富士通株式会社とデジタルプロセス株式会社は、組立製造業のお客様向けに、製品の組立プロセス検討を3次元モデルで支援するデジタル生産準備ツール「VPS(ブイピーエス:Virtual Product Simulator)」の新製品「VPS V15L15」を2014年11月26日に発表しました。
VPSはこれまで、製品の組立性検討から組立手順書などの製造用ドキュメント作成といった生産準備業務を支援してきました。最近では、製品の組立プロセスを検討する際、並行作業やサブライン化など工程間の関係も考慮した検討が求められ、特に構成部品点数が多い産業装置や医療機器などの製品を扱うお客様において、そのニーズが高まっています。
新製品では、このようなニーズに対応するため、製造工程全体を俯瞰的に把握し、組立プロセスを検討できる「組立ブロック」機能を提供するほか、その情報を「GP4 V11L12」でも活用可能にし、製造ライン編成までを考慮した製品の組立を実現できます。
VPSでは、「製造フロー」上でCADから取り込んだ製品構成を各部品単位までの詳細な組立構成・手順に並び替えることができます。それをユニット単位や一人の作業者が担当する範囲、サブラインで作業する部分などをブロックに分割した後、「組立ブロック」機能を活用して、製造工程全体の流れを確認できます。この「組立ブロック」機能では、サブラインや並行作業での工程も表現できるため、工程間の関係性を全体的に俯瞰した組立プロセスの検討ができるようになります。また、組立手順をブロックごとに確認する際は、アニメーションでの再生のほか、半自動で作成可能な組立指示図(ローカルショット)でも確認可能なので、作業のレベル感に合わせた運用が可能です。
「組立ブロック」機能紹介動画(再生時間: 1分50秒 / 音声なし)
VPS上での組立構成/順序編集作業がより柔軟かつ、短時間で行えるようになりました。3Dモデルを選択して、組立構成/順序を編集する際に、隠れた部品、奥にある部品、複数部品の選択が分かりやすくプレビューされるので、構成/順序を変更させたい部品選択が確実に行え、短期間で編集できるようになります。また、組立手順のアニメーションから、製造フロー情報とアニメーション中の任意のタイミングを静止させた画像(スナップショット、ローカルショット)を出力し、これらを取り込んで、組立手順書などの製造用ドキュメントを瞬時に作成する機能を強化しています。図中に頻繁に挿入する溶接や仕上げ記号などをユーザーがライブラリ登録し流用可能にすることで記述内容の統一を図ることができるほか、切断表示状態の図の挿入や3次元モデルの表示方向の柔軟な変更などが可能となり、エンジニアが意図する製造ドキュメント用画像をこれまで以上に簡単かつ詳細に作成できます。
VPSの組立ブロックの情報は出力して、同時期に提供開始するGP4(ジーピーフォー:Global Protocol for Manufacturing)の新版「GP4 V11L12」で利用することができます。GP4上の各作業場に対して、組立ブロック内の工程情報を割り当てることができ、組立ブロックごとのラインのレイアウト構成を検討することができます。また、VPSデータを取り込む手順を簡素化し、連携のための工数を大幅に短縮しています。なお、「GP4 V11L12」はVPS連携の他にもメモリ使用料削減、選択操作や一括編集など工程編集時の操作性強化をしています。
VPS製品紹介サイト (富士通サイト)
2014年12月提供予定です。ご不明点につきましては、弊社営業部までお問い合わせください。
(注1) 組立構成検討QCD力:組立てに関する品質(Quality)、価格(Cost)、納期(Delivery) 向上を目的とした検討を行う力。
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