DIPRO VridgeR(以下VridgeR)は、革新的な3D表現の技術により、超高速・高性能な大規模DMU(デジタルモックアップ)ツールとして、航空機や自動車、建機、造船業界のお客様に先進的な業務スタイルをご提供しています。また、2013年に発表いたしましたコンセプト「データ衝ビューワ」では、3D図面からものづくり情報を読み解き、可視化することで3Dデータによる見積りや生産要件の検討・検証業務等を支援してまいりました。
この度、VridgeR新バージョンV4.5を2017年12月より提供開始いたします。新機能の概要と特長をご紹介いたします。
アニメーションに対して動的干渉バッチ機能を実行することで、複数部品が相互に関連しながら動作するモデルの動的干渉チェックを実現しました。さらに、アニメーション作成バッチ機能により、アニメーションの作成/再設定が自動化されます。
従来、VridgeRの動的干渉チェックは、1部品の動作に対するチェックのみで、複数部品の動作には対応していませんでした。また、複数の部品を同時に動かしながら組立手順などを動画で表現するアニメーション機能も、一つ一つの動作を手動で設定するため、アニメーション自体の作成に多くの時間を必要としました。
今回、アニメーションに対して動的な干渉チェックを可能にしたことで、複数部品が相互に関連しながら動作するモデルの動的干渉チェックが行えるようになりました。動的干渉チェックの対象となるアニメーションについても外部の動作設定ファイルからアニメーションの設定/再設定を自動的に行えるようにしました。
これにより、型や工作機械の動的干渉検討を短時間で繰り返し実行できるので、設計品質の造り込みに活かせます。
アニメーション作成バッチ機能は、移動部品と移動量/回転量、動作タイミングを指定した動作設定ファイル(.csv)を元に、3Dモデルに対してアニメーションを設定します。これにより、同じ動作の複数部品に対して、まとめてアニメーションが設定でき、また、繰返しアニメーション作成を行う場合に、前回使用した動作設定ファイルを用いることで、効率的にアニメーション行を作成することができます。さらに、設計変更で部品が差替わったとしても、動作定義ファイルから簡単に設計変更の影響をアニメーションに反映できるようになりました。
動的干渉バッチ機能は、VridgeR上で設定したアニメーションの動きに対して動的な干渉チェックを行います。これにより、複数の部品が同時に動作する場合にも動的な干渉チェックが行え、金型や機械装置全体での動的検証が可能になります。
結果は、干渉毎に一覧で表示され、干渉状態の発生から終了までを確認できます。例えば、金型のスライドなどの機構部品で、動作タイミングのずれによって発生する干渉を抜け漏れなく確認できます。
V4.5では、指定した複数位置に対象部品を一括配置できるようになりました。これにより、ボルトなどを一括配置することができ、製品モデルにボルトが配置された状態での検討を直ぐに実行していただけます。
VridgeRに読込まれている全モデルを常に表示する俯瞰ビューを追加しました。これにより、注目している部品や断面が、製品モデル全体とどのような位置関係にあるか、把握し易くなりました。
また、ドッキングウインドウ機能を改善しました。今回、ドキュメントバー/コントロールパネル内の部品情報やクリッピング、寸法等のタブ単位で位置移動、表示非表示切り替えが可能となり、検討を進めるための見やすい画面構成を自由に設定できるようになりました。
表面積機能を改善し、選択した面毎に面積を計測できるようになりました。これにより、塗料や接着剤等の塗布面積を正確に素早く求められます。
肉厚の計算結果に対して、最大肉厚量箇所と頻出レンジでの平均肉厚量が表示されるようになりました。これにより、樹脂成形品でヒケやボイドの発生原因となる厚肉箇所や意図通りの平均肉厚で設計できているかを直ぐに確認できます。
以下のCADバージョンに対応し、お取引先様や部門間で授受される最新のファイル形式を読込めるようになりました。
今回ご紹介した機能の他にもUndoなどお客様からの声を元に24項目の機能を追加・強化いたしました。新機能の詳細やご不明な点などございましたら弊社までお問い合わせください。
PICK UP