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DIPROニュース

2016

1月号

2016.01.15

新しい年を迎えて

昨年はお世話になりありがとうございました本年もよろしくお願い申し上げます。
代表取締役社長 山田 龍一

明けましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になりました。本年も引き続きお引き立ていただきますようお願い申し上げます。

さて、昨年末に発表された2015年の今年の漢字は『安』でした。一般からの投票で選ばれ一位になった背景には、昨年は国内での安全保障に関した議論や海外でのテロ事件の発生、更にマンションの基礎杭施工データの不正等、命の安全や安心に関わる話題が多かったことが影響しているのではないかと言われています。一昨年は消費増税に伴う景気腰折れが話題になっていたことから『税』が選ばれていましたから、国民の関心事は経済から安全・安心といった方向にシフトしたのかもしれません。また、同様に『今年の言葉』には『爆買い』が選ばれていました。確かに新幹線に乗っても、街中の店に立ち寄っても外国からの観光客の方々がとても目立ちます。政府観光局の発表によると1~11月累計での訪日外国人数は前年比40%強とのことですからこうした状況もうなずけます。ここ2~3年、円安・株高・原油安といった経済環境の激変と、それに伴う景気の先行きや生活への影響が語られてきましたが、そうした動きが定着して、先行きの不安要因はあるものの、穏やかな回復基調の上で、皆の目がその先の事に向くようになってきたようにも見えます。

そのような中で、国内の製造業も先を見据えた取り組みに、より力を入れているように感じられています。そして、技術開発の方向性についても、いくつかの柱の輪郭が、よりくっきりとしてきたように思えます。例えば、自動車産業では、電動化や内燃機関の効率向上をはじめとした資源・エネルギー・環境問題への対応に加え、自動運転やコネクティッドカーといった車あるいは車社会の情報化・知能化といったテーマでの開発競争が激化していますし、日・米・欧で官民が手を組んで進められている生産システムの革新に向けた取り組みについても、今後十年の単位で継続的に取り組まれる大きなテーマであると思います。こうしたハッキリとした高い目標があるという事は、企業、そして個々の技術者にとっても大変刺激のある、やりがいのある環境になってきたとも言えます。近年、『製造業の復権』といった言葉をよく耳にしてきましたが、こうした目標に向かって熾烈な競争が展開され、積極的な技術開発が行われる環境こそが、それを実現してくれるのではないかと思っています。

これらの動きの中に共通している点は、『IoT』という言葉に象徴されるように、所謂メカとITの融合が前提となっている事です。そして、近年大きく進歩してきたそれぞれの要素技術を組み合わせ、高度で複雑なシステムをもって実現するという性格を持っています。この事は、一企業のみでは難しく各分野で優れた技術を持つ多くの企業の力をより結集させる事が必須となりますし、製品として取りまとめる企業にとっては、複雑なシステムの信頼性の担保を含めて、従来になく複雑な開発工程を踏んでいく事になり、それをこなしていく為の新たな組織やプロセスを作り上げていく事を迫られることになると思います。当社としても、そこで必要とされる開発・生産プロセスの革新に対しては強く関わり、その実現に向けて貢献していきたいと考えています。

謹賀新年

今年は申(さる)年です。ネットで調べてみると、元々農作物の成長段階を表していた十二支の中で申の字が当てられ、猿(さる)というのは、民衆の分り易さを考えて後から関連付けられたとの事です。そして、申の字そのものには『草木が伸びて果実が成熟して固まっていく段階』との意味があるようです。色々な見方があるようですが、私達の立場で解釈すると、前段で述べた様に日本の製造業にとって、取り組むべき目標が、より固まってくっきりしていく、そしてそれに向かって、企業が、そして個々の技術者が皆一心に取り組んでいけるような一年になってくれればと思っています。

重ねまして、本年もお引き立てのほど、よろしくお願いいたします。

(代表取締役 社長 山田 龍一)
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