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DIPROニュース

2015

2月号

2015.02.10

新春デジタルプロセスセミナー in Nagoya 2015

会場の様子

去る1月16日(金)にヒルトン名古屋において「新春デジタルプロセスセミナー in Nagoya 2015」を開催いたしました。当日は晴天にも恵まれ、会場を埋め尽くすほど多くのお客様にお越しいただき、真冬の寒さを感じさせない活気に満ちたセミナーとなりました。ご多忙の中、ご来場いただきましたお客様、ご協力いただきました皆様に、厚く御礼申し上げます。

今回はセミナーのテーマを「新たな価値の創出、原点からの再挑戦」とし、基調講演では名古屋外国語大学・大学院客員教授を務め、テレビ出演、新聞などでも広くご活躍されています内田忠男様にご登壇いただきました。特別講演として日本を代表するモノづくり企業でありますトヨタ自動車株式会社様より「もっといいクルマづくり」についてエンジニアリング情報管理の視点からご説明をいただきました。更に三菱重工業株式会社様、豊和工業株式会社様から製品開発におけるIT・デジタル技術を用いた貴重な事例をご紹介いただきました。

基調講演
『グローバル化時代と日本の対応』

国際ジャーナリスト/名古屋外国語大学・大学院客員教授 内田 忠男 様

特派員として様々な国際ニュースの取材を通して国際情勢・国際経済・日米関係など幅広い分野に精通し、テレビや新聞・雑誌など多方面でご活躍されておられます内田様に『グローバル化時代と日本の対応』と題して国際社会の動きと日本の対応、世界に誇れる日本のモノづくりについてご講演いただきました。

社会人人生の半分を海外で過ごされ、その課程において世界の歴史的な出来事を実際に現場で体感した体験談や、国内外の著名人との対談エピソードを数多くご紹介していただきました。これら歴史の大事件や大転換期を「ジャーナリストは歴史の流れを肌以外も含めた五感すべてで感じることができる」と独特の語り口で語られ、会場は臨場感と昂揚感に包まれていました。

グローバル化のお話では、日本の問題点などを内田様独自の視点で判りやすく解説いただきました。最後に「大局的・合理的に物事を見るべき。勇断を持って実行を」との言葉は会場の皆様の心に響くものであったと思います。

国際ジャーナリスト/名古屋外国語大学・大学院客員教授
内田 忠男 様

事例講演Ⅰ
『航空機開発におけるICT・デジタル技術活用の取り組み』

三菱重工業株式会社 ICTソリューション本部 ICT推進部 次長 渡邊 光浩 様

三菱重工業株式会社の渡邊様より、航空機開発の最先端分野におけるICTの重要性について、複数のプロジェクト事例を交えながらご講演いただきました。航空機開発は「大規模開発ゆえ、リスク分散が必要」、「データ量が膨大」、「長い製品ライフサイクル」、「強度と重量が物を言う」などの他産業とは大きく異なる特徴があることをお話いただきました。また航空機開発の具体的なプロジェクト事例を取り上げてご説明していただき、短い時間ではありましたが先進技術を身近に感じる貴重な時間でありました。DIPRO VridgeRの活用事例として、航空機のフルモックアップデータを表示し、ウォークスルー機能で航空機の中を歩いている様にプレビューしたデモでは、会場のお客様から感嘆の声が上がりました。展示会場のVridgeRブースでもお客様から大きな反響をいただき、弊社としても大変に光栄に感じております。

三菱重工業株式会社 ICTソリューション本部 ICT推進部
次長 渡邊 光浩 様

事例講演Ⅱ
『工作機械設計における業務改革~3Dを活用し手戻り設計ゼロ化を目指す~』

豊和工業株式会社 機械事業部 CEディビジョン 設計グループ 課長 小池 昌宏 様

豊和工業株式会社の小池様より、工作機械におけるiCAD SXを活用した3次元設計の定着化推進と、設計現場における課題解決の取組みについてご講演いただきました。豊和工業様では出図後の現場対応や手戻りが大きな課題でありました。この課題を解決をするために詳細な要因分析を行い、そこから導き出した解決手法を図解を使って判りやすく、また具体的な効果試算表も含めて丁寧にご説明していただきました。課題要因の約3割を占めていた「干渉不具合」を解決するためのプロセス標準化手法や現場展開の苦労話に対しては、ご来場のお客様から「干渉にしぼって効果がよく出ているのが理解できた」、「地道に解決されているところに共感した」とのご意見があり、同様な課題を経験されているお客様が多くいらっしゃることがアンケートから伺えました。豊和工業様ではまだまだ3Dデータ活用の効果創出の余地があるとのことで、弊社としても一層のご支援をさせていただきたく決意をいたしました。

豊和工業株式会社 機械事業部 CEディビジョン 設計グループ
課長 小池 昌宏 様

特別講演
『技術情報の流れから見るトヨタのもっといいクルマづくりと仕事の変革』

トヨタ自動車株式会社 エンジニアリング情報管理部 部長 江口 浩二 様

トヨタ自動車株式会社の江口様より、図面やCADデータなど様々な技術情報を運用、管理する立場からクルマづくりを支える仕事の変革やノウハウの伝承についてご講演いただきました。はじめに業務における現状のデータの流れや、その技術管理の仕組みを詳細にご説明いただきました。次に開発部門のデータ活用事例として、徹底してデータを活用する思想とその適用範囲の広さに、ご来場のお客様から「全社的な技術情報管理の必要性と有効性が良く分かった」とのご意見をいただきました。トヨタ様の持続的な課題解決に取り組むスタンスを伺いますと、改善活動への継続した熱い思いが企業を強くするのだと感じることのできるお話でした。最後にお話いただいた「名は体を表す。技術情報は仕事の仕方の思想や文化を表す」との見解は、会場の誰もが感銘を受けた言葉となりました。

今回で3回目となる午前のショートセミナーでは、お客様にもっと有益な情報を提供できるよう、DIPROオリジナルソフトウェアの説明だけではなく、弊社エキスパートエンジニアによるICT導入ノウハウやE/M–BOMの歴史とトレンドなどを紹介いたしました。こちらにおきましても、受付開始と同時に多くのお客様にご来場いただき、限られた時間ではありましたが熱心にご覧いただきました。

最後に、本セミナーにご来場いただきましたことを社員一同、心より御礼申し上げます。また、アンケートでは貴重なご感想・ご意見をいただき、重ねて御礼を申し上げます。次回もお客様のご期待ご要望にお応えできるよう社員一同努めてまいりますので、今後とも弊社をお引き立ていただきますようお願い申し上げます。

トヨタ自動車株式会社 エンジニアリング情報管理部
部長 江口 浩二 様


(新春セミナー事務局)

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