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DIPROニュース

2020

10月号

2020.10.12

宇通バス様(中国)における高性能3Dツール
VridgeR 運用事例のご紹介

はじめに

中国ローカルの製造業では、2000年以降、図面の3D化を展開しており、現在までに多くの設計部署で3D-CADを導入し、設計の3D化を実現しています。しかし、3Dデータの後工程での運用を基本展開していないため、後工程ではやはり2Dベースで日常の業務が行われています。3Dデータが上手く活用されておらず、その価値は発揮しきれていませんでした。そのような中で最近では、デジタルトランスフォーメーション(DX)が注目され、設計部署の3D化だけではなく、後工程での3Dデータ運用の必要性も求められるようになってきました。

宇通バス様は中国のバス業界でもトップ企業です。証券市場の上場企業(SH.600066)として、宇通バス様は、交通バス、運営バス、観光バス、集団バス、スクールバス、専用車など幅広い分野でいろんな製品を製造しています。ハイエンド、ミドルエンド含む世界中様々の使用シーンに適用しています。

ここでは、宇通バス様のデータ軽量化の取り組み及び軽量化ツールVridgeRを活用した事例をご紹介します。

中国では、日系企業様以外で初のVridgeRが採用されたお客様となります。

お客様の事業内容

宇通バス本社ビル
宇通バス本社ビル
会社名

鄭州宇通客車股份有限公司
ZHENGZHOU YUTONG BUS CO.,LTD.

本社所在地

河南省鄭州市管城区宇通路宇通工業園

創業

1997年

売上高

304.79億元(2019年)

事業概要

バス、バス関係部品の製造・販売

WEB

鄭州宇通客車股份有限公司 公式サイト

後工程活用の背景

宇通バス様は、現在、2D設計を3D設計モードに移行途中です。以前は、設計者がCADを使い3Dモデルを作成しますが、生技、生産など後工程では2Dの図面を使ってきました。後工程側の製品の製造要件の織り込みなどを向上させるには、高性能な3Dツールが必要となっていました。

3Dツールの要件

バスは、乗用車とは異なり、特殊で部品点数も多く、3Dデータが大量となり重くなります。宇通バス様の既存のビュアーソフトでは、これらの3Dデータを開くだけでも長い時間を要しており、作業効率に悪影響を与えるため業務のニーズを満たせず、3D化促進の障害にもなっています。

そのため高速レスポンスのビュアーが必要となっていました。実際トライアルした結果、DIPROのVridgeRは大規模なアッシー部品においても業務に影響しない範囲で開くことができました。操作も容易に行えるため宇通バス様のニーズを満たすことが証明され、本年の春に導入することが決定されました。

お客様の声

写真 1:VridgeRでの計測操作例
写真1 VridgeRでの計測操作例

現在、VridgeRは、主に後工程の生産技術業務で使用されています。日常の作業では、VridgeRを使い、3Dモデルのビュー、部品属性確認、クリッピング、位置合わせなどの機能を使って仕事をしています。実際に操作すると設計者から、VridgeRは軽くてデータの読み込みスピードも速いとのフィードバックがありました。ただ、まだ導入したばかりのため、適用ユーザの拡大を視野に入れ、更に深い操作方法や機能などのトレーニングが必要となってきています。

今後の活用予定

1.
設計レビューまたは生技レビューでは、PLMXMLファイルを活用し、軽量化されたdvx(VridgeRデータ形式)データを自動で組立てます。この上で、各種検証チェックを実施し、レビューを行います (図1)。
図 1:VridgeRによる自動組立と干渉チェック
図1 VridgeRによる自動組立と干渉チェック
2.
工程設計領域での活用
軽量化データを使い、VridgeRの中で工程の構成を再構築します。
計測、クリッピング、2D図面のエクスポートで工程表の作成を補助します(図2、図3)。

図2 工程構成の構築
図2 工程構成の構築

図3 計測、注記、そして2D図面の作成
図3 計測、注記、そして2D図面の作成

3.
サービスマニュアル作成での活用
軽量化されたデータで部品の分解図を作成し、サービスマニュアルの作成にも活用されています。
4.
モバイル端末での軽量化データ活用
生産現場の作業場所ではパソコンが少ない(ない場合もあります)ため、且つ作業者は仕事の内容に合わせて常に移動しています。さらにはペーパーレス化に伴い、作業者に配付する紙の図面もなくなりました。その代わりに、現在では3Dデータを作業者の携帯端末に配付することを計画されています。
配付する軽量化の3Dデータを携帯端末でも見られることが要望としてあります。具体的には今後VridgeRのWeb版が実現されることにより、WEBブラウザを利用して3Dデータがどこからでも見られるようになるため、結果的に3D-CADの投資を抑えることにもつながり、ユーザ拡大に加えVridgeR適用の効果も向上することになります。

今後のデジタルものづくり推進におけるVridgeRへの期待

今後、宇通バス様では、新車両の開発においては、更に3Dデータの活用を深く適用していき、3Dデータを中心にした“ものづくり”が必要不可欠となってきます。そのため、VridgeRとWeb版VridgeRの組み合せた利用によって設計、生産技術、製造、サービス、品質業務のあらゆる業務での3Dデータの一気通貫活用の実現に向けて、より“デジタルものづくり”が加速するものと大きく期待されています。

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お問い合わせ先

製品・サービスに関するお問い合わせ
(迪普勒(北京)信息技術有限公司 技術部 文 章)

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