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DIPROニュース

2012

2月号

2012.02.10

新春デジタルプロセスセミナー in Nagoya 開催報告
~日本のモノづくり復興!グローバル時代のITモノづくり~

去る1月20日(金)にヒルトン名古屋に於いて「新春デジタルプロセスセミナー in Nagoya 2012」を開催いたしました。当日は、あいにくの雨天にも関わらず、多くのお客様にお越しいただき、本セミナー10回目の記念イベントにふさわしい、大変活気に満ちたセミナーとなりました。ご多忙の中、ご来場いただきました皆様に改めまして厚く御礼申し上げます。

今回は「日本のモノづくり復興!グローバル時代のITモノづくり」をテーマに、基調講演では法政大学大学院 教授の坂本 光司様よりご講演をいただきました。また、日立造船株式会社 長尾 康彦様、スズキ株式会社 砂山 良彦様より、製品開発における現状とIT・デジタル技術を用いた先進事例をご紹介いただきました。特別講演として、上海交通大学ロボット研究所教授 趙 言正様に、中国におけるロボット技術の現状と動向についてお話をいただき、中国におけるロボット・IT技術の目覚ましい進展を実感することができました。

【基調講演】「日本で一番大切にしたい会社」

法政大学大学院政策創造研究科教授 同経営大学院(MBAコース)
兼担教授 坂本 光司 様

基調講演には、ベストセラー『日本で一番大切にしたい会社』や『円高、国際化と地域産業』など多数の著者でいらっしゃる、坂本 光司先生にご講演いただきました。

数多くの企業訪問を通し研究された結果から出された「大切にしたい会社」の定義をお話いただきました。「人を幸せにする経営」をしている会社は景気に左右されず、結果的に業績を上げ続けているとのことでした。

本の中で紹介されている「大切にしたい会社」のエピソードは、企業人として大変耳の痛くなる話も多かったのですが、斬新な切り口と実際のご経験に基づくご講演は、多くのお客様の心に響くものであったと思います。

【事例講演Ⅰ】「船用大型ディーゼルエンジンにおける3次元設計の定着化と効率化への取り組み」

日立造船株式会社 機械・インフラ本部 有明ビジネスユニット
生産管理部 情報管理グループ 主事 長尾 康彦 様

日立造船株式会社の長尾様よりディーゼルエンジン開発の特色やNXを導入した経緯、3次元設計の定着化の取り組みについて年表や画像を交えて分かりやすくご紹介いただきました。

定着化後の設計技術高度化プロジェクトでは今まで蓄積したノウハウを活用して、大規模アセンブリデータの利用におけるプロセスの確立やNX解析モジュール利用における具体的な成果をご説明いただきました。

お客様からは、「日立造船様のコストダウン活動について、もっと詳しく説明を聞きたい」とのご意見をいただき、アンケートからもお客様の関心の高さが伺われました。

また、今後の展開として、配管設計効率化に向け評価されているNX-ICADハイブリッド設計のお話をいただきました。大規模アセンブリデータの設計業務が従来に比べ半減できたというご説明は、NX-ICADハイブリッド設計という新利用技術に今後とも大きな期待を抱かせる内容でした。

【特別講演】「中国におけるロボット技術の現状と動向」

上海交通大学ロボット研究所教授 趙 言正 様

特別講演では、上海交通大学の趙先生より上海万博で展示された中華料理・自動調理ロボットの開発エピソードを中心に中国のロボット技術の状況やサービスロボットについてご紹介いただきました。

上海市では60歳以上の人口が2010年で23%に達し、2025年では32.7%となり、高齢化問題が深刻化しています。その様な中で日本以外にも高齢化問題にロボット技術を積極的に利用する研究が進んでいるというお話には驚きを感じました。また、料理ロボット開発のお話では、本場の特級料理人の細かい動作をIT技術により分析して研究開発していくプロセスは、日本のお家芸だった料理ロボットを追い抜き追い越そうとしており、ロボット技術開発の競争激化を目の当たりにできました。

今後とも、本セミナーにて、この様な海外の事例や最新情報をご紹介していきたいと思います。

【事例講演Ⅱ】「スズキでの設計品質向上を目的とした設計者CAEの取り組みについて」

スズキ株式会社 デジタル技術部 CAE推進課 課長 砂山 良彦 様

スズキ株式会社の砂山様より設計者CAEの取り組みとNX-CAE自動化システムについて、NX導入初期から現在における設計者CAEの利用状況や利用環境の変遷をグラフで分りやすくご説明いただきました。

NX-CAE自動化システムはCAE専任者の解析ノウハウを盛り込んだシステムであり、利用者を補助するための先進的な機能が多く含まれていることをポイントにあげられました。特に解析モデルごとに操作手順をナビゲートする機能や、設計者が解析特有の知識を意識せずに利用できるオンラインヘルプ機能は参考になりました。

このシステムによる高い工数削減効果があったというご説明には、改めて解析業務の自動化による効率の大きさを認識できました。


講演会場に隣接する会場では、ソリューションの展示やデモンストレーションを行いました。DIPROオリジナル製品やソリューション、シーメンス社製品など限られた時間内でしたが、多数のお客様に熱心にご覧いただきました。

また、本セミナーにご出席いただきましたお客様から、貴重なご感想・ご意見をいただきました。ご協力ありがとうございました。 以下、一部をご紹介させていただきます。

  • 「大変参考になりました。特に坂本先生のお話はマネジメントに活用したいと思います」
  • 「基調講演の内容は一従業員として聴いていても大変耳の痛くなる話であり、当たり前のことをあたり前にやれていない現実にもどかしさを感じます」
  • 「他社の導入事例を通して、課題にどう対処してきたか大変参考になりました」
  • 「ICADの実用例を紹介してほしい」
  • 「中国語での講演は新鮮でした。中国のロボット技術の水準の高さが感じられました」
  • 「デモを見る時間がもう少し多く取れると良かったと思います」

多数のお客様にご来場いただき、大変盛況なセミナーとなりましたこと社員一同、心より厚く御礼申し上げます。

(名古屋事業所 所長 川見)

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