近年、製造業のデジタル技術を活用したビジネス変革(DX)への取り組みが加速している一方、新型コロナウイルスの感染拡大、急速な円安局面など業務を取り巻く経済環境下で大きなリソースをかけることが難しく、デジタル格差と呼ばれる状況も発生しています。
また、AI や IoT技術の進展により多様化・高度化したシステムが増加し、システム開発のあり方も大きく変化していく中で、製品のハードウェアとともにそこに組み込まれるソフトウェアの管理が、出荷製品の品質向上には欠かせなくなっています。
一例として自動車業界では、2020年1月に改正 / 施行された自動車保安基準が、2022年7月より新型のOTA対応車に対して適用され、「ソフトウェアのアップデート情報管理」「ECUのセキュリティ品質を確保したハードウェア・ソフトウェア設計、セキュリティ対策に関するドキュメント」の管理がより重要になります。ソフトウェアを組み込んだ製品出荷メーカー側の管理はもちろん、ソフトウェアが納入先で製品に組み込まれる場合も、委託開発元としてこれらの情報を管理しておくことが必要です。
本製品は「ハードウェアとソフトウェアの統合管理」「Fit to Standard」をコンセプトに、ハードウェアとソフトウェアを統合的に管理し、迅速な運用開始でDXの推進、製品品質の向上に貢献します。
本製品は製品開発の過程で作成される技術情報の成果物を製品構成として管理します。各部品やユニットに関連するドキュメントもユニークな番号で管理し、ドキュメント、製品構成ともにワークフローを用いることで、成果物のステータスを管理します。また、いわゆるハードウェアに分類される製品構成だけでなく、ソフトウェアの構成も一元的に管理します。
ソフトウェアを構成するモジュールは、一つのソフトウェアにとどまらず、複数のソフトウェアに組み込まれることが多く、またソフトウェアも複数のハードウェアで使用されることが多々あります。モジュールに変更が発生した際に、他バージョン、派生品及び流用品には影響があるか、どのソフトウェアに影響があるか、どのハードウェアに影響があるかを追跡し、出荷・生産に影響がある箇所を特定することが重要です。
また、これらの成果物にも番号を付与し、ステータス管理を行い、各構成要素に関連付けて管理することで、構成情報だけでなく、ソフトウェアのConfig(設定)情報や仕様の変更がどこに影響をもたらすのかを特定することが可能です。
本製品では製品を構成する様々な領域の構成を一元管理することで、影響範囲の確認を迅速、確実なものにし、意図しない関連を防ぎ、製品としての品質向上に貢献します。
ソフトウェアについては近年の高度化に伴い、ハードウェアと比較して流用や派生が多く発生します。
設計作業中のこれらの疑問を解決すべく、本製品ではソフトウェア専用管理画面を準備し、複雑なソフトウェアの構成を俯瞰的に確認し、編集する機能を有しています。
ソフトウェアは、様々なモジュールの組み合わせで成立します。また、そのモジュールは日々更新されて、ハードウェアよりも細かなバージョンで管理する必要があります。そのため、どのバージョンがどのソフトウェアで使用されているかという情報が複雑になりがちです。さらに、そのソフトウェアがどのハードウェアに組み込まれているか、組み合わせを細かなバージョン単位で管理することも重要です。
本製品では、ソフトウェア・モジュールのバージョンを「major」「minor」「build」と3つの版数単位を準備し、バージョン管理を行い、派生・流用・統合についても管理します。
また、ソフトウェア構成からモジュール、ソフトウェアを選択し、ソフトウェア専用画面を開くことで、これらの組み合わせをマトリクス形式で容易に確認、更新することが可能です。
「モジュール構成表」で、対象バージョンのモジュールがどのソフトウェアで使用されているかを「ハードウェア / ソフトウェア構成表」で、対象バージョンのソフトウェアがどのハードウェアで使用されているのかを一覧表の形で確認可能です。使用しているモジュール及びソフトウェアの他バージョンも確認できるため、ソフトウェアに対するモジュールの適用バージョン、ハードウェアに対するソフトウェアの適用バージョンをこの表内で更新することが可能です。
また、複雑な関連をわかりやすく把握するため、トレーサビリティーを視覚的確認する専用画面での確認も可能です。
従来のシステム導入においては、お客様のご要望にあわせた柔軟なシステム構築を実現するために、業務要件定義、システム要件定義、システム設計・プログラム開発、その後稼働支援計画とプロセスを踏みます。
特に、システム設計・プログラム開発に多くの時間とコストがかかる傾向にありました。
本製品では、なるべくカスタマイズを行わず、パッケージの標準機能での業務の成立を目指し、クイックな運用開始をご提供します。
一方で、同じ品目登録の画面でも管理する対象が異なる場合(製品モデルとソフトウェア等)など、どうしても標準パッケージで実現できない機能や画面についても、弊社は以下のアプローチで大幅な導入期間短縮を実現いたしました。
従来のようなカスタマイズの設計・開発に費やしていた期間を短縮可能です。
以上のような悩み事、課題を解決すべく、これまでの成果物管理システム開発、構築業務で培ったノウハウで、DIPROならではの様々な工夫を本製品に盛り込んでいます。今後はiCAD連携、VPS連携などの機能追加を行い、ものづくりの管理対象工程を広げていきます。
ご用命の際は、お客様の期待に応えられるよう努めてまいりますので、お困り事などございましたら是非一度ご相談ください。
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