2014年4月より、これまで富士通にてパッケージソフト開発を実施しておりましたGP4(Global Protocol for Manufacturing)を、デジタルプロセスが開発元として参画することになりました。
3Dデータ活用は多くの企業様において重要テーマとなっておりますが、とりわけグローバルな設計-生産体制においては生産準備部門における3D活用は注目度も高く、「設計・生産連携」、「設計・生産の情報一気通貫」、「生産準備業務のフロントローディング」などを掲げられている企業様も多くいらっしゃいます。 これまで < 製品の組立にフォーカスしたVPS > は何度か掲載し、組立性検証やアニメーション活用、帳票作成などご紹介させていただきました。 < 工程レイアウトにフォーカスしたGP4 > ではさらに人の作業に着目し、組立工程における作業性や動線の評価を行うことが可能になります。
2つのツールはより連携を深め、組立業務におけるデジタル生産準備ソリューションとして、これまで以上により強力に開発を推進して参りますので、引き続きご愛顧のほどお願い申し上げます。
GP4は、これまで2D図面などで作成していた工場レイアウト検討に3Dデータを活用し、作業者目線でのレイアウト検討や人の動線を評価し、現物のラインを構築する前に仮想量産試作を実施するツールです。
製品や治工具を含んだ組立順番はVPSで作成し、各部品やアセンブリをどの場所に置き、何人で誰が組立作業をするかをGP4で評価する流れになります。
VPS、GP4ともに設計段階から製造部門が関わることで、より生産性を考慮した製品開発や生産ラインの検討を推進することが可能になります。
GP4は、CAD未経験者でも使える操作性を持ち、人間系の組立生産に特化した機能を保有しています。
(1) レイアウト検証
必要な設備、部品棚が現地で問題なく配置できるかを事前に確認できます。作成した3Dレイアウトに現地スタッフの平均身長を想定した人を配置し、作業台の高さや作業台内のレイアウトを事前に把握することが可能です。さらに面積計算機能により効率的にスペースが活用できているかも確認可能です。
レイアウト作成に必要な部品棚や箱などの3Dデータは400種類の寸法変更可能なライブラリとして保有しており、多くのモデルは新たにモデリングする必要はありません。
(2) 作業性の評価
人を起点とした組立作業の容易さを評価できます。届く範囲で部品が取れるか、またはその範囲で組立作業が可能かを検証できます。 また製品の重量値によって、片手・両手・それ以外(複数名作業、助力装置など)の作業特性を評価することも可能です。無理な姿勢で手を伸ばす、もしくはしゃがんだ姿勢での部品の取り付けなど、ミスの発生しやすい作業の検証が可能です。
(3) 歩行作業の自動生成
(1)、(2)で作成した工程のレイアウトや作業者の情報に加え、部品の置き場所、組立作業する場所、組立順番の情報を設定することで、人は自動的に歩行を行います。VPSからの組立順番や正味工数も活用することで、人の動線評価を短サイクルで検証することが可能です。
(4) 生産性の評価
山積み表(ピッチダイヤグラム)が自動で出力され、ラインバランスや編成効率の検討が行えます。各作業者のサイクルタイムとその内訳時間としての正味時間、付随時間、手待ち時間が算出されますので、改善アプローチをどこから手をつけるべきかを気付かせ、生産性向上に向けたアプローチを論理的に検討可能です。
生産準備における3D活用は、「3Dモデルを見る」、「計測や干渉検出を行う」、「画像をキャプチャして帳票に貼る」については多くのお客様が取り組まれていますが、組立工程シミュレーションはその専門性の高さから専任者が実施しているケースが多くあります。VPS + GP4は、組立プロセス検討全般への3D活用を生産性検討に関わる現場の方が自ら実施していただける操作性を持ち、短サイクルで「バーチャル改善」に取り組んでいただけるシステムです。
今後とも「デジタル生産準備ソリューションVPS + GP4」に是非ご期待下さい。
(VPSビジネス部 次長 坂田 恭一)
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