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DIPROニュース

2013

8月号

2013.08.10

~Ultra Fast!~CAD’13 基調講演報告

6月17日(月)~20日(木)に行われた国際会議CAD’13(CAD Conference)にて基調講演を行いました。CAD’13は今回で10回目を迎えたCAD分野の国際会議です。曲面・曲線表現から解析、グラフィックなど幅広い分野の研究者が世界中から集まり、多数の発表が行われました。

今回の会議が行われたのは、イタリアのベルガモです。人口12万人ほどの中世ヨーロッパの雰囲気を残した綺麗な街でした。小高い丘の上にある旧市街、チッタ・アルタは長崎のオランダ坂を思い出すかのように石畳の坂が多く、また古くからの建物が多く残されています。今回の会議の会場となったベルガモ大学の建物も、修道院として13世紀に建てられたものでした。

私たちは今回、主催者の計らいで基調講演の場をいただき、“Ultra Fast 3D CAD System for Machine Design”(機械設計における超高速3次元CADシステム)というタイトルで講演させていただき、B-repによる形状表現が当たり前の3次元CADの世界に一石を投じました。多くの3次元CADは、自由曲面を含む部品形状を対象としたB-repを採用していますが、データが非常に大きく、部品数が多くなるとレスポンスが遅くなってしまいます。一方、iCADは、ターゲットとしている機械装置に自由曲面がほとんど含まれない特徴を活かし、機械装置設計に特化したCSG方式を採用しています。これによりB-repCADに比較して50分の1のデータ量と、100万部品を0.2秒で処理する大規模・高速レスポンスを実現し、機械装置設計の分野では、iCADが圧倒的優位に立っています。

また今回は、ノートPC上で実際にiCADを動かしてデモを行うことで、参加者に超高速レスポンスをアピールしました。デモでの圧倒的な高速レスポンスに驚かれた方が多く、質疑応答では表示の仕組みなど多くの質問がありました。実物を見せることは、言葉を超えた共通言語だと感じた瞬間でした。

今回の発表では、鳥巣は20年ぶりに英語を話すこととなりました。30分ものプレゼンテーションを覚えきるには50回以上の練習が必要でした。それでも、ドイツ駐在員との2週間にも及ぶ特訓(ネットミーティング)により、なんとか本番を無事乗り切ることができました。

また、デモは普段、開発を行っている松波の担当です。松波は2年前にも英語で発表を行っていますが、今回は英語でのナレーションと同時に、iCADをスムーズに操作する必要があります。特に、綺麗なスクロールなどの画面操作は超高速レスポンスをアピールする肝となる部分のため、最後まで練習を繰り返しました。質疑応答では質問者の英語をなかなか聞き取れない場面もあり、1~2年に一度の海外出張では話すことはできても、聞き取ることは難しい面もあると実感しました。

英語はまだまだ未熟な私たちではありますが、グローバル化を目指して、さらに技術に磨きをかけ、世界のCAD業界に大きな波を起こしていけるよう努力を重ねていきたいと存じます。

引き続きiCADをご支援、ご愛顧頂けますよう何卒よろしくお願い申し上げます。

(iCAD株式会社 鳥巣、松波)

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