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DIPROニュース

2022

1月号

2022.01.11

ツールパスの最適化でコストを削減
NX CAM、VERICUTのご紹介

今こそ加工工程を見直し、生産性向上を図り、製造現場を変える

品質向上、作業時間の短縮が求められる製造業の現場では、日々生産性を向上させる取り組みを進められていると思います。生産性向上の為に、今までの加工工程を見直し、更なる品質向上、作業時間の短縮に取り組まれている声をよくお聞きします。本号では、そうした取り組みの重要なキーとなる、ツールパス作成や評価の改善に役立つツールとして、NX CAMのFBM、VERICUTのFORCEをご紹介します。

手配データ 3Dモデル→自動NCプログラム作成 NX CAM→加工シミュレーション VERICUT、VERICUT FORCE

NX CAM Feature Based Machining機能

Feature Based Machining(以下、FBM)機能は、加工対象となる3Dモデルから「加工フィーチャ」(加工対象の形状要素)を自動検索し、お客様の加工ルール、加工条件を織り込んだツールパスの自動作成が可能です。

この「加工フィーチャ」には穴(貫通穴および止め穴、多段穴)、溝形状、ポケット形状等が含まれ、特に型形状の構造部加工で効果的にご活用いただけます。

単純穴 複雑な穴 平面 ボス 切り欠き ポケット
(図1)加工フィーチャ例

FBM導入のメリット

FBMでは3Dモデルの形状や加工工程毎に決められたオペレーションパラメータをあらかじめ定義しておくことで、その加工ルールに従ったツールパスを自動的に作成出来ます。これにより従来の問題に対し、以下の改善が行えます。

  • 手動の加工条件や各種パラメータの設定が不要となり、設定ミスのヒューマンエラーを削減
  • 経験や知見によるツールパスの品質バラつきを抑制
  • 加工条件を選択したり、トライ&エラーで条件を決める工数を削減

また、お客様の今までの加工ノウハウを加工ルールとして事前に登録することで、社内での加工ルールの整理、明確化ができ、新規部品に対する工程作成や社内の技術継承も容易となります。

3Dモデル ツールパスを自動で作成→ツールパス作成時に下記の加工ルールを自動で設定します。・オペレーションタイプ・工具情報 ・加工深さ ・送り速度・スピンドル回転数 etc・・・
(図2)FBMによるツールパス作成

DIPROのFBMテンプレート活用やFBM構築サービスのご紹介

担当者が通常業務を行いながらFBMの加工ルールに加工ノウハウを登録する作業は、担当者に多大な負担を与え、作業日程も長期間になることがあります。

DIPROでは、標準的な加工ルールを予め登録した「FBMテンプレート」をご用意しました。担当者がゼロからFBM構築を行う負担を大幅に軽減できます。

さらに「FBM構築サービス」では、お客様の加工種類・加工条件を洗い出し、お客様に代わってDIPROがFBMの環境を構築いたします。

「FBMテンプレート」や「FBM構築サービス」をご利用いただくことで、準備工数削減や構築日程短縮を図ることができ、FBM活用効果をより早く実感していただけると思います。お客様で想定されているFBM運用方法に合わせて各種ご提案いたしますので、ご用命のお客様は弊社までお問い合わせください。

FBM構築作業では1工程ごとに・使用パス・加工前/加工後形状・適用条件・工具条件・オペレーションパラメータ設定
を定義します
(図3)FBM加工ルール登録機能(Machining Knowledge Editor)

切削シミュレーションソフト VERICUT V9.1.2

VERICUT V9.1.2新機能

VERICUTの最新バージョンであるV9.1.2では新たにクラウドライセンスが追加されました。クラウドライセンスでは、ベンダーのクラウドサーバーにお客様がネットワークでアクセスすることで、テレワーク環境下でも効率的に、最新バージョンのVERICUTをご利用いただけます。

VERICUT Forceによる送り速度の最適化

VERICUTのForce機能はNCデータの切削状況を把握し、送り速度を効率的に自動調整するオプション機能です。ワーク材質・工具材質・工具形状・切削条件等から工具にかかる切削抵抗値を計算し、加工パス全体において工具抵抗値が均一になるようにNCの送り速度を最適化します。送り速度の最適化により、加工時間を短縮するだけでなく工具寿命の向上を図ることができます。

(図4)NC1ブロックごとに工具とワークの接触面積を算出し、切削抵抗値を評価
(図4)NC1ブロックごとに工具とワークの
接触面積を算出し、切削抵抗値を評価

(図5)Forceによる解析結果のグラフツールパス全体における合成力、切屑厚さ、切削体積率等をグラフ表示可能
(図5)Forceによる解析結果のグラフ
ツールパス全体における合成力、切屑
厚さ、切削体積率等をグラフ表示可能

VERICUT Forceの材料カタログは、標準でISO PMKNSH材料をはじめとする100種類以上の材料に対応しているほか、特殊材への対応も可能ですのでご相談ください。これにより、実際の材料と同等の条件による解析が可能になります。

また、VERICUT V9.1.2ではForce機能が複合加工機やマルチスピンドル機などのマルチチャンネル工作機械にも対応できるようになり、より多くの工作機械の検証にご活用いただけるようになりました。

VERICUTはこの他にも充実した機能により、皆様の加工検証業務の効率化、ひいては加工工程の生産性向上に貢献します。

NXとVERICUTの連携

通常、NXからVERICUTへの材料、設計モデルデータ移行に関しては、NXから中間ファイルとしてエクスポートしたモデルデータをVERICUTでインポートするという操作が必要です。また、工具データに関してもNXで使用した工具データを新たにVERICUT内で作り直すという操作が必要となります。

VERICUTのオプション機能であるNXインターフェースを用いれば、NX CAMとVERICUTを統合し、より少ない操作でNCプログラム作成から検証までの作業を効率的に行うことが可能です。NXインターフェースでは、NX内のメニューからVERICUTへ移行する材料、設計モデルや工具を選択いただくことで、必要な情報をインポートしたVERICUT環境を直接起動することができます。データのエクスポート・インポート作業の手順が簡略化され、シームレスにNCプログラムをVERICUTで検証していただけます。

NX→NXインターフェース→VERICUTE
(図6)NXインターフェース概念図

その他、CAMでのツールパス作成からNCプログラム作成、VERICUTでの検証、シミュレーション実行結果のドキュメント出力まで、一連の処理を弊社のNX / VERICUT機能カスタマイズにて自動化することも可能です。ご興味のある方はお気軽にご相談ください。

NX CAM機能 の詳細はこちら

お問い合わせ先

製品・サービスに関するお問い合わせ
(プロダクションエンジニアリングサービス部 藤井)

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