富士通株式会社とデジタルプロセス株式会社は、製造業における生産準備業務のデジタル化支援ツール「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA デジタル生産準備 VPS (以下、VPS:ブイピーエス)」シリーズの新バージョンを、6月30日から販売開始しました。
日本政府が2020年12月に発表した「SDGsアクションプラン2021」(注1)では、重点事項として、「デジタルトランスフォーメーションを推進し、誰もがデジタル化の恩恵を受けられる体制を整備し、『新たな日常』の定着・加速に取り組む」ことが掲げられています。製造現場においても、デジタルデータで設計から製造までをつなぎ、データの一元化による効率化と生産性の向上を目指したものづくりのDXへの期待が高まっています。
現在、製造業では、新型コロナウイルス感染症の影響で製造現場での新たな働き方が求められているほか、特に海外の工場において実施していた組立作業の指導が難しくなっており、これまで以上に製造現場に即したビジュアルな3D-BOP(注2)が求められています。
これを受け、当社は、ビジュアルでわかりやすく3D-BOPを作成する機能を強化し、製造ラインの作業を効率化した「VPS」の新バージョンを販売開始します。
3Dデータ上で製造工程の検討を行うための「VPS Standard」、「VPS Manufacturing」では、これまで工程名称や工程で組付けられる部品画像で工程フローが表現されていましたが、工程レイアウトや作業手順、作業方法を直観的に把握するには不十分でした。
新バージョンでは、工程ブロック図上で機械の配置や作業者動線、作業手順などを付記するための図形描画や画像挿入のほか、スナップショットや工程ショット上での工具の表示、さらには、溶接形状や補材、治工具などの形状を簡便に作成する機能により、製造現場に即したよりビジュアルな3D-BOPの作成を可能にします。これにより、組立作業順や治具の使用方法の間違いなどの作業ミスを減らし、より歩留まりが高い生産を実現します。
3Dデータ上で製造ラインを検討するツール「VPS GP4」では、従来、複数の仕様を持つ製品を扱う製造ラインを表現する際、共通する作業も含めて別々にデータを作成、編集する必要がありましたが、今回の機能強化により、共通する作業と仕様が異なる作業を混在させて一つのデータで表現できるようになります。これにより、共通作業に変更があった際、一つのデータを修正するだけで済むため、作業時間が大幅に削減でき、また複数の作業手順を一つのデータで表現することでそれぞれの手順の比較検討がしやすくなるため、生産ラインの評価値を見比べながら、合理的な改善策を適用できるようになります。
当社は、「VPS」を通じて、設計から製造現場までをデジタルデータでつなぎ、ものづくりのDXを推進するとともに、リモート環境での業務推進などニューノーマルにおける製造現場での働き方を支援します。また、生産性や品質の向上、多様な視点からのイノベーション創出など、SDGs達成へも貢献していきます。
PICK UP