iCADの技術はどこまで世界に通用するか。6月11日~14日の4日間、カナダのオンタリオ州ナイアガラフォールズで開催されたCAD'12でプレゼン発表と製品展示を行いました。
CAD'12(CAD Conference)は国際的なCADの学会で、毎年開催となった2004年より数えると今年で9回目となります。モデリング、解析、グラフィック処理やデータ管理などの幅広い分野で世界中の研究者が発表を行いました。製品展示も多岐に渡り、われわれiCADのようなCADソフトウェアを始めとして、CAMソフトウェア、モデリングライブラリ、ライセンス管理ツールのベンダー・販社が参加していました。
今回の発表タイトルは「Ultra Fast 3D CAD Engine」です。他のベンダーは自社の製品紹介でしたが、われわれはiCADの考え方と技術をぶつけ、参加者とディスカッションすることにしました。
一般的なCADのデータは非常に重いため、機械装置全体を扱えません。これは自由曲面を含む部品形状も対象としたB-repという方式を採用しているからです。しかし機械装置には自由曲面はほとんど含まれないためこの表現形式は最適とは言えません。
一方iCADはCSGテクノロジーを採用し、機械装置設計に特化した3D CAD Engineを実装することでデータ量の問題を解決しています。立体、円筒や円錐などの基本プリミティブを合成するiCADのデータ構造は、解析曲面で構成される機械部品を表現するのに最適な方式です。一般的なCADと比較して、データ量を1/50まで大幅に削減することに成功しました。またこれにより、100万部品にもなる超大規模データを0.2秒で処理する超高速レスポンスを実現しています。
これを証明するため、発表の最後に、20万点の製造装置を用いたデモ動画によりiCADの高速レスポンスをお見せしました。学会参加者のみなさんが興味津々で見ている様子が印象的でした。
質疑応答では、iCADの高速表示処理や形状表現方式などについて多くの質問をいただきました。また中には、デモ動画を見ただけで、高速表示の方式を推測し質問する研究者もおり、思っていた以上に充実したディスカッションをすることができました。
今回、単に学会に参加するだけではなく、発表と製品展示を行うことで、発表後にプレゼンルームや展示会場でも多くの参加者とディスカッションする機会に恵まれました。そして、世界の幅広い分野の研究者からさまざまな貴重なご指摘をいただくと共に、iCADの考え方や技術が、世界の中でも非常にユニークで、かつターゲットとする機械装置の設計に最適な技術であると評価をいただきました。
今後、さらに多くの研究者とディスカッションを重ねて、この技術に磨きをかけてまいります。
(iCAD株式会社 三浦、香田)
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