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DIPROニュース

2013

3月号

2013.03.10

グローバル社会で活躍できる人材育成
~山口大学 工学部の取り組みとDIPRO Paper Bicycle Project~

山口大学は国際的に活躍できる人材の育成に力を入れており、文部科学省のグローバル人材育成推進事業にも参画されています。今回、技術や語学の研修を行う「グローバル人材開発プログラム モデルベース創造設計@マレーシア工科大学」と題した海外短期留学プログラムの実施にあたり、海外でも実践経験のある弊社のモノづくり教育を参考にしたいとのお話をいただきました。そこで、弊社で数年取り組んでいるPaper Bicycle Projectをご紹介するため山口大学 工学部を訪問し、上西教授、古賀准教授を筆頭に留学候補の十数名の学生と活発な意見交換を行いました。

行うことによって学ぶ「Paper Bicycle Project」

Paper Bicycle Project事務局長による講演
Paper Bicycle Project事務局長による講演

材料力学を力説
材料力学を力説

山口大学 工学部の海外研修は、まずは「動くものを作る」ことを課題とし、製作作業や英語でのディスカッションを通じて広い視野を持つことを目的に、現地学生1名と山口大学の学生2名の計3名のチームで取り組むプロジェクト型の製品設計開発演習です。

一方、弊社のPaper Bicycle Projectとは、モノづくり経験のない社員がモノづくりの大変さと面白さを体感し、お客様との共感力を高めるための実践型教育として、2007年より取り組んできたものです。具体的には3名編成の6チームが、厚紙と紙管のみを材料とし、人が乗って走れる自転車を作りその出来栄えを競います。商品企画・設計・製作から、その成果を評価反省するまでの一連のプロセスを体得する教育方法です。完成した紙自転車の速度や耐久性はもとより、魅力ある製品を開発する発想力、製作期間やコストを含めた企画力、工学的見地を入れた問題発見と解決能力、製品をアピールするプレゼンテーション能力までを競い合います。

弊社での製作風景や、実際に行われた紙自転車のレースの動画や写真を交えた臨場感たっぷりの講演に、聴講者からは驚きの声が上がり、矢継ぎ早な質問攻めです。「製作期間はどのくらいか」「費用はいくらかかったのか」といった現実的なものから、「チーム内に先輩がいたら自分の思い通りに作れないのでは」、「参加したメンバーは立候補なのか、やらされているのか」などといった、学生ならではの素朴な疑問もあり、関心の高さがうかがえました。また、Paper Bicycleづくりの前提として実施している「材料力学」講座の紹介では、竹棒の梁モデルを使った実践的な解説に食い入るようなまなざしで聞き入る姿が印象的でした。

Paper Bicycle実機を前に記念撮影
Paper Bicycle実機を前に記念撮影

解説のあとは、教室に持ち込んだ実物の紙自転車に触れながらのディスカッションです。初めて見る紙自転車に、壊してしまうのではとの不安から恐る恐る近づいた学生たちも、その意外な頑丈さに驚いていました。最後は「乗ってもいいですか?」の要望に、「大歓迎です」と交代で試乗してもらい喜んでいただきました。

第2陣が翌日マレーシアに出発する前日という慌ただしい日程の研修会となりましたが、今後、国際社会で活躍するであろう若い世代への事前研修として、Paper Bicycle Project教育の考え方が少しはお役に立てたのではないかと自信を持つことができました。

モノづくりの技術は日々進歩しておりますが、それをサポートする私どもも、モノづくりプロセスを熟知し、お客様から信頼されるエンジニアでなければなりません。弊社は今後も実践型の人材教育を続け、単なるITツールや技術の提供にとどまらず、実際の業務に役立つサービスをご提供していけるよう邁進してまいります。

(DIPROニュース編集局 大澤)

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