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DIPROニュース

2012

7月号

2012.07.10

iCADフォーラム 21st 開催報告

5月23日の東京を皮切りに、名古屋、大阪の3会場において、「iCADフォーラム 21st」を開催いたしました。

今回は、iCADをご導入いただいているお客様限定の「3Dステップアップセミナー」を始め、毎回好評の事例講演では、株式会社東芝様・株式会社ヒカリ様・IHIメタルテック株式会社様に最先端の3D活用をご紹介いただき、大変活気のあるフォーラムとなりました。

ご多忙の中、ご来場いただいた皆様方に厚くお礼を申し上げます。

午前中に開催しました「3Dステップアップセミナー」は、これから3D設計に取り組まれる方や、3D設計が思うように進まないなど悩みを抱えている方を対象に、3D導入後に直面するさまざまな問題の解決方法をご紹介しました。最新バージョンICAD/SX V7L2を使って、実際に操作をしながらの説明に「非常にためになった」「早速、皆に広めて活用の幅を広げたい」「次回も開催してほしい」とのお声を頂戴しました。iCADをご利用のお客様が、さらに業務を効率化できるよう次回開催を前向きに検討しておりますので、ご期待ください。

事例講演では、まず始めに、株式会社東芝のモノづくりを革新する高度専門集団の生産技術センター 大石様にご講演を賜りました。開発期間を短縮するため3Dを検討されましたが、3Dモデルだけでは部品情報の蓄積・加工指示・検図・組み立てが十分に行えないという課題に直面しました。このようなとき、大企業では各部署が一丸となって課題解決に取り組むことは容易ではありません。しかし東芝様では、設計・加工・組み立ての各担当者がiCADをベースに運用ルールを模索し確立されました。また、新入社員・図面作成者・3D設計者・検図者ごとに業務レベルの教育カリキュラムを作成し、スキルレベルを自己判定できるシートを展開するなど、社員教育プログラムも構築されました。

その他にもさまざまな取り組みにより開発期間を34%削減されたとのことで、「もっと詳しい話が聞きたい」との意見が多く寄せられました。

次に、FA装置メーカーとして国内トップクラスの株式会社ヒカリ 狩郷様にご講演を賜りました。

ヒカリ様は受注製品の約9割が専用の新規設計のため図面枚数が膨大で、CAD/CAMによる設計から加工までの一元化が課題でした。検討初期は、3D設計やソフトの入れ替えが目的とならないよう意識されたそうです。そして、どのソフトでもCAD/CAM連携は可能ですが、動作が早く、操作も簡単な上、ファイル管理が容易なiCADを導入していただくことになりました。ヒカリ様では目的が明確であったため、効率アップのために自社でカスタマイズもされました。この際、国産ソフトゆえにサポートが充実していたことが、早期立ち上げに繋がったとのことです。

また、ヒカリ様には講演後に意見交換会をご要望されたお客様が非常に多く、狩郷様には快くご対応いただき感謝申し上げます。

最後に、IHIメタルテック株式会社 百々様に3Dによる設計業務の見直しと設計効率改善の取り組みについてご講演を賜りました。

本講演では、3DCADの導入以前に、設計の本質を突き詰め、業務改革の手段として3Dデータを活用されているという点で、多くの来場者の感銘を集めました。「3DCADで本当に干渉はなくなるのか」「既存の2D図面は本当に継承すべきか」「導入時点で明確に効果を算出できる施策はあるか」など、さまざまな視点から疑問を持ち、設計負荷の増大・設計手戻りの原因・フロントローディングの現実的効果などを、若手メンバーを中心にトコトン深堀りされたそうです。

“3DCADはどんな課題も解決してくれる”と言ったふれこみを鵜呑みにするのではなく、設計のやり方そのものを模索されたお話は、設計者魂を揺さぶられる内容として「改めて設計とは何かを考えさせられた」「若手に聞かせてやりたい」「設計はモデリングじゃないと気付かされた」「設計者としての思想が素晴らしい」など、多くの熱いコメントが寄せられました。

当日は、椅子を追加して詰めていただいたり、ドリンクコーナーがお客様で混雑したりと、至らない点が多々ありましたが、次回は改善して皆様をお出迎えしたいと思います。10月末開催予定の「iCADフォーラム 22nd」も、是非ご期待ください。

iCADは機械設計におけるグローバルなデファクトスタンダードを目指し、より一層の努力をしてまいります。引き続きiCADをご愛顧いただけますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

(iCAD株式会社 大西)

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