NXの最新バージョン「NX10」の3つの生産準備向けアプリケーション CAM/Mold Wizard/CMMの新機能をご紹介いたします。
NX10は操作性および機能性が向上されており、これまで以上にお客様業務の効率化を図ることができます。
各機能の他にもNX10にはお客様業務をご支援する多くの機能がそろっております。お困りごとなどございましたら、お気軽にお問合せください。
NX10 CAMでは新しいオペレーションタイプやパラメータが追加され、実際の加工に即した設定が可能となりました。旧バージョンでは補助図形の作成が必要だったツールパスをオペレーションパラメータの変更のみで作成可能となったため、パス作成の手数が削減されています。また、既存の機能についても高速化/高精度化や操作性の向上が図られ、より使いやすくなっております。
ここでは曲線/点ドライブ方法でのオフセット機能、穴加工の新オペレーション、ツールパス表示/検証機能の改善についてご紹介します。
曲線/点ドライブ方法に「オフセット」パラメータが追加されました。ドライブジオメトリとして選択したエッジまたは曲線を切削サーフェスに沿ってオフセットしたツールパスを作成します。オフセットした輪郭曲線を作成する操作が不要となるため、コーナーおよびフィレット部分の仕上げパスの作成において特に有効にご活用いただけます。(図1)
穴加工の新規オペレーションテンプレートとして「ボスミル加工」「ボスねじ切りミル加工」「穴面取り加工」が追加されました。ボスミル加工/ボスねじ切りミル加工は素材形状を設定することにより、未加工箇所を容易に識別することが可能です。(図2)
穴面取り加工は面取り工具を使用して穴エッジ部分の輪郭加工を実施します。面取りがモデリングされていない穴形状に対しても、面取り幅を指定してツールパスを作成できるという特長があります。(図3)
ツールパス軌跡の表示においてツール先端点/ツール中心点表示、構成点の表示/非表示が設定可能になりました。
NC出力位置に合わせた軌跡の表示ならびにNC構成点の分布をNX上で事前に確認できます。(図4)またツールパスの検証機能では、再生/逆再生の動きをキーボードで操作できるようになり、操作性が向上しました。
従来の標準部品ライブラリ機能から独立して、エジェクタピンの設計に特化した機能となっています。
エジェクタピンの設計では、最適な長さの部品を取得する「推奨長さ」(図1) / 配置位置を簡単に揃える「位置揃え」(図2) / 製品形状の中からボス/リブ形状を検索し配置する「スリーブ位置を検索」(図3) のオプションを用いて作業をより効率的に行うことが出来ます。
従来からある冷却設計を総合的に支援する機能群です。NX10では大きな機能改良はありませんが、利便性を向上させるための細やかな改良が行われています。
「ダイレクトチャネル」は作成する経路をチャネルまたはバッフルから選択できるようになり、「チャネルを定義」は水、油、エアの属性を設定出来るようになり、「冷却フィッティング、冷却回路」はシンボルを配置する機能でしたが、直接部品を取り出すことが出来るようになりました。
従来に比べて、EXCELで書式を定義出来るようになり、また書式にはヘッダー部を記載出来るようになったことで作業性が改善されました。
金型設計業務の効率化にNX10のMold Wizardをご活用ください。
NX10の検査(NX CMM Inspection Programing:NXCMMIP)機能は、計測パス作成の操作性の向上と検査業務の効率化機能が追加されております。
NXの検査機能(NXCMMIP)は、作成した計測プログラムをミツトヨ計測機専用ポストプロセッサにてDMISデータに出力し、CMM Inspection Execution(CMMIE)に取込み、計測機を動かす仕組みだけでした。
NX10 CMMでは、NXCMMIPで作成した計測パスをポストプロセッサMCOSMOS V4にてAGWファイル形式に出力できるようになり、MCOSMOSに読み込むことが可能となりました。
選択した対象フィーチャのみを拡大表示します。大きな計測対象物から対象フィーチャを探す場合などに、ご使用いただくことができる機能です。
検査ナビゲータ内の拡大したいフィーチャを選択してから「選択にビューをフィット」をクリックすることで、選択したフィーチャが画面一杯に表示されます。
計測業務の効率化にNX10のCMMをご活用ください。
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