NXの最新バージョンでは、製品開発の柔軟性をより高めるための新機能や、効率向上に繋がる機能が数多く搭載されております。今回は「ファセットモデル編集機能のさらなる拡張」、「最小ロード」機能についてご紹介いたします。
データ変換を行わずに、B-repとファセットデータの混在状態でもモデリングを可能にするコンバージェントモデリング機能がNX11より搭載されています。この中で、ファセットボディを編集するための柔軟性の高い専用環境である「ポリゴンモデリング」タスク環境が搭載されていますが、最新のNXでは「モーフィングメッシュタスク」環境が追加されました。
本タスク環境では、従来から提供されているNXシェイプリアライズ環境と類似したケージを使ったモデル変形が可能です。これにより、以前は手数が掛かり困難だったデザインモデルの作成を、ファセットボディにおいても柔軟かつ迅速に作成することが可能になっています。
また、リバースモデリングではモノから3次元測定されたSTLデータを元にサーフェスやソリッドといった3Dデータを作成しますが、モデリングの初期段階ではギャップや穴などの閉領域を埋めてサーフェス作成するケースがあります。最新のNXでは、形状から自動で閉領域を認識してファセットモデルを簡単に作成する機能が追加されているため、精度を落とすことなくシートモデル作成を行う際の手間を大幅に省くことが可能となり、サーフェシング編集による3Dデータ作成の際にご活用いただけます。
この他にも、メッシュデータに対してファセットサイズを調整して再メッシュを行う機能が追加されました。シャープなエッジや正確なエッジまでの制御が可能で、細かいギザギザなエッジを均一化でき、高品質なメッシュを簡単に作成することができます。
データサイズの大きいアセンブリデータはロード時間が長く、その間ユーザの手が止まってしまうので、ロード時間を短縮することはできないかというご質問やご要望を長年お聞きしていました。マシンスペックの増強やチューニング技術で改善することもありますが、根本的な改善は困難です。そこで、最新のNXではご要望にお応えする機能として、アセンブリロードの方法に「最小ロード」オプションが追加されました。
「最小ロード」は従来のライトウェイトベースのロード方法よりロードするデータ情報が絞られ、且つマルチコアプロセッサを使用してロードパフォーマンスを改善した技術です。従来はアセンブリのロード処理が完了するまで待たないと次の作業を開始することができませんでしたが、「最小ロード」を使用することで、ロード処理と並行してコンポーネントの非表示や表示はもちろん、ビューのズーム、パン、回転などのビューイング操作の他、断面の作成や測定を行うことができ、作業工数の大幅な短縮を図れます。
さらに、アセンブリロード中にコンポーネントの編集に入ると、自動的にコンポーネントの正確なデータがロードされ、即座に編集に移ることができるため、ロード中の待ち時間によるタイムロスを最小限にすることができます。CADデータの素早い形状や状態確認が求められるデザインレビューなどに有効です。
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