製造業における3Dデータを活用したモノづくりが定着していく中、検査業務ではまだ進みが遅いように思われます。そこで、品質保証・計測業務の精度向上および大幅な効率化を実現するツールについて、前月から3回にわたってご紹介しています。
第2回目の本号は、NX-CMM Inspectionに関連するツール:BCT Inspectorのご紹介です。
BCT Inspectorは、NX-CMM Inspectionで測定プログラムを作成する前に、2D図面やCADモデル、3D図面に明示されている寸法公差情報にナンバリングし、その寸法公差情報を出力するツールです。また、計測後にナンバリングした寸法公差を計測後に使用するExcel帳票に記載し、出力できます。
近年、検査業務において、品質保証の厳格化、効率化への取り組みから、前の工程で設定された寸法公差を抜け漏れなく効率よく測定し、その結果をタイムリーに帳票へ出力し品質状況を報告すること、早期に製品や金型にフィードバックすることなどが求められています。ここでは、そうした課題を解決し、さらに検査業務の精度向上、効率化を図ることができるツール:BCT Inspectorをご紹介します。
前号でもご紹介しましたが、現状、3Dデータと2D図面を併用した検査業務では、下図のように多くの人手作業を介在している現場が多く見受けられます。
この人手作業の中には、設計業務完了後に提示される2D図面やCADモデルからの計測箇所の特定、その計測点へのナンバリング、検査用Excel帳票への転記、計測結果の入力といった作業が含まれています。
これらの作業の精度向上、効率化を図る対策として、3DA(3D+アノテーション)モデルの活用やNX-CMM Inspection(CMM IP、CMM IE)、BCT Inspectorをご提案しています。
通常、2D図面に記載されている、寸法公差で定義された点を計測点に使用する為、この点毎に手書きでナンバリングしたり、計測結果をこのナンバリングした点に手書きで書き込み、Excelなどの帳票に転記したりすることがあります。こうした作業では、手書きすることによって多大な工数がかかってしまうことは勿論、計測点の抜け漏れが発生してしまう可能性も十分考えられます。
この問題の解決策としてBCT Inspectorをご提案します。
BCT Inspectorは、2D図面の寸法公差や3DAのPMI情報に自動でナンバリングし、そのまま使用して帳票出力します。そのため、工数をかけることなく、さらには情報の欠落なく、信頼性の高い帳票を作成することができます。
また、BCT Inspectorは、2D図面のPDFやTIFF、DXF形式もサポートしているため、現在、社内で使用されている図面もそのまま活用していただけます。
2D図面の寸法公差及び3D図面のPMI情報に自動的にナンバリングします。不要なナンバリングを削除することも可能です。
自動で付加したナンバリング情報はTIFFやExcelに出力し、標準機能でレポート形式の測定結果帳票へ出力することもできます。計測結果の活用方法に合わせて出力形式を決めることにより、測定業務の効率化や精度向上が図れます。
また、測定結果帳票を加工し、お客様のフォーマットに合わせたレポートとして出力することもできます。更に、別のアプリケーションと組み合わせることにより、3Dデータと測定値との差を表示することができるため、検査業務における測定結果の評価や品質分析の効率化が図れます。
弊社ではNX-CMM Inspectionおよび関連ソフトウェアの販売・保守だけではなく、お客様の現場にお伺いし、以下のご支援をいたします。
その他のご依頼、ご相談につきましても、弊社のSEが検討させていただきます。 ご興味をお持ちいただきましたら、ぜひお問合せ下さい。
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