NX1899 CAMはユーザインターフェースおよび機能面の改善により、オペレーションパラメータ設定の操作手数が削減されております。また、従来では非常に手間のかかっていた操作を1コマンドで実行できるオペレーション間のパラメータ比較機能や、ユーザー様より要望をいただいていた同時5軸による荒加工オペレーションが追加されています。
ここでは操作性の改善となる「オペレーションダイアログのデザイン変更」、新機能として追加された「オペレーションパラメータの比較」「複数軸荒削りオペレーション」「オンラインポストサーバ『Post Hub』の参照」についてご紹介します。
オペレーションダイアログのデザインが改善され、エクスプローラスタイルになりました。これにより、オペレーションパラメータは「ノード」と呼ばれるリストでカテゴリごとに整理され、画面へ一度に表示されるパラメータ数が削減されたため、ダイアログが見やすくなりました。
またデザイン変更に伴い、オペレーションパラメータ設定時のサブダイアログへの移動回数が大幅に削減されました。主要パラメータは全てメインダイアログ内で設定可能となっており、操作性が向上しました。(図1)
同タイプの2つのオペレーションパラメータを比較し、差分を表示する「オブジェクトを比較」コマンドが追加されました。
NXメニューの「オブジェクトを比較」を活用し、比較元と比較先のオペレーションを選択して「オペレーションを比較」ボタンを押すと、両オペレーション間のパラメータ差異を一覧で比較表示します。この時、比較先のオペレーションは作業パート以外のパートファイル内からも選択することが可能です。また、この画面で比較元のパラメータを直接編集することができます。(図2)
この機能は、ツールパス検討時やシミュレーション、トライアル時に「複数オペレーションでパスの動きが異なるが、どのパラメータの違いによるものかわからない」といった際、パラメータ設定の違いを容易に確認できるため、工程の見直し・編集に役立ちます。
「複数軸荒削り」オペレーションが追加され、従来の機能では対応していなかった曲面状のワークに対する同時5軸荒加工のツールパスが作成可能になりました。
加工方法については「フロア面のオフセット」「天面のオフセット」「天面とフロア面の補間」のいずれかのオフセット方法の中から選択可能で、ツール軸は加工対象面に対し常に垂直な向きを保ちます。また、切削パターンとして従来の「パート従属」の他、工具の負荷を均一にする切削パターンである「アダプティブ」にも対応しています。(図3)
「複数軸荒削り」により、モデルにマッチした荒加工パスを簡便な操作で作成できます。
NXの開発元よりポストプロセッサ用のクラウドサーバ「Post Hub」が公開されました。
NX CAMのお客様は無料でPost Hubにアクセスでき、様々な工作機械・コントローラに対応する1,000種類以上のポストプロセッサが使用可能です。各ポストプロセッサには概要やサンプルGコードなどのドキュメントが含まれており、ポストプロセッサをインストールする前に詳細情報を入手できるため、必要な要件を満たしたポストプロセッサであることを確認した上でインストールを実施できます。
またPost Hub内のポストプロセッサはPost Configuratorを使用して作成されており、ダウンロード後にお客様で設定変更されたものもご利用可能です。
Post Hubの使用により、新しい工作機械へのNX CAM適用が容易になります。
ここで紹介した以外にもNX1899は様々な新規機能・機能改善でさらに使いやすくなっており、加工における準備業務のさらなる工数削減が期待できます。
DIPROではNX CAMの操作教育やポストプロセッサ構築、NCプログラム作成等のサービスによりお客様を支援させて頂きます。加工業務に関するお悩みがございましたら、お気軽にご相談ください。
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