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DIPROニュース

2017

8月号

2017.08.10

DIPRO VridgeR 新機能開発への取り組み

はじめに

弊社プロダクトであるDIPRO VridgeR(以下VridgeR)は、皆様に広くお使いいただける3Dツールとして様々な業務に活用できるよう機能開発を行っております。今回は、VridgeRの次期リリース機能をご紹介すると共に、VridgeRが特定の業務に特化せず、汎用的なツールであるための考え方とその利点についてご紹介いたします。

業務でソフトウェアを使用する際、ユーザーは用途に合わせてソフトウェアを選定し、検討に必要な条件をソフトウェアに入力する必要があります。ソフトウェアで業務専門性の高い処理を行おうとすると、設定項目は増えていく傾向にあります。これはソフトウェアを活用して効果を出さなければならないユーザーにとって大きなジレンマとなります。なぜなら、複雑な設定が多いことは、期待する結果を得るために時間を要してしまうからです。例えば、生産工程を検討する専用ツールは、設備および工具データの事前準備や、動き・作業速度などの検討に多くの項目を設定する必要があります。これにより、必要な検討結果は得られるかもしれませんが、事前準備に時間を要するほか、必要ない結果のために準備作業に時間を費やすことも発生してしまいます。

VridgeRは特定業務に特化するための設定定義を行いません。いかに機能を汎用的に利用可能にするかにこだわります。これにこだわることで見えてくる利点もあると考えます。

VridgeR次期リリース機能ご紹介

現在VridgeRでは、お客様からのご要望により生産設備の検討機能を開発しております。具体的には、製造に必要な工具・設備データを配置し、工具・設備が入るか、製品との干渉はないかの検討を3Dデータ上で行いたいというものです。必要な設備の配置箇所は数百箇所に及ぶため、設備データを部品の狙った位置に一つずつ手動配置し、部品の干渉を確認するには、膨大な時間を要していました。このご要望に対して、部品レイアウト機能の機能追加と干渉チェック機能の改善を行っています。

部品のレイアウト機能においては、指定した複数箇所に設備データを同時に配置する機能を実装する予定です。この機能では、工具の登録という専用の設定を行うことなく指定された部品の複数配置機能として実現しました。指定するのは、配置する部品と配置する場所、そして配置する部品のどこを配置の基準とするかです。配置する基準点を自由に設定できることで、どのような形の部品でも対応でき、工具の配置だけでなく、ねじの配置などにも利用できる機能となりました。

干渉チェック機能においては、配置した工具の先は必ず部品に接触しているため無駄な干渉結果が検出されるという問題がありました。この問題を解決するために、特定部品の特定箇所について結果を除外する設定を追加する予定です。この機能でも、工具の登録は必要なく、特定部品の特定箇所を除外するという設定をすることで、工具だけでなくケーブルの留め具やEリングなどを干渉結果から除外したいケースにも利用できる機能となりました。

図1、部品レイアウト機能の実行イメージ
図1、部品レイアウト機能の実行イメージ
ボルトの位置にスパナを自動配置している。
図2、干渉チェックの除外箇所設定イメージ
図2、干渉チェックの除外箇所設定イメージ
赤枠の内部は干渉チェック計算から除外される。

3D活用の発想を広げるツール

製品開発を進める上で、3D活用が進むほど専用ツールは必要となるでしょう。一方で、専用ツールを使用するほど必要な設定は増えていき、手軽さや汎用性が失われていきます。VridgeRは業務を深く理解した上で、機能1つ1つは汎用性を維持しながら自由に組み合わせることで様々な場面で活用できることを大切にしています。

例えば、今回ご紹介した部品レイアウト機能と干渉チェック機能を組み合わせた生産設備検討や、アニメーション作成機能と干渉チェックを組み合わせた機構の動作確認、同色面選択機能と選択面の表面積計算機能を組み合わせた塗装面積算出など、様々なシーンでご活用いただける方法をご提案してまいります。

VridgeRをお使いの中で、「もうちょっと」と感じることがあればご一報ください。3D活用の発想を広げるためのご意見をいただけますと幸いです。

DIPRO VridgeR の詳細はこちら

(3D技術ソリューション部 松村・宍戸)

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