560万台以上とする
  • 自主ブランド車の大幅な実力向上と収益向上
  • 自主ブランド車を海外販売量のトップする
  • 新エネルギー車販売量を30万台以上とする
  • コア技術やリソースコントロール能力向上を目指す

三大ミッション

  1. 新エネルギー車:研究と産業化領域に取組み、2020年までに市場シェア率15%-18%を達成させ会社の柱にしていく。
  2. 自主ブランド車:DFMの技術戦略は「エコ+スマート」であり、自主研究開発に取組み2020年に国内先進レベルを目指し、2025年には、国際先進レベルに引き上げていく。
  3. スマートIOT:スマート製造およびスマート自動車研究に取組み、自主スマート技術とスマート製品を開発しDFMスマート製造体系を確立させ、未来発展のコア能力を構築する。 安全を中心にスマート制御と情報技術を融合して段階的にDFMのスマートIOT自動車技術の研究を進めていく。

今後5年間、DFMは組織体制の革新、グループ経営の改善、人材強化および企業文化の強化に取組みDFMの戦略支援体系を構築し「十三五(国家13次5か年計画)」に貢献できるように対応されています。

DFTCのIT戦略

東風集団戦略支援、自主開発能力向上のためにDFTCは“4+3”のIT戦略を通じて5年以内に研究開発におけるIT能力を同業界での国際レベルに達するように取組んでおられます。

“4+3”の主なIT戦略は、デジタル化設計、バーチャル検証、スマートカー、スマート製造などの領域への向上を図っていくための戦略とされています。

取組み事例(PLMプロジェクト)

DFMのPLMシステム構築(グループの統一BOMとグループ間連携設計システムPDMの2つのシステム)を通じて「製品ライフサイクル管理」「バリューチェーン」「全グループカバー」の3点を主なターゲットとして構築が進められており、DFM自主ブランド事業部門に製品設計開発プラットフォームと各業務(商品企画、製品開発、試作試験、生産準備、販売、調達、生産、アフターサービスなど)に必要なBOMデータを提供していくことになります。

PLMシステムイメージ
PLMシステムイメージ

PLMプロジェクトへのDPCのご支援

DPCでは、日本での自動車開発業務やシステム構築実績を活かした専門家支援(コンサル業務)を中心に中国人メンバーと日本人メンバーが一体となって業務とITの両面から現地支援を行っています。

1)2011年:BOMシステム構想企画コンサル

2)2014年:PLMシステム基本設計支援(PDM/BOM)

3)2015年:PLMシステムMSK/BOM外部設計支援

4)2016年:PLMシステムMSK/BOM内部設計およびアーキテクチャ・テスト支援

DPCは、PLMプロジェクト以外に多くの重要プロジェクトにも参加させていただいており、定期的なトップ交流や技術交流会なども積極的に実施させていただいています。これらの活動を通じてDFM様の発展目標や車両開発に少しでも貢献できるように努め、信頼される長期的なベストパートナーを目指して参ります。

DFTCのDPCへの期待

DPC/DIPROが有する自動車業界における製品データ管理の豊かな業務ノウハウや専門技術、システム構築経験を活かしてDFMのPLMプロジェクトでの業務やシステムの課題とシステム全体の品質向上に役立つことを期待されています。それはDPC/DIPROがR&D領域での情報能力、技術と経験をDFTCに対して提供しているからこその期待と思っています。

~DFTC-IT部門責任者からのお言葉~

DFTCとDPCが未来に向けて更に多くの合作の機会を設け、DFTCの情報化レベルおよびグローバルレベルの先進化を目指していきたい。

DFTC-IT部門の方々とDPC/DIPROメンバー(DFTCにて)
DFTC-IT部門の方々とDPC/DIPROメンバー(DFTCにて)
(DPC董事長兼総経理 川見 昭)
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