中国ローカルの製造業では、2000年以降、図面の3D化を展開しており、現在までに多くの設計部署で3D-CADを導入し、設計の3D化を実現しています。しかし、3Dデータの後工程での運用を基本展開していないため、後工程ではやはり2Dベースで日常の業務が行われています。3Dデータが上手く活用されておらず、その価値は発揮しきれていませんでした。そのような中で最近では、デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目され、設計部署の3D化だけではなく、後工程での3Dデータ運用の必要性も求められるようになってきました。
宇通バス様は中国のバス業界でもトップ企業です。証券市場の上場企業(SH.600066)として、宇通バス様は、交通バス、運営バス、観光バス、集団バス、スクールバス、専用車など幅広い分野でいろんな製品を製造しています。ハイエンド、ミドルエンド含む世界中様々の使用シーンに適用しています。
ここでは、宇通バス様のデータ軽量化の取り組み及び軽量化ツールVridgeRを活用した事例をご紹介します。
会社名 |
鄭州宇通客車股份有限公司 |
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本社所在地 |
河南省鄭州市管城区宇通路宇通工業園 |
創業 |
1997年 |
売上高 |
304.79億元(2019年) |
事業概要 |
バス、バス関係部品の製造・販売 |
WEB |
宇通バス様は、現在、2D設計を3D設計モードに移行途中です。以前は、設計者がCADを使い3Dモデルを作成しますが、生技、生産など後工程では2Dの図面を使ってきました。後工程側の製品の製造要件の織り込みなどを向上させるには、高性能な3Dツールが必要となっていました。
バスは、乗用車とは異なり、特殊で部品点数も多く、3Dデータが大量となり重くなります。宇通バス様の既存のビュアーソフトでは、これらの3Dデータを開くだけでも長い時間を要しており、作業効率に悪影響を与えるため業務のニーズを満たせず、3D化促進の障害にもなっています。
そのため高速レスポンスのビュアーが必要となっていました。実際トライアルした結果、DIPROのVridgeRは大規模なアッシー部品においても業務に影響しない範囲で開くことができました。操作も容易に行えるため宇通バス様のニーズを満たすことが証明され、本年の春に導入することが決定されました。
現在、VridgeRは、主に後工程の生産技術業務で使用されています。日常の作業では、VridgeRを使い、3Dモデルのビュー、部品属性確認、クリッピング、位置合わせなどの機能を使って仕事をしています。実際に操作すると設計者から、VridgeRは軽くてデータの読み込みスピードも速いとのフィードバックがありました。ただ、まだ導入したばかりのため、適用ユーザの拡大を視野に入れ、更に深い操作方法や機能などのトレーニングが必要となってきています。
今後、宇通バス様では、新車両の開発においては、更に3Dデータの活用を深く適用していき、3Dデータを中心にした“ものづくり”が必要不可欠となってきます。そのため、VridgeRとWeb版VridgeRの組み合せた利用によって設計、生産技術、製造、サービス、品質業務のあらゆる業務での3Dデータの一気通貫活用の実現に向けて、より“デジタルものづくり”が加速するものと大きく期待されています。
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