MENU

DIPROニュース

2021

5月号

2021.05.10

NX1953シリーズ出荷のご案内

NXは半年毎のリリースプロセスで数多くの新機能や既存機能の改善を提供しています。今回リリースするNX1953シリーズの重要事項として、設計業務の効率化を図る「フィーチャモデリングの機能強化」、3Dモデルの活用を図る「モデルベース定義 (MBD)」、操作性の向上を図る「AIを用いた機能強化」の3点についてご紹介いたします。

フィーチャモデリングの機能強化

最初にご紹介するのは、フィーチャモデリングの機能強化です。フィーチャ数が多い大規模モデルではモデル編集に時間がかかってしまうという課題があります。それに対して、フィーチャの再計算時間の短縮と、フィーチャの検索機能に改善が行われました。

まず、フィーチャの再計算時間の短縮に関してご説明します。本バージョンでは、フィーチャの入れ替え時の再計算時間の短縮化を強化しました。従来のNXではフィーチャグループ、デザイングループ、パーツモジュールにおいて、別のグループからフィーチャの順序を入れ替えた際は再計算が発生していました。本バージョンでは別のグループからの入れ替え時でも不要なフィーチャの更新は発生しません。複雑なパーツの編集でも、フィーチャ構造の作成と編集が高速に、容易に行うことができます。

次に、フィーチャの検索機能の改善です。今回のバージョンで、検索パネルを使用してフィーチャの検索が可能になりました。フィルタを利用することもできるので、特定のフィーチャのみをパートナビゲータに表示させたり、逆に特定のフィーチャのみを除外したりすることが可能です。

また、この検索機能は、コマンドの操作の際にオブジェクトを選択する際の操作にも利用できます。検索機能を使ってコマンドの対象オブジェクトに追加できるので、フィーチャ数が多いモデルの編集の際にモデリング編集作業の効率化が期待できます。

モデルベース定義 (MBD)

3D設計情報活用のために、3DCAD上に注記情報(PMI)を定義して活用するMBD(Model Based Definition、モデルベース定義)の取り組みが進んできています。NXのモデルベース定義 (MBD)ではPMIの作成を効率化する機能と、検査する機能が追加されました。

まず作成時の効率化に関してです。PMIの作成を自動化できるように、モデルベース定義 (MBD)ルールを作成し、そのルールに従ってタスクを自動化する機能が追加されました。例えばパート内に大量の穴がある場合、従来はすべての穴に対して個々に寸法を記入していく必要がありました。MBDルールを使用することで穴に対して一括でPMIを作成できるようになりました。

また、このMBDルールは、フィーチャだけでなく形状も認識できるので、NXで作成したモデルだけでなく外部から取り込んだデータに対しても効率的にPMIを作成できます。

次は、PMIのチェックに関してです。今回追加された「PMIアドバイザ」を使うと、PMIが業界や企業の標準に準拠しているかをチェックすることができます。従来は熟練者でないとチェックできなかった作業が、自動でチェックできるようになり、短時間でより高品質な部品の生産に繋がります。

AIを用いた機能強化

AIの機械学習によって設計者の作業を効率化する機能が大きく3つ搭載されました。

1つ目は、類似部品の検索機能です。アセンブリ設計においては、どのような部品が使われているかを確認して整理統合する必要があります。しかし、部品点数が多い大規模アセンブリでは非常に時間がかかる作業です。

今回追加された「類似コンポーネントの非表示および表示」により、選択したコンポーネントに形状が類似したものを表示または非表示できるようになりました。このコマンドでは幾何学的に類似する形状をAIにより自動認識して処理が行われます。レイヤや参照セットなど複雑な方法を使用せずに容易に利用できるため、大規模アセンブリでの効率的な作業が実現できます。

2つ目は、選択操作を効率化する「スマート選択」機能です。コマンドの操作においては、対象要素として数多くの部位を選択する必要があり、その選択時間が課題となっています。「スマート選択」では、機械学習により自動で複数のエッジを選択対象として認識し、操作時間の短縮が可能です。

今回のリリースでは「エッジブレンド」と「面取り」コマンドにおいて、同様の形状に対してエッジブレンドや面取りを行う箇所を認識できるようになったため、選択するための手間と時間が削減され、生産性が大幅に向上します。

3つ目は音声認識機能です。AIによる音声認識機能「NX音声コマンドアシスタント」により、ユーザの音声を使用してコマンドを実行できます。スマートフォンのようにNXに話しかけることで作業を進めていくことが可能です。

なお、「スマート選択」と「NX音声コマンドアシスタント」はNX1953シリーズのマンスリーアップデートNX1965以降のバージョンでお使いいただけます。

今回ご紹介したNX1953シリーズは4月末より出荷開始しています。詳細な製品の最新情報やよくあるお問い合わせ(FAQ)を弊社サポートWEBページにて随時ご案内していますので、是非ご参照ください。ご不明点などがございましたら、弊社までお問い合わせください。

サポートセンターWEBはこちら

NX の詳細はこちら

お問い合わせ先

製品・サービスに関するお問い合わせ
(システムサポート本部 中島)

TOP