2015年2月より出荷開始予定のSolid Edge ST7をご紹介いたします。Solid Edgeは高度なモデリングを簡易に操作できることを特徴としたミッドレンジ向け機械設計用CADです。
ST7はシンクロナステクノロジーを搭載した7番目のバージョンです。特に機能改善の大きい板金機能を中心にご紹介します。
ST7では板金形状への変換機能が大幅に向上しました。
製造知識がないと板金の製造要件を満たす形状を設計段階で作成することは困難です。従って、設計段階では形状のみを作成し、製造段階で要件を満たす板金形状に変換することが一般的に行われています。
この板金形状への変換は、従来のSolid Edgeでは形状全体が変換対象になっていました。形状全体を板金の要件を満たすものにしないと形状変換を終了することができず、変換するための修正が大変な作業でした。
それに対して、ST7では必要な部分を選んで変換できるようになりました。曲げ部分や開口部分を選択することにより、必要な板金形状に変換できます。部品形状から板金形状への変換作業が大幅に改善しました。
ST7ではプレス形状部分の展開形状をシミュレーションする機能が追加されました。
従来の板金機能でも曲げ部分を展開した形状は作成できましたが、プレス形状の展開はできませんでした。材料費検討などのために必要な展開形状は、プレス部分の考慮はできていませんでした。
ST7では一定の肉厚の形状であれば板金部品であるかどうかに関係なく展開形状をシミュレーションする機能が追加されました。この機能はSolid Edgeで作成したデータだけでなく外部から取り込んだデータにも利用できるので、様々なデータに対して検証していただくことが可能です。
板金以外の機能でも様々な機能改善が行われておりますので、いくつかご紹介いたします。
スケッチ機能が3次元空間上に自由に線分を配置できるように拡張されました。
従来のスケッチ機能は平面に2次元的な線分を配置する機能でした。このため、3次元的なスケッチを作成するには、複数のスケッチを組み合わせて作成する必要があり、それぞれのスケッチ作図平面設定の手間や、別々のスケッチを連携させながら形状を作成しなければいけないという問題がありました。
今回の3次元スケッチにより、これらの問題を解決して3次元的な経路をもった形状を簡単に作成できるようになりました。
ST7ではレンダリングアプリケーション用の外部製品の「KeyShot」が付属されました。
「KeyShot」は手軽にレンダリングを作成できるCGアプリケーションで、これを利用することにより従来よりも写実的で美しいレンダリングをより簡単に作成できます。
「Solid Edge」から「KeyShot」にはボタン一つで形状情報が転送され、迅速にレンダリング操作を開始できます。
なお、「KeyShot」は従来からレンダリング機能を持っていた「Solid Edge Classic」もしくは「Premium」でご利用いただけます。
3Dプリンターは、低価格な装置の登場などにより大きな話題となっています。また、Windows8.1では3Dプリンター用のドライバーが標準で提供され、これに準拠した製品では印刷を行うように3Dプリンターに出力できるようになりました。
ST7はこのWindows8.1の3Dプリンタードライバーに対応し、より簡易に3Dプリンターからの造形出力が行えるようになりました。
Solid Edgeは常に最新環境への対応を行っています。ST7ではWindows8.1とタブレットPCのタッチ操作に対応しました。
従来のキーボードやマウスによる操作と比べて、直接画面を操作できるタブレットPCでは直感的な操作性が向上しており、3次元モデルの操作における操作性の向上も期待されています。
ST7では、このタッチ操作に対応して、より直感的な操作ができるようになりました。 画面上のスライド操作で平行移動や回転、ピッチ操作(2本指によるつまんだり離したりする操作)で拡大や縮小が行えます。
製品の最新情報は弊社ホームページにて順次ご案内いたします。詳細については、弊社までぜひお問い合わせください。
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