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DIPROニュース

2022

10月号

2022.10.11

COLMINA デジタル生産準備 VPS
生産ライン検討のDXを推進するVPS GP4
最新機能のご紹介

「FUJITSU Manufacturing Industry Solution COLMINA デジタル生産準備 VPS (以下、VPS:ブイピーエス)」の新バージョンを7月にリリースしました。今回は、生産ラインの検討業務にフォーカスしたVPS GP4の最新機能についてご紹介します。

はじめに

昨今、製品の迅速な市場投入および生産性と品質を向上させるために、製品の試作や工程計画策定などの生産準備業務をデジタル化し、現場・現物に依存しない業務の進め方が求められています。生産ラインの検討業務では、検討した内容を素早く、的確に、誰でも理解できる形で表現することで、国内外の工場へ出張することなく生産ラインの垂直立ち上げを行うことが望まれています。

VPS GP4は、3Dデジタルデータを用いてバーチャルに生産ラインを構築し、ビジュアルでわかりやすい工程シミュレーションを実現するソフトウェアです。新バージョンであるV11L25では、バーチャルな生産ラインのレイアウトや作業情報をより簡単に手早く作り込むための機能を充実させています。以下、個々の機能強化について詳しくご紹介いたします。

歩行機能の強化

歩行を伴う作業を簡単に設定できるように、新たな作業タイプ「WALK-POSITION」を設けました。従来、歩行を伴う作業タイプには、エレメントを取りに行くために歩行する「WALK-PICKUP」と、エレメントを組み付けに行くために歩行する「WALK-ATTACH」の2種類がありました。これらは対象のエレメントを指定して歩行する作業タイプです。今回新設した「WALK-POSITION」は、特定の位置へ歩行する作業タイプです。対象のエレメントを指定しなくても、作業者をマウスでドラッグ&ドロップして移動先の位置を指定するだけで歩行作業を設定できるため、特定の位置へ歩行する作業を簡単に設定することができます。作業者の初期立ち位置へ戻る歩行も簡単に設定できます。これによりきめ細やかな歩行作業を簡単に作り込んでいくことが可能になります。(図1)

ドラッグ&ドロップで歩行 作業者の初期位置への歩行
図1:歩行を伴う新たな作業タイプ「WALK-POSITION」
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さらに、歩行実績データの取り込み機能を用意しました。経過時間ごとの人物の座標が記述されたCSVファイルをインポートし、歩行(WALK-POSITION)と停止(TEMP)の作業を生成します。富士通の映像測位ソリューションと組み合わせると、カメラの映像からリアルな人物の歩行動線を認識し、デジタルツインとしてVPS GP4上に歩行実績データを再現できます。(図2)

リアルな現場の作業者の歩行実績データと、バーチャル作業の歩行シミュレーションを比較し、作業改善につなげることも可能になります。

作業フロー別の分担編集 設計部門でPMI作成/生技部門でPMI活用
図2:歩行実績データの取り込み
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データ作り込み機能の強化

VPS GP4でシミュレーションを行うために、ラインや工程のデータを作り込んでいく必要がありますが、そのデータ作り込みを効率化するための機能を強化しました。特に、過去に作られたデータや他の人が作成したデータを流用する際の機能を強化しています。

まず、他のワークスペースのラインや工程を自分のワークスペースに追加する際に、エレメント名が重複した場合の取り込み方式を指定できるようにしました。従来は他のエレメントを自分のエレメントに置き換えて取り込む方式がありましたが、今回、他のエレメントの名前を変えて形を変えずに取り込む方式や、自分のエレメントを他のエレメントに置き換えて取り込む方式を可能にしました。これにより意図した通りにラインや工程を流用できるようになります。(図3)

図3:エレメントの取り込み方式
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また、別のワークスペースとのデータの差分を比較する差分検証機能を強化しました。ファクトリ / ライン / 工程 / 製品手順 / 作業者といった区分ごとにデータの違いを細かく確認できるため、過去に作られたデータや他の人が作成したデータと比較して、どこに変更が入ったのか容易に判断できます。(図4)

差分検証結果 差分の詳細一覧 比較元の値 / 比較先の値
図4:差分検証
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さらに、作業者情報をCSV形式で入出力できるようにしました。作業者一覧の作業者名 / 初期立ち位置 / 歩行動線色 / 手動線色を一括で取り込むことができ、過去に作られた作業者情報や他の人が作成した作業者情報を簡単に流用できます。(図5)

図5:作業者一覧の取り込み
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エレメント属性機能の強化

エレメント属性に関する機能を強化しています。エレメントリストにエレメント属性を一覧表示できるようにすると共に、エレメント検索でエレメント属性を検索できるようにしました。(図6)

「VPS Manufacturing連携」でVPS MFGからVPS GP4にデータを取り込んだ場合、VPS MFGの製造フローの拡張列の情報がエレメント属性としてVPS GP4に取り込まれるため、VPS MFGと同じ部品情報をVPS GP4でも確認できます。VPS MFGで拡張列を一覧表示したり検索したりするのと同じように、VPS GP4でもエレメント属性を一覧で確認したり、同じ値を持つエレメントを検索したりできるようになります。VPS MFGとVPS GP4を組み合わせてお使いいただくことで、より一層効果的に生産ラインの検討を行うことができます。

エレメントリストにエレメント属性を一覧表示 エレメント検索でエレメント属性を検索
図6:エレメントリスト、エレメント検索
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おわりに

以上、VPS GP4の新バージョンV11L25の代表的な機能強化内容をご紹介しました。ここでご紹介した以外にも、様々な機能追加・操作性改善を行っております。VPS GP4は、ビジュアルでわかりやすい工程シミュレーションを実現することで、生産ライン検討のDX推進に貢献して参ります。VPS GP4をお使いいただくことで、製品の迅速な市場投入および生産性と品質の向上に寄与し、お客様の更なる企業価値創出に貢献していきたいと考えております。今後ともご愛顧のほど宜しくお願い申し上げます。

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お問い合わせ先

デジタルプロセス株式会社 VPSインフォメーションセンター

E-Mail:contact-vps-info@cs.jp.fujitsu.com

TEL:03-5909-0633

COLMINA デジタル生産準備VPS GP4(富士通サイト)

(VPSビジネス部 部長SE 佐藤)

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