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DIPROニュース

2024

6月号

2024.06.10

最適化機能をより使いやすく
― VERICUT 新バージョンV9.4ご紹介 ―

CGTech社が開発する加工用シミュレーションソフト、VERICUTの新バージョンがリリースされました

VERICUTはCGTech社が開発する切削シミュレーションソフトです(※1)
新バージョンのVERICUT V9.4では工具寿命の延長や送り速度の計算に寄与する最適化機能において利用可能な工具・材料データの追加など、多くの機能改善でより使いやすくなっています。

今回はその中でも(1)ステータスボックス情報の追加、(2)材料の材質・マシン名の登録 / 機能追加、(3)ベリカット&デフォルトの工具データの強化、(4)レビュアーのファイル容量削減の4点を紹介します。

  1. ※1過去のDIPROニュースではVERICUTについての記事を掲載しております。
    ツールパスの最適化でコストを削減 NX CAM、VERICUTのご紹介 [DIPROニュース2022年1月号]

1)ステータスボックス情報の追加

ステータスボックスから確認できる工具情報に、新しく工具の直径、刃長 / 刃数、工具の切削距離、工具の切削時間などの項目が追加されています。

図1:ステータスボックスの工具情報追加

また、最適化グループにはアクティブな材料の欄が追加されました。VERICUTではこれらの情報をシミュレーション中にモニタリングできます。

加えて、「切削情報を記録する」右のアイコンから「グラフ」ダイアログにアクセスが可能になりました。グラフダイアログでは最適化の設定を編集でき、最適化の状況を視覚的に確認可能です。

図2:ステータスボックスの最適化の項目追加

工具情報の追加により、より工具ごとの切削状況をモニタリングしやすくなりました。これらの項目の追加はシミュレーションを効率的に行い、工具選択や送り速度の最適化に役立てることができます。

2)材料の材質・マシン名の登録 機能追加

材料の材質の指定がプロジェクトツリーから設定できるようになりました。指定した材料はForce条件などの切削データを生成するために参照されるほか、最適化機能の中で適切な送り速度や回転数、それらの制限範囲を設定するために参照されます。

図3:プロジェクトツリー STOCKの設定に材料の材質追加

また、VERICUT V9.4ではマシンファイルにニックネームをつけて管理することが可能です。プロジェクトツリー内の「マシン」の設定において、マシンファイルで定義された公式なマシン名と編集可能なマシンの別名を切り替えることができます。

図4:プロジェクトツリー マシンの設定にマシンの別名の追加

マシンヘッドの状態やATCの状態など、同じ機械名でも通称をつけて管理できるため、工作機械の管理がよりしやすくなります。また、プロジェクトツリーのSTOCKの設定からも「材料の材質」を登録できるようになり、最適化のデータの設定が容易になりました。

3)ベリカット&デフォルトの工具データの強化

VERICUTの工具データとして、ハイス鋼、セラミック、セレーテッドタイプなどが追加されました。「デフォルトの新しい工具」のデータ提供機能によって、業界標準の切削データが自動的に提供されます。さらに「ベリカットの工具データ」であればより精度を高めた切削限界データを追加し、利用可能な材質工具があればベリカットの工具データを自動的に割り当てます。これらの工具情報を使用して、工具寿命の延長や送り速度の最適化、加工時間の短縮等の検討を手軽に始めることができます。

図5:プロジェクトツリー セットアップの設定のデフォルトの工具データを用意機能
図6:工具マネージャー 切削限界オプションの切削限界の元データの機能

4)レビュアーのファイル容量削減

レビュアーファイルサイズが以前のバージョンに比べて50%以上削減されました。また、個別に実行する必要のない細かな動作をグループ化する、「材料ブロックのスキップ数」の機能も追加され、ファイルサイズのさらなる削減が期待できます。読み込みや保存にかかる時間を短縮することは共有をより簡単にし、工作機械で実行する前にレビュアーアプリを用いてNCプログラムを確認する作業を促進します。

図7:プロパティにレビューファイルの設定項目が追加

VERICUT V9.4ではご紹介した他にもレポートの機能強化や、新しい工具タイプの追加など、多数の新規機能、機能改善がなされています。VERICUTの新規導入、およびバージョンアップについてご興味のある方はお気軽にご相談ください。

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(プロダクションエンジニアリングサービス部 佐藤)

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