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DIPROニュース

2018

12月号

2018.12.11

ポートフォリオで統合製品力を強化 Solid Edge
2019

EDA(電子設計自動化)ベンダー大手のメンターグラフィックスの買収により、Solid Edgeの開発元シーメンス社は機械設計の領域だけでなく電気設計の領域までカバーするポートフォリオ(製品群)を獲得しました。
このメンターグラフィックスの技術を活用した電気設計を行うオプションがSolid Edgeにも提供されます。この結果Solid Edgeは、従来の機械設計、製造、解析、データ管理だけではなく、電気設計まで含んだ設計製造にわたるすべてを行うことができる製品群となりました。

このような大きな変化を伴う今回のバージョンアップに際して、Solid Edgeは従来のSynchronous Technology 1~10(10は本年2月リリース、略称ST1~10)という呼称から、西暦の年号形式に変更します。

本稿では、2019年初頭に当社からのリリースを予定している新しいSolid Edge 2019のEDAを中心とした主要新機能のご紹介をいたします。

EDA機能

シーメンスがメンターグラフィックスと統合した一番のメリットは、EDA(電子設計自動化) ツールの獲得により、機械設計だけでなく電気設計まで統合的に提供できるベンダーとなったことです。電子・機械両方の設計ツールを統合して提供するため、より高いレベルで電気・機械の協調設計を行えるようになります。

今回提供するEDA機能は、電装設計、PCB設計向けの新たな3つのオプションで構成されます。電装設計オプションに関しては、メンターグラフィックスの電装設計ツールであるVeSysをベースにSolid Edgeとの連携性を向上した専用ツールです。また、EDAツールはSolid Edgeを必要とせず単独で動作するツールとなっています。

Solid Edge Wiring Design

Solid Edge Wiring Designは、直感的な操作で論理概念図・電気配線図を作成できるツールです。
ツールに統合されたシミュレーション機能により設計内容を検証することができ、設計品質の向上や試作後の手戻りのリスクを最小化できます。

またSolid Edge Electrical Routing(旧名称 Solid Edge Wire Harness Design、Solid Edge内で3Dの電気配線を生成するオプション)と同時利用することにより、Solid Edgeと”接続モード”で利用することができます。この”接続モード”はネットワークを介して、別のマシン間でもつなげられる機能で、EDAの設計情報とSolid Edgeの情報のやりとりを行い、電気・機械の協調設計をより効率的に行うことができます。

Solid Edge Harness Design

Solid Edge Harness Designは、直感的な操作でハーネス2Dレイアウト図面や製造用の実寸大のフォームボード(ネイルボード)をスピーディに設計できるツールです。部品の自動選定や製造用レポートの生成などの機能を利用することにより、設計プロセス内の多くの手順を自動化し、設計期間を短縮できます。

Solid Edge PCB Design

PCB Designは回路設計を行うモジュールです。本製品に関しては製品未発表のため、詳細が分かり次第ご紹介させていただきます。

モジュール式のプラント設計と機器レイアウト

従来からの機械設計機能においてはプラント設計が大きく強化されています。プラント設計では、まずP&ID(配管計装図)を作成して、配管全体のシステムの論理的な検討を行い、その後実体としての装置配置や配管の設計を行います。これらのプロセスを効率的に行い、最終的に製造指示用の配管アイソメ図の作成までを行うオプションが追加されました。

Solid Edge P&ID Design

Solid Edge P&ID DesignはP&ID(配管計装図)を作成するオプションです。シンボルやフローダイアグラム機能を用いて効率的に作成できる他、作成したデータをSolid Edge Piping Designに渡して、3D配管設計につなげる機能を持っています。2DのP&ID検討だけにとどまらず、実際の3Dの状態での配管設計まで効率的に行えます。

Solid Edge Piping Design

Solid Edge Piping Designでは、Solid Edge P&ID Designから情報を受け取り、3D部品ライブラリを使って3D配管設計を自動的に行えます。また、作成された3D配管設計情報から、製造に必要な配管アイソメ図を作成できます。

Solid Edge P&ID DesignとSolid Edge Piping Designを使えば、配管設計の上流から下流までを効率よく行うことができます。

数多くの新機能を搭載したSolid Edge 2019は来年初頭の出荷を計画しております。
Solid Edge の製品サイト

(第一エンジニアリングサービス部 課長SE宮沢)

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