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DIPROニュース

2015

2月号

2015.02.10

GP4を活用して工程計画業務の効率化を!

富士通が扱うデジタル生産準備ソリューションの1つであるGP4(Global Protocol for Manufacturing)の開発元として、2014年4月からデジタルプロセスが参画し、1年が経過しようとしています。GP4の機能に関しては、DIPROニュース2014年5月号でご紹介させていただき、おかげさまで多くのお客様から問い合わせをいただいております。

特に最近では、グローバル化に伴う需要の複雑化/多様化が進み、多くのお客様ではタイムリーにまた継続的に製品を市場投入することが必須となり、海外拠点での生産も含めたグローバルな視点での工程計画を追及されています。生産変動の影響を最小化するため、同じ製品を異なる海外拠点でも生産できるように、各拠点の生産ラインを横並びで工程検討を行う、サブラインの標準化を図るなど様々な検討を短期間に行うことが求められています。そこで、生産ラインを見える化できるGP4に大きな関心を寄せられています。

生産ラインの見える化
生産ラインの見える化

弊社では、2011年度下期にある自動車部品メーカ様から、海外拠点の垂直立上げを求められており、工程設計業務の中でも生産ラインのレイアウトの検討や作業者の作業性検証をもっと効率的に行いたいと相談を受け、GP4のベンチマークからお客様におけるトライアル、さらには導入後の教育や運用に関するご支援をさせていただきました。

当時お客様ではより高機能のシミュレーションソフトを利用されておりました。しかし、使いこなしに高度のスキルを必要とし、担当者が専任化してしまい、日常使いに落とし込むことができていませんでした。そこで、工程設計者や現場の担当者が自ら利用いただける操作性と、バーチャルな世界で事前検証を短サイクルに行うことができるというGP4の特徴をご評価いただき、実務での適用を開始されました。海外拠点の生産ライン検討時にGP4で作成した生産ラインモデルを活用したレビューでは、参加者から多くの課題抽出を行うことができたというお話も伺いました。導入後も継続してご支援させていただいており、今ではGP4での作業性検討結果を現場掲示板に表示するなど着実に業務に定着してきています。

弊社ではこのご支援を通じて蓄積したGP4業務適用ノウハウをベースに、その後も自動車部品メーカ様への導入、業務定着をはじめ、ベンチマークやトライアルをご支援しております。

GP4適用シーンとは

従来、生産ラインのレイアウト検討や生産性検討など工程計画業務では、Excelを駆使してレイアウトや作業編成などを検討していましたが、いざ量産試作段階で試作現場では計画通りにいかず、現場改善で対応することが多くありました。

例えば、レイアウト検討でも2次元では設備間や設備と作業者の位置関係、作業者から見た部品棚の位置関係などはなかなか把握できません。

また工程表や作業標準書だけで現場作業者が詳細な作業手順を把握するのは困難でポンチ絵やビデオを利用することがありました。

これに対してGP4を活用することで、3Dによる生産現場や作業手順の再現により、位置関係や具体的な所作を直感的に把握できるようになります。

GP4適用シーン

このように工程計画の「見える化」(仮想量産試作)により、次のようなGP4活用シーンが考えられます。

  • バーチャル上で多様なレイアウト案を比較検討し、目的にあったライン計画を立てられる
  • 量産試作前に関係者による課題の潰しこみを行い、量産垂直立上げを推進できる
  • 海外生産拠点メンバとの闊達なコミュニケーションが可能になる
GP4活用シーン

実際、ある会社で行われた工程設計者と現場担当者が集まったレイアウトレビューに参加させていただきましたが、工程設計者がGP4で作成したレイアウト案、作業者の動きなどを提示すると、現場担当者から設備配置をコの字型からロの字型に変えたらどうなるのかという意見が出て、その場でレイアウトを変更すると、作業者歩行距離が数メートル縮まることが判明し、そのレイアウト案が採用されたという場面がありました。このように工程計画-仮想量産試作段階における3Dによる見える化は、担当者に対していろいろな「気づき」を促すことができ、想定以上に多くの事前課題や意見を引き出すことができました。

Let’s Try

生産現場の設備ライブラリ

「百聞は一見にしかず」上記のような活用シーンだけでなく、こんなことができないか?といった課題をお持ちであれば、まずはご連絡ください。

設計開発部門では3D化が進んでいるが、生産部門、特に工場の3D化は手付かずという場合でも、GP4では生産現場の設備ライブラリを持っていますので、3D化が可能です。
もちろん設備の3Dデータ(例えば、iCADデータなど)があればそれを活用することも可能です。

1.GP4機能紹介
GP4の機能紹介(デモ含む)及び事例紹介を行います

2.ベンチマーク
お客様からお借りした情報をもとに弊社でGP4モデルを作成し、疑似的な評価/検証を行います。

3.Touch&Try
トライアルライセンスを発行し、半日程度、実際にGP4を操作します。
(定期的にGP4体験セミナを開催しています。オンサイトでも実施可能です)

4.トライアル
お客様自身で一定期間(1か月程度)、実際にGP4を利用して、機能面、操作面、 業務面などから評価します。(期間中必要に応じてサポートします)

現在も、今年度あるいは来年度導入に向けて、上記の流れで数社取り組んでいらっしゃいます。

昨年末の機能強化では、製品の組立検討にフォーカスしたデジタル生産準備ソリューションVPS(Virtual Product Simulator)との連携機能も強化されましたので、VPS+GP4デジタル生産準備ソリューションによる工程設計業務の効率化実現を目指しましょう。

VPS+GP4に関しては、年2回の事例セミナを開催しています。弊社では結果責任のもと、GP4活用により効果を上げていただき、この事例セミナでご講演いただけるまでしっかりとご支援いたします。

GP4に関しまして、製品カタログや事例カタログもございますので、ご不明な点やご相談ごとがございましたら、弊社までお問い合わせください。

工程設計業務の効率化
工程設計業務の効率化実現
(デジタルコンテンツサービス部 次長SE 温井 勝彦)

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