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DIPROニュース

2005

5月号

2005.05.10

愛・地球博に寄せて

デジタルプロセス株式会社 名古屋事業所のある愛知県で『愛・地球博』こと『2005年日本国際博覧会』が2005年3月25日から2005年9月25日までの185日間で開催されています。

“自然の叡智”がテーマである『愛・地球博』の長久手会場を4月19日に視察してきました。たくさん書きたい事があるのですが、ページ数の関係で特別に紹介したい項目を4つのコラムにしてみました。

  • 会場紹介
  • 地球に優しい環境作りの取り組み
  • 人とロボットが手を取り合って
  • 三菱未来館@earth ~もしも月がなかったら~
  • 終わりに・・・

愛地球博探険記

1. 会場紹介

万博は大きく分けて7つのゾーンに分かれています。

企業パビリオンゾーン テレビでよくとりあげられる有名企業出展のパビリオンが集まっています。人気が高く、2時間待ちが複数箇所ありましたが、万博の思い出として見ておきたいゾーンだと思います。
グローバル・コモン 世界各国の出展パビリオンが集まっており、会場内6箇所に点在しています。
パビリオン数が多く一日で回りきることは難しいかもしれませんが、各国趣向を凝らしていて、展示等からお国柄を垣間見ることができると思います。
センターゾーン 話題の『マンモス』と広場からなり、巨大フードコートやラジオ局などもあります。
日本ゾーン 名古屋市パビリオンの『大地の塔』を中心に日本をテーマにしたゾーンです。
遊びと参加ゾーン 小型遊園地やロボットステーションなど小さなお子さんも楽しめるゾーンです。
他のパビリオンのような派手さはありませんが、『モリゾー・キッコロメッセ』では期間ごとにさまざまなイベントが開催され、身近な環境問題対策や生活に密着した展示を楽しむことができます。
森林体感ゾーン 万博会場の約半分を占める森林部分で、『日本庭園のある茶室』やサツキとメイの家があります。
都会の喧騒からしばし離れ、自然に触れることができると思います。
里山遊歩ゾーン 瀬戸会場にあり閉門が長久手会場より早いので、ゴンドラかバスにて早めにいくことをお勧めします。

会場内はボランティアを含めスタッフが多数配置されており、わからないことは親切に対応してくれました。パビリオン入場にはゴールドエイジや車椅子優先枠も設けられており、車椅子の方も多数来場されていました。

2. 地球に優しい環境作りの取り組み

地球に優しい環境作りの取り組み

地球に優しい環境作りの取り組み

環境博とも言われている今回の万博では、あらゆるところで地球に優しい環境作りをしていました。たくさんある中の数点をご紹介します。

まず、会場に入って目に付くのはゴミ箱の量です。ほとんどのトイレの前にゴミ箱が設置してあります。

多数のゴミ箱は、「燃えるごみ」「生ごみ」「プラスチック類」「割り箸」「新聞等」「紙コップ等」「飲み残し水」「ペットボトル」と8種類に分別して破棄するようになっています。ゴミを破棄する際にボランティアの方がサポートしてくださいます。会場で破棄されたゴミは、ボランティアの方達の協力により、再利用の有効的な資源となります。

そして飲食店では、食器に資源材料「バイオマス」を使用していました。それは、植物由来の材料(トウモロコシ等を原料とするポリ乳酸、でんぷん)に多く依存しているようです。

この取り組みは、『愛・地球博』のサブテーマでもある「循環型社会」の部分に大きく関わっています。食器としての機能を果たした後、土に埋めることで、自然界の微生物により、水と二酸化炭素に分解され、自然に還るそうです。

3. 人とロボットが手を取り合って

接客アクトロイド

接客アクトロイド。近寄らないとロボットだということがわからない程精巧です。

想像以上の広大な敷地面積と会場を訪れる人の多さにも驚きました。それにもかかわらず、ゴミ一つ落ちていない道路。笑顔の来場者。

このような環境を維持する為の労力は多大なものであり、人の力だけで全てを補おうとするには非常に大変なことです。

そこで、今回の愛地球博では数多くのロボットたちが人間をサポートする形で活躍しています。自動で道を清掃してくれる清掃ロボットや、接客をしてくれるロボットは既に稼動しています。

また、チャイルドケアロボットや車椅子ロボットなど、次世代型ロボットも多く展示されています。

近い未来我々の生活を手助けしてくれる、頼もしい仲間に会いに行ってみませんか?

