3Dデータを活用したモノづくりが定着していく中、検査業務における3Dデータの活用はまだ十分とはいえません。そこで、品質保証・計測業務の精度向上および大幅な効率化を実現するツールについて、前月・前々月から3回にわたってご紹介しています。
第3回目の本号では、NX-CMM Inspectionに関連するツール:DPV Lite(Dimensional Planning and Validation Lite)についてご紹介します。
DPV Liteは、部品加工から製品組立に至る様々な工程の計測機器から取得したデータを収集・一元管理し、寸法に関する傾向や推移を分析・評価するためのソリューションです。
ここでは、DPV Liteの機能と活用の効果についてご紹介します。
部品加工や製品組立など、各工程で収集した計測データ(検査データ)は、個別のサーバやパソコンに蓄積され、工程毎に分析・評価されるのが一般的ですが、「必要な計測データがどこにあるのか分からない」、「工程間の不具合要因の因果関係が不明」といったお悩みを耳にすることがあります。計測データの管理と分析・評価における課題は以下の3点です。
DPV Liteは上記のような課題を解決するためのTeamcenter Visualizationにアドオンして使用するツールです。
DPV Liteには、以下のような機能があります。
このように、三次元測定機による自動測定の結果や、ノギス・マイクロメータといったスモールツールの測定結果を一元管理し、分析・評価を効率的に実施します。
DPV Liteを活用した計測データの流れを下図に示します。
三次元測定機(図①)や各工程(図②)で収集した計測データは、それぞれで使用しているパソコンから自動的にデータベース(図③)へデータ変換して転送されます。各工程から収集した計測データは、様々な統計分析機能で評価して視覚的なレポート作成(図④)を行います。
DPV Liteでは、各工程に点在する膨大な計測データを自動的に収集して分析し、評価結果を以下のように視覚的なレポートとして出力できるので、不具合原因を素早く発見することが可能になります。また、公差情報管理や計測データの履歴管理も行いますので、工程内の出来栄えの変化や工程間の品質の関連性を把握できます。
このように計測データを一元管理し、洗練された統計技術を活用して計測データを分析することで、問題を早期に解決し、製品開発のリードタイム短縮に貢献します。
前月・前々月から3回にわたってNX-CMM Inspectionに関連するツールをご紹介しました。
弊社ではNX-CMM Inspectionおよび関連ソフトウェアの販売・保守だけではなく、お客様の現場にお伺いし、以下のようなご支援をさせていただきます。
その他のご依頼、ご相談につきましても、弊社のSEが検討させていただきます。
DPVにはTeamcenterプラットフォームを活用するDPV core、DPV enterpriseもありますので、上記内容と合わせてご興味をお持ちいただきましたら、ぜひお問い合わせ下さい。
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