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DIPROニュース

2020

1月号

2020.01.10

事例紹介 Liイオン電池システム開発支援サービス

動力用Liイオン電池の基礎教育のご紹介

弊社ではLiイオン電池システムの開発支援を行っています。従来からこの一環として、大容量・高出力の動力用を主眼としたLiイオン電池の基礎教育講座を開設しています。その内容は、電池の原理から適正処分まで網羅したものですが、一般の学術参考書と異なり開発実務者が直面するであろう諸課題や不具合の解説も含めたものとしています(下表)。

動力用Liイオン電池の基礎教育表

お客様の開発フェーズやニーズに合わせて上記の中から取捨選択して受講していただいていますが、概ね開発着手に当たって関係者様の技術レベルの底上げや専門用語の共有に活用されています。

基礎教育資料ダイジェスト版登場!

お客様から、「全講座を受講するのは期間がかかる」、「広く浅くで良いから全般的な講座をしてもらいたい」等のご要望を多数いただいていました。

この度、全講座からエッセンスを厳選抜粋したダイジェスト版を作成し2日間の講座を開設しました(右表)。既に数社様が受講され、電池システムの知識を幅広く知ることができるとご好評いただいています。

弊社としては、電池開発者以外の企画や品質保証、購買、サービス業務に従事されている方にも受講していただき、お客様の電池知見の底上げ、電動化推進に貢献したいと考えています。

ダイジェスト版受講事例1(Tier 1、G社様)

G社様からはDMS展(設計・製造ソリューション展)でお声がけいただきました。

電池周辺システム或いは部品のサプライヤとして、商品力の向上と事業拡大を目標にしておられます。このためには、開発関係者に電池そのものの知識が必須であるため受講を希望されました。

電池システム構築にはセル形式毎の利害得失の知識が必要です。G社様は特にこの点について解説を要望されたため、資料を追補し、より充実させた内容で受講いただくことができました。

ダイジェスト版受講事例2(材料メーカ、H社様)

1.電気自動車の概要 2.電池の概要 3.Liイオン電池の構造 4.性能検討 4-1.電池性能の基礎 4-2.EV用電池の性能設計 4-3.HEV用電池の性能設計 5.システム検討 6.信頼性検討 7.輸送対応 8.試験・評価 9.リユース・リサイクル対応 10.市場対応 11.コスト検討

H社様は人とくるまのテクノロジー展に来場いただきました。

H社様は既存技術を電池の部材向けに用途開発することを企図しておられます。ただ、電池の知見はお持ちではなかったため、その既存技術の特性と電池の特性との関連性はご不明な状況でした。

H社様のご事情を考慮し、電池システム全般だけでなく、特に上記部材の機能、要求特性や商業的な要求規模を解説し、お客様のご要望に応じた教育内容をご提供させていただきました。

講座受講の結果、上記用途開発の課題や難易度を関係者間で共有できたことを評価いただき、引き続き開発の支援をご要望いただいています。その技術を電池に適用できれば、エネルギー密度やパワー密度の向上が期待できます。弊社として材料開発支援は初めてのケースですが、ご期待に応えられるように努めたいと考えています。

本編(電池基礎)受講事例(OEM、I社)

I社様は以前から別件で弊社サービスをご利用いただいているお客様です。

電動車両も開発されていますが、電池は購入物の位置づけであるため、関係者全体としては電池についての知識は不足しておられました。

この会では電池以外の幅広い分野からもご参加いただき総勢100人規模での講座となりました。内容も大変ご満足いただき、引き続き他講座についても実施予定です。また業務支援についても、ご相談をいただいています。

開発支援事例(Tier1、J社)

J社様も以前から別件で弊社サービスをご利用いただいているお客様です。

自動車の電動化電子制御化が急速に進む中、電源系での新しい付加価値実現と商品化を企図して先行開発を行われています。

この新しい付加価値実現のために、今までにあまり無かった電池の使い方が求められています。この新しい電池の使い方に対応した、システム設計、性能設計、寿命予測、評価確認は手探りの状態だったため、弊社のサービスをご要望いただきました。

弊社では、自動車用途の開発経験(大容量、高出力、長寿命、高信頼性、安全、耐気候性、法規適合 etc.)から様々な条件や要求への支援を承っています。現在、一次案については実用化目途が立ってきたとのことで、引き続きバリエーション検討のご支援をさせていただいているところです。今後も商品化実現までご協力させていただきたいと考えております。

今後

以上のようにご好評をいただいている電池基礎講座ですが、「モータやインバータなど他の電動ユニットの教育もして欲しい」とのご要望を多数いただいています。そこで弊社は電池基礎教育に続いて、モータ・インバータ基礎教育講座の開発にも着手しました。

2020年度下期を目途に開発を完了し、電池、モータ、インバータの3大電動ユニットの基礎教育講座を揃えたいと考えています。ご期待下さい。

(AEビジネス部 課長SE 大上)

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