少子高齢化により生産年齢人口の減少が深刻化する中、生産性向上や競争力確保のため、日本の製造業界においても既存のワークスタイルを見直し改善する必要性に迫られています。このような背景のもと、多くのお客様が社内の「ワークスタイル変革」に取り組んでいます。今回は「ワークスタイル変革」を支援するTeamcenter機能をご紹介します。
2017年春にActive Workspace3.3がリリースされました。「シンプルで直感的なPLM情報をいつでも、どこでも、お好みのデバイスで」がコンセプトであるActive Workspaceは、デスクトップ、タブレット、スマートフォンでブラウザーを開きアクセスするだけでTeamcenterをご利用いただけます。社内の様々な利用者が手元のデバイスで、3D形状や図面、機能仕様書・作業手順書などの情報にアクセスでき、時間や場所にとらわれないワークスタイル環境が実現します。更にActive Workspaceは今後も新しいニーズを吸収し、機能拡張が活発に進んでいきますので、利便性は益々向上します。Active Workspaceの利活用が、フレキシブルなワークスタイル実現へ導く術になると大いに期待できます。
Active Workspace3.1-3.3の新機能の一部をご紹介します。
構成ナビゲーション機能がよりスムーズになりました。構成選択や展開機能が拡張されたことにより、アセンブリまたはサブアセンブリの子パートまたは親パートへのアクセスが容易になりました。また、利用者の更なる利便性向上のために、リッチクライアントと同等の構成ツリー展開機能が追加されることが、今後のリリースで計画されています。構成ナビゲーションの拡張により、企画・営業の場でもタブレットを使って客先に要望された製品を探したり、自社製品をお客様に提案するシーンにおいて、更に利便性が向上し使いやすくなっています。ビジネス現場のワークスタイルの改革は、顧客対応力の強化や新たなビジネス機会創出につながるのではないでしょうか。
属性をMicrosoft Excelにエクスポートして、Teamcenter とExcel の連携機能により属性を編集し保存します。変更した属性値がリアルタイムにTeamcenterに反映されます。 Excel感覚で手軽に属性を編集可能で、編集作業の効率化が実現します。設計・開発部門以外のユーザでも日頃使い慣れたExcelからTeamcenterへアクセスし作業ができるようになり、個々の生産性が向上します。更に、幅広いユーザがPLMを活用できるようになることで、営業・企画・生産現場でのPLMの活用が活性化され、異部門間の壁が低くなります。これにより、部門内、部門間の連携/協働が強化され、企業全体の生産性が向上します。
リストから選択した複数の部品の属性値を、テーブル内で比較することができます。比較対象の属性を設定可能であり、複数部品で共通する属性の値を比較、チェックする際に便利です。各部門の作業を現場で完結できるために、モバイルワークスタイルに向けた機能を強化することで、従業員の時間の無駄が減り、本来求められる業務に集中できます。
検索結果をドリルダウンして必要な情報を素早く見つけることができます。Webショッピング時の条件で絞る感覚で検索対象となる情報に辿りつくことが可能です。Active Workspaceの強力な検索機能とフィルタリング機能を活用すれば、従来のTeamcenterでは検索が難しい有益な情報を素早く取得することができます。また、営業・企画・設計・生産と、様々な現場で新機能による情報取得が可能ですので、各現場や部門間のコミュニケーションが活性化され、意思決定スピードが向上します。激化する企業間の競争では、情報共有や意思決定のスピードの差が勝敗を大きく左右します。どこからでもタイムリーに情報共有できるワークスタイルの環境構築は、これからの企業競争力向上のためには必要不可欠です。
時間や場所にとらわれず様々な利用者にPLMを活用していただくため、今後も利便性向上を目指しActive Workspaceの機能強化が進んでいきます。お客様のフレキシブルなワークスタイル環境への適用支援に欠かせない製品を目指し成長し続けますので、ご注目下さい。
Active Workspaceの他にも「ワークスタイル変革」をもたらすTeamcenter機能があります。Teamcenterの利活用で「ワークスタイル変革」を実現したお客様の事例を2つご紹介します。
グローバル事業を展開しているお客様で、それぞれの拠点でデータを管理されていました。各拠点の担当者ごとにデータの授受を行っていたため、データ共有に時間と工数が発生することが課題でした
クラウド上にTeamcenterサーバ環境を構築し、グローバル拠点のデータを一元管理しました。その結果、日本と海外拠点との最新情報をリアルタイムに共有することが可能になりました。また、クラウドサービスを利用したことで、初期投資の抑制と維持コストが削減されました。更に、日本が稼働時間中にTeamcenterに保存した設計データを、海外拠点が稼働時間になった時に、そのまま引き継いで作業することにより、時差を有効活用した24時間稼働を実現しています。
お客様はグローバル環境での開発リソースを有効活用したことで、情報伝達がスピードアップし、海外スタッフとのコミュニケーションが円滑になりました。Teamcenterの利活用により、グローバルコミュニケーションを強化する働き方が実現しました。
このお客様は、多数のバリエーションの製品構成をフォルダで管理されていました。この時に最新データの収集やレイアウト検討に膨大な工数がかかる等の課題があり、その影響により、非効率な作業が繰り返されていました。
お客様は、フォルダ管理から、Teamcenterを使った一元管理に切り替えました。最新データが素早く検索できるようになり、データの重複コピーも削減されました。これにより、データ収集/整理という雑務から解放され、本来業務に集中できるようになりました。また、Teamcenterのビューア機能で、複数の車種を横並びでレビューしたり、部門をまたいだ協働作業によるレビューも実現したことで、レビュー時間が大幅に効率化されました。更に、Teamcenter上でPDQチェックを行いCADモデル品質が標準化されたことで、後工程からの手戻りが削減され、業務効率が向上しました。
お客様は部門や工程をまたいでデータを有効活用したことで、品質の標準化を図り、開発コストを削減することができました。Teamcenterの利活用により、生産性向上への変革を実現しました。
ご紹介した事例のように、お客様は「ワークスタイル変革」に着手し業務環境を改善することで、限られたリソースの中でも生産性の向上と業務効率化を実現されています。また、お客様は更なる「ワークスタイル変革」を目指して、次の改善活動にも取り組んでおられます。DIPROはお客様のベストパートナーとして貢献できるよう、豊富なTeamcenter機能の中から課題に合った最適なソリューションを提案すべく努めて参ります。今後も成長を続けるTeamcenter及び、DIPROをよろしくお願いいたします。
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