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DIPROニュース

2020

12月号

2020.12.10

NX自動検査プログラミング機能 NX-CMM Inspectionのご紹介

製造業における3Dデータを活用したモノづくりが定着していく中、検査業務においてはまだまだ進みが遅いように思われます。弊社では、NX CMM Inspectionの販売およびサポートを通して、検査業務における3Dデータ活用の推進に貢献したいと考えております。

近年PMI(Product and Manufacturing Information:製品製造情報)を積極的に製品設計に取り入れようとする動きが広まっています。NX CMM Inspection はこのPMIを活用することで、測定プログラム作成と測定作業の効率化が図れます。

ここでは、NX-CMM Inspectionを活用した検査業務の効率化について、3DデータにPMIを付加した3DAモデル(3D Annotated Model)の一貫活用を含めてご紹介します。

3Dデータと2D図面を併用した検査業務の課題

3Dデータと2D図面を併用した検査業務では、下図のように多くの人手作業が介在しています。人手作業が介在すればするほど、作業工数が増大するとともに人的ミスが発生するリスクも高まります。多くの検査の現場では、2D図面に書かれている寸法一つ一つに手書きで番号を書き込み、それらの寸法や公差の内容をExcelに打ち込んで検査用の帳票を作成しています。それらの寸法は、多い場合では数百ヵ所にもなることがあります。

3Dデータと2D図面併用の検査業務のフロー
3Dデータと2D図面併用の検査業務のフロー

そこで、下図のように3DAモデルを活用して各工程を自動化あるいは半自動化することで、人手作業を大幅に削減して、3DAモデルの一貫活用が実現できます。このように、人手作業を極力なくすことで、大幅な工数削減とデータの信頼性向上を図ることができます。

3DAモデルによる検査業務のフロー
3DAモデルによる検査業務のフロー

それでは次項からNX-CMM Inspectionとその関連ソフトウェアの具体的な活用方法をご紹介します。

検査業務における3DAモデルの一貫活用

3Dデータと2D図面を併用した検査業務では、測定した寸法や幾何公差が製品のどの部分であるかを紐付けるために、2D図面の寸法や幾何公差に手書きでナンバリングすることが一般的です。

弊社でご提案している3DAモデルの一貫活用では、この2D図面に対する手作業に変えて、BCT-Inspectorを活用してPMIに自動的にナンバリングします。このナンバリングしたPMIを使用してNX-CMM Inspectionで測定プログラムを作成して自動測定を行い、測定した結果はDPV-Liteで収集分析を行うという流れです。以下、この中からNX-CMM Inspectionにフォーカスして特長をご紹介します。

3DAモデルの一貫活用のイメージ
3DAモデルの一貫活用のイメージ

NX-CMM Inspectionの特長

NX-CMM Inspectionは、NXの3Dデータを活用して、三次元測定機で使用する測定プログラムの作成から、測定の実行、測定結果の評価まで実施できるツールです。ツールの構成は、下記になります。

  • 測定プログラム作成ツール:CMM Inspection Programming (CMM IP)
    NXデータを変換することなく、測定要素や公差、検査パスの作成が行え、検査パスシミュレーションの実施により干渉のない測定プログラムが作成できます。
  • 検査ツール:CMM Inspection Execution (CMM IE)
    三次元測定機による測定プログラムの実行 / 結果の閲覧ができ、異なるメーカの三次元測定機でも、同一の測定プログラム(DMIS形式)で制御が可能です。

CMM IPでは、以下の手順により三次元測定機で使用する測定プログラムを作成します。

CMM IPの起動 - 検査用3Dモデルの読み込み - バーチャル測定環境の設定 - 三次元測定機の配置 - プローブヘッドの配置 - プローブの配置 - 検査フィーチャの作成 - 公差の定義 - 検査パスの作成 - 検査パスのシミュレーション - 測定プログラムの作成

CMM IPは、ダイアログの指示に従い3Dデータの要素選択やパラメータ入力など、直感的な操作で測定プログラムが作成できます。更に、PMIが付加されていれば「検査フィーチャの作成」、「公差の定義」、「検査パスの作成」を自動的に実行できる機能があります。この機能を使用すると、手動で測定プログラムを作成する方法に比べ、更に大幅な測定プログラム作成時間の短縮が実現できます。また、2D図面では伝えきれない設計者の意図を、PMIを活用することで抜けもれなく反映した測定が実施できます。

CMM-IPでは、測定プログラムのフォーマットとしてDMIS / DMIS EQUATOR / MCOSMOS/PC-DMISといった形式をサポートしています。通常、三次元測定機でこれらの測定プログラムを実行するためには、コンバータを介して三次元測定機に取り込む必要があり、どうしても情報の欠落のリスクがあります。

このリスクの解決策としてCMM-IEをご用意しています。CMM-IEは、DMIS形式の測定プログラムをそのまま使用して三次元測定機を制御するため、情報の欠落といったリスクがなく、高い測定の信頼性が確保できます。

おわりに

弊社ではNX-CMM Inspectionおよび関連ソフトウェアの販売・保守だけではなく、お客様の現場にお伺いして3DAモデルの一貫活用のしくみ構築や、自動計測環境のスムーズな運用開始のための教育、測定システムの導入・立上げをご支援いたします。ご興味をお持ちいただけましたお客様、ご連絡をお待ちしております。

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(プロダクションエンジニアリングサービス部 足立)

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