パビリオンの接客ロボットwakamaru

パビリオンの接客ロボットwakamaru。ボケもツッコミも見事にこなします。
清掃ロボットSuiPPi(スイッピ)ゴミ分別を手伝ってくれるスタッフ

清掃ロボットSuiPPi(スイッピ)とゴミ分別を手伝ってくれるスタッフ。ロボットスタッフも人スタッフも、万博開催を支える縁の下の力持ちです。

04. 三菱未来館@earth ~もしも月がなかったら~

三菱未来館@earth ~もしも月がなかったら~

自社の成果をアピールする企業が多い企業パビリオンの中で、ニール・F・カミンズの著書『もしも月が無かったら・・』をテーマとし、現在の地球の奇跡を表現した三菱未来館では【自然の叡智】という万博全体のテーマを持つブースとして興味を引かれたパビリオンの1つです。

三菱未来館では、現在の地球の奇跡を巨大映像シアターで映像物語が展開されます。物語は、月が生まれた仮説から始まります。生まれて間もなかった頃の地球に、ある日地球の半分ほどの小惑星が衝突し、砕けた地球の一部とその小惑星が月となり、地球の周りを回るという地球と月の奇跡の関係が始まります。月の衝突により、地球の自転もゆるやかになり、海の潮の満ち引きも発生し、生き物たちが生きていける環境となり、現在の地球環境へと変化していきます。

もしも月が無かったら、地球の自転はもっと早く、1日が8時間程度しかなく、風速300mを超える強風が吹き荒れる恐怖の星になっていただろう、まして人間が生まれることは不可能に違いなかっただろうという迫力満点の感動シアターでした。

『もし地球に衝突した小惑星がもう少し大きかったら、1日は24時間ではなく、もっと長い時間になっていたのだろうか?そしたらもっといろんな事が出来たかもしれない・・』とか『でも、地球そのものが無くなってしまったのかもしれない』とか現在の環境の奇跡に打ちひしがれている中、少し気になることを思い出しました。

6億人でジャンプ!

ニール・F・カミンズ氏

地球の温暖化を防止するために、ある科学者が興味深い内容を発表しました。『地球の軌道を少しずらす事が出来れば、地球の温暖化は回避される』というものです。その科学者が計算した結果によると・・・

『6億人の人間が地球上で同時にジャンプすると地球の軌道が変わり、温暖化が止まる可能性がある』のだそうです。

これに賛同する人々が続々集まり、2006年7月20日の何時何分に世界中のみんなでジャンプしようというサイトも出来、みんなでジャンプ宣言をしています。たった1人が地球上でジャンプしても地球が揺らぐような事はありませんが、大人数で一斉にジャンプする事で地球をも動かすパワーを発揮できるという事実に驚きを覚えました。

1人では到底出来ないような事が、多くの人が協力しあえば想像も出来ない様な力を発揮する事ができる。これは環境問題でもビジネスの世界でも同じなのですね。DIPROの成長も地球の環境と同じように、限られた人間の手によってではなく、お客様・社員・協力会社員などDIPROに関わる全ての人たちの力によって支えられているのだと、深く心に刻み企業ブースを後にしました。

05. 終わりに・・・

レポーター

レポーター

この『愛・地球博』では、地球と人類の過去・現在・未来がシンプルに分かりやすく表現してあります。

人として当たり前のように生きていく中で、全てが必然的であったように思える現代。今回の視察で、過去に地球が偶然出来上がっていたことに感銘を受け、現在の世界の人口を満員電車のようにしてあつめると、東京都に納まってしまうことに驚き、未来にはたくさんの可能性があるということを知りました。

近年、世界各国で天災地変が相次いで発生し、たくさんの被害が出ています。地球と人類が共存していく以上、このような事態は避けられません。

そんな中、人類は国境を越えて助け合い、地球と共に生き、平和を保つため様々な取り組みがなされています。 『愛・地球博』では、世界中の土地のすばらしさを世界中の人々に伝えるために出展しています。その土地の文化との交流を深め、人類みなで手をつなぎ、最先端科学に触れながら地球のこれからを考えるきっかけとなるイベントとして、一度足を運ばれることをお勧めします。

レポーター:中島綾香、熊沢幸恵、勝崎里恵、山本愛美
(名古屋事業所長 川見 昭)

